犯人は、誰か。
頭を整理する。
俺の記憶は、正しいと仮定する。
俺とノアは、親友だ。
ノアはヒナとも仲が良くて、自分の妹でもあると言って日頃からよく一緒に遊んでやってくれてた。
面倒見が良くて、ピーマンが嫌いで、カレーが好きだった。
だからピーマンカレーが出た時には、非常識だと言って俺にピーマンを押し付けてくるような幼稚な面もあった。
幼い頃から一緒に、この孤児院で育った兄弟みたいな存在だ。
そんなノアを…俺が忘れる…?
俺だけじゃない、孤児院のみんなも、ヒナでさえも…!
話題に出ないどころか、俺だって名前すら忘れていた…
いや、忘れさせられていた…!
だとしたら、誰が、何のために…?
そもそも、ノアは何処に行ったんだ?
ノアは、先生の仕事を手伝っていた。
仕事と言っても、掃除や片付けの分類だが…
『神無月先生には、近付かない方がいいよ…僕だって、あの先生の危険性は、理解しているからね…』
ノアの発言が蘇る…
神無月先生が、危険?
一専門医に何が出来る?
集団睡眠術でも出来るってのか?
あの先生はどっちかっていうと、危険な人体実験でもやってそう…な………
………いや、そんな、まさか…な…
「………ノアにあげた、ボールペン…何処にあった…………?」
先生の、机の、上………に………
「…まずい…!!!」
俺は急いで医療室に走る…!!!
もし、万が一にでも、本当に…先生がノアを隠した犯人だとしたら…
今、医療室には、ヒナが…!!!
…ノア!!……ヒナ!!!