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第八十三話 雄三おじさんにダンジョンの秘密を聞こう

この話で第二章が完結となります

明日から最終章である第三章を投稿いたします


 牧場型ダンジョンでの採集は無事に終了し、それぞれが自らの判断で可能な限り必要と思う食材を収穫していた。


 米や小麦などの穀物類はみんな最低限にとどめたみたいで、主に入手したのは果物類だって聞いている。


 それぞれが入手した果物をリスト化し、いざって時には交換するって話だね。


「という訳で俺は当初の予定通り、超久しぶりにここを訪ねてる訳だけどさ」


 俺の目の前にあるのは舞秦(まいはた)家。つまり玲奈(れいな)の家って事だね。


 ここに来るのは記憶を封印されて以来だから、実に三年ぶりだ……。


「たぶんおじさんは玲奈(れいな)にこってり説教されてるだろうし、俺から何か言うのはやめておこう」


 記憶の封印は俺を守るための措置だしな。


 確かに、あの時灰色を引いてはしゃいでたら速攻で魔族共の標的にされてただろう。


 俺が灰色だって情報もその日のうちにネットに流れてたし……。あの情報を流したの、結局誰だったんだろうな?


「ごめんくださ~い」


「ん? おお、眩耀(げんよう)か。本当に久しぶりだな」


「ええ、こうして訪ねて来るのは三年ぶりですね。記憶を封印されて以来ですか?」


「と、いう事はもう封印が解けたのか……。あいつめ、息子に手心を加えやがったのか?」


 ああ、冒険者になってこんなに早く封印が解けるなんて想定の範囲外なの?


 封印が解ける条件が分からないんだけど、時間なのか能力なのか……。


 おそらく俺は覚醒が条件なんじゃないかと予測してるんだけどさ。


「それは無いと思いますよ。で、今日はおじさんに話があってきたんですが」


「……玲奈(れいな)をくださいって話か?」


「それはもう少し先のになりそうです。最低でも魔王をボコってからの話ですね」


「ほう……。そこまで言うからには魔王の強さを知ってるのか?」


「今まで何人かダンジョン犯罪者の魔族を倒してきましたが、同レベルだったら楽勝ですね。魔王って、こいつよりどのくらい強そうです?」


 大邪竜ファフニールの牙を一本出して、雄三おじさんに差し出してみた。


 目を剥いて驚いた後、本物かどうか確かめてるみたいだね。


「まさか……、お前が菅笠侍なのか?」


「あ、動画を見てくれてたんですね。それより、そろそろ中で話しませんか?」


「ああ。まさか封印するしかないと思ってた大邪竜ファフニール(こいつ)を倒せる奴が居るなんてと驚いていたんだが、世の中は狭いもんだ」


 そいつが徒歩一分程度の場所にいるとは思うまい。


 大邪竜ファフニールって確かに強いんだろうけど、俺と目を合わさない程度の雑魚でもあるんだよな……。


 最初にホント一瞬目が合ったけど、そこから先は本気で俺の方を向かずに気付いてませんよ~って態度だったからね。


◇◇◇


 昔はよくここで食事会をしてた居間に通されたけど、玲奈(れいな)の姿は無いな。


 ん? いま朝の八時過ぎだけどまだ寝てんのか? あいつ。そういえば昔っから朝は弱かったよな。


「今日訪ねてきた理由は魔王の情報だな?」


「それとおじさんの装備の強化って目的もあります。魔王は俺が倒す事になると思いますが、おじさんの武器ってかなり古かったですよね?」


「勇者の武器を打てる人間なんてそうそういないからな。これが俺の装備だが、装備の強化ってこれ以上の武器が打てるのか?」


「ちょっと拝見します。……武器レベル八、想像してたより意外にいい武器ですけど、勇者が持ってるような武器とは言えないんじゃないですか?」


「いってくれるな。それでもこの国で最強の武器の一本だぞ。レベルが二程足りないのは、魔道展開型にするとそれ以上のレベルで打てる奴が居ないからだ」


 攻撃力の補正が千ちょっと?


 で、そこそこ丈夫で魔道展開型にした程度の武器を勇者に渡してるこの国の方がやべぇよ!!


 相手は魔族とか魔王だよ?


 この武器だとちょっとどころじゃなく心許ないだろ!!


「意匠はこの装備に習うとして、問題はどこまで補正を付けるかですね」


「最低でもその武器を超える補正は必要だぞ」


「ああ、千ちょっとの補正ですよね? これだったら玲奈(れいな)が今使ってる錫杖の方が遥かに強いと思いますよ」


 アレでも五千程度は補正ついてるからね。


 あの錫杖の真価は神域展開能力とかだけどさ。


「マジか」


「ん~、雄三おじさんが使うんだし、わりと本気バージョンの武器でも問題ないかな?」


「神白金、古龍の牙と爪、鱗まで使ってやがるな……。高純度の魔素の詰まった魔宝石と魔石、それだけの素材を使って魔力が持つのか?」


「今回は魔力を一億くらい要求されそうですね……。魔道展開型にしますし、仕方が無いですよ」


「ちょっ!! 億? 鍛冶スキルで魔力を億要求される武器を打てるのか?」


「そうですね。でも今回使ってるのは鍛冶スキルじゃなくて、錬金術スキルですよ。一応鍛冶スキルも補助で発動していますけど」


 魔道展開型にすると鍛冶スキルで打つより錬金術スキルで打った方がより強力な武器が打てる。


 ただ、併用というか鍛冶スキルも発動されていないと強い剣に仕上がらないって罠がある。


 スキルを二つ併用して発動させると必要魔力が跳ね上がるし、生半可な冒険者じゃまともな武器は打てないけどね。


「完成。魔道展開型勇者の剣。武器レベル二十で、攻撃力の補正が百万ほど入ります」


「……それ、魔道展開前の話だろ? 全力は幾らだ?」


「流石ですね。限界まで力を引き出せば五百万って所ですか。大邪竜ファフニールを一太刀で真っ二つにできる威力ですよ」


「これを打てる時点でお前の力がどんなものなのかは理解した。おそらく、現時点で世界最強の力を持っているんだろう。封印が簡単に解ける訳だ」


 流石におじさん。


 俺のステータスとか色々説明するより、これを渡した方が話が早いと思ったんだよね。


「同レベルの防御力を持つ盾と、闇魔法を無効化して十秒で一割程度魔力を回復させるリングもありますよ」


「俺を何と戦わせるつもりだ? 魔王戦を想定した装備でもここまで必要ねぇぞ」


「一応念の為ですかね……。という事は、魔王ってそこまで強く無いんですか?」


「……分からんのだ。一応魔族も俺達と同じシステムでステータスを成長させていくらしいんだが、今まで魔族は何度か姿を現しているが魔王は出現した事が無いんだ」


 ん? 魔王がいない?


 というか、今までただの一度も姿を見せてないってどういう事?


「どこかのダンジョンの最深部に魔王城があって、そこにいるとかじゃなくてですか?」


「ここから先は絶対に他言無用だ。いいな」


「わかりました。ちゃんと心得てますよ」


 おじさんは用意していたお茶を一口すすり、一呼吸おいて話し始めた。


「すべての始まりは四十年ほど前、この世界にダンジョンが出現した事から始まった。これは偶然ではなく、ある存在の手によって行われた世界規模の実験でもあったんだ」


「実験? ダンジョンなんて存在を作り出せる存在ですか?」


「そう。だからこそあんな短期間で全ダンジョンが民間に開放されたし、誰もその事を止める事が出来なかったのさ。当時のダンジョン探索者の死亡率は知ってるだろう?」


「最初期の一年位は八割以上でしたっけ? まだ魔物の強さの情報もありませんし、装備だって本当に紙程度の防御力しか無い物ばかりだったって……」


 レベル一になるまで魔法は使えない。


 レベルが上がっても急にできる事が増える訳じゃないし、武器だって碌な物が無いからゴブリンが落とす棍棒が一番活躍してた時期って言われてる。


 鍛冶スキルの存在が知られ、いろんなスキルの情報が集まってようやく下の階に挑戦できるようになったんだっけ?


「あんな状況だ。冒険者になるのを規制されてもおかしくないし冒険者になる為に厳しい条件を要求されるのが当然だろうに、そんな意見は出てこなかった。あれだけ人命軽視して探索を続ければ普通はダンジョンを封鎖されてもおかしくない」


「でもそんな事は無かった。お国柄というか、人海戦術で何とかしようとした国もありましたよね?」


「あったな。というかそんな国は今もある。冒険者としての力はそれだけ魅力的だし、この力は個人として持つには危険すぎるのにな」


「再生や蘇生の魔法もヤバいですよね。魔法の出現で医療関係もかなり変わりましたし……」


「そのあたりはいまだに調整が続いているからな。なぜこんな状況が黙認されてきたか。その答えが、【神】と【魔族】の存在なんだ」


 神と魔族?


 って、神って何? 俺が足を踏み入れた神域って領域は、もしかしてその神の領域なのか?


「神様なんているんですか?」


「いる。それも想像上の存在じゃない。最低でもこの世界を作り出した神と、ダンジョンが存在する世界を作り出していた魔界の神がいるそうだ。ダンジョンがこの世界に姿を現した時、各国のトップがその神に面談を許されたらしい。国王や大統領とかその国でまちまちだったそうだが」


「まさか……。でもそれが真実なんですね」


「ああ。そしてダンジョンを開放して冒険者の数を増やす事、そしていずれ魔王率いる魔族とこの世界の人類の存亡をかけた決戦がある事を一方的に宣言して来たそうだ」


 そこで魔族や魔王が出てきた訳だ。


 で、魔族はたまに姿を見せてるけど、魔王の存在がここまで秘匿されてるのはなんでなんだろう?


「魔族がそこそこ強くて厄介なのは理解してますが、魔王ってどうして一度も姿を見せてこないんですか?」


「魔王が姿を見せた時、魔族と人類の決戦が始まる。そして勝った方がもう一方の世界を手に入れるってルールらしい。で、魔王も一人だけしか存在しないクラスらしくてな、成長率が悪いと途中で容赦なく殺されるそうだ」


「魔族容赦ないですね。対になる存在として勇者がいますが、その能力とかは知られてますよね? 向こうはおじさんの能力を超えるまで魔王を出してこないって話ですか?」


「それがな、ダンジョンをこの世界に作り出した後でお互いの神が意図しない現象が起こってるんだ。なんだかわかるか?」


「いえ……」


(ひじり)だよ。魔王に対抗できる唯一のクラスは勇者しか存在しなかったのに、それを超える存在が急に現れちまった訳だ」


 あ~、そう考えるヒーローってバランスブレーカーだよな。


 変身前の親父も強いけど、変身したらおじさんより強い筈だし……。


「そう考えるとヒーローっておかしい能力を持ってますよね。色数もそうですけど、灰色のステータスカードって……。まさか!!」


「灰色のステータスカードってのが元々世界のバグなのさ。本来制限が掛かっているというか、そこまで増やせない筈の色数を最大……、噂じゃ神の域まで増やせるらしいからな。(ひじり)の奴もそこまでは増やしていないらしいが……」


「赤青黄の三色や白黒の組み合わせの制限ですよね。増色の魔石を使っても、絶対に増える事が無い組み合わせだった筈……」


「そうだ。元々白と黒が絶対に組み合わせられない組み合わせだったのさ。その為にどうやっても五色までしか増やせない色を、それ以上に増やせる特別な存在。しかもだ、このヒーローってクラスは人類側にしか出現しないんだ。灰色のステータスカードもな」


 灰色のカード持ちが増えると魔族側がかなり不利になる。


 というか、元々魔族の方が種族的には強かったんだろうけど、灰色のステータスカード持ちが増えるとその優位性は失われる。


 なるほど、発見次第殺したい訳だ。


「それで灰色のステータスカード持ちが狙われる訳だったんですね」


「ああ。だが元々灰色のステータスカードの出現率は低く、ヒーローの素質がある奴でも成長過程で挫折する奴も多かった。お互いの神との契約か何かで、魔族もこっちの世界で大っぴらに活動するのはまずいらしくてな、灰色を引いて喜んでるような奴以外は様子見って事らしい」


「大っぴらに手出しができない?」


「その辺りは神同士の取り決めらしい。人類と魔族の戦いが始まるまでの間、多少の活動は認めているが侵略行為や戦闘に関してはかなり厳しく制限されてるって事なんだ」


 ん~? ダンジョン犯罪は?


 アレで結構な犠牲が出てるし、ほぼ侵略行為だよな? 戦闘も多いし。


「ダンジョン犯罪者は魔族ですよね?」


「トレインは元人間だ。それに罰則として魔族が殺しを行うと、勇者が魔王に対する攻撃力なんかが上がるらしい。魔族と人類の戦いが始まる前に犠牲者が多いと、その時に増える俺の攻撃力は十倍って話だ」


「もしかしてトレインの犠牲者って……」


「その数には数えられてないって話だ。魔族が直接殺す事が条件らしいんで、元々トレイン行為で殺した人間はカウントされないしな。忌々しい奴らだよ」


 だから直接手を出さずに引き連れた魔物や召喚した魔物を使ったりしてる訳か。


 システムの隙をつく姑息な奴らだ。


「今回戦うのは俺だと思いますし、そんなブースト無しでも一方的にボコってやりますよ」


「本気になった(ひじり)も強いが、……まさか、変身できるようになったのか?」


「残念ながら俺用のブレスなんて無いですから。変身するまでもないと思いますし……」


「あいつが変身すれば大邪竜ファフニールも倒せた筈なんだがな。あの時は色々あって、奴もやる気をなくしてたし」


「何があったんですか?」


「大邪竜ファフニールを封じた時に馬鹿みたいな数の犠牲者が出たって聞いているだろう? 本当は俺達が着くまで待って仕掛ける筈だったんだが、現地にいた冒険者が勝手に戦闘を開始しちまってたのさ。俺達が着いた時には、死後一時間以上経過した後でな」


 あ~、そりゃやる気をなくすよ。


 出さなくていい犠牲者を出した挙句、既に助けられない状態とか親父の嫌いそうな状況だもんな。


「それで封印ですか?」


「その方が犠牲者の名誉が守られると判断したんだ。倒しちまうと、本当に犬死だろ?」


「そうですね……。勇者パーティが封印するしかなかった大邪竜。だから、挑んで命を落とした事は仕方がないと……」


「勇者パーティが来るまで、命がけで時間を稼いだ。事実は違うが、人間って生き物は信じたい話の方を信じるからな。特に遺族は」


 暴走した挙句の無駄死にでしたとか言われても納得できないだろう。


 ただ、間に合わなかった事で勇者パーティに対する悪評は防げないだろうけどさ。


「勇者パーティが恨まれそうですね」


「暴れた場所の被害が凄まじくてな。暴走してその被害を出した冒険者の名家が俺達や参加した冒険者に被害が及ばないように裏で手を回してくれたらしい。元々は奴らの失態だしな」


「冒険者の名家って、その頃からあったんですね……」


「素質を見込まれて色々と情報や装備を手にした奴らだからな。冒険者のステータスはランダムじゃない。もう思い出してるんだろ?」


「なるほど。ステータスカード発行時までに十分努力させて、三色持ち以上を多く輩出すれば名家扱いされる訳ですね」


 ただ、どれだけ努力しても色数が増えない人ってのもいるらしい。


 ステータスカードの発行に失敗する人がその典型で、三色持ち確定しそうなくらい努力しててもカード発行時に弾かれるそうだ。


 その辺りはいまだに謎で、世界中で色々研究されてるみたいだけど答えは出ていない。


「魔族や魔王に関する情報はこの位だが、他に何か聞きたい事はあるのか?」


「いえ、特にないですけど。来月の遠征中はどうするつもりですか?」


玲奈(れいな)の事だろう? ……そうか、今のお前は寮暮らしだから預ける家が無いのか」


「そういう事ですね。玲奈(れいな)も一時的に寮暮らしにするか、誰か信頼できる冒険者を此処に呼ぶかですね」


 魔族に肩入れする奴らってのは少なくない。


 それどころか、魔族と組んでトレインの仲間みたいに一緒にダンジョン犯罪に手を染める奴らまでいるしな。


「悩むところだが、今回は俺一人で行って……」


「依頼主がキレますよ」


「だよな……、今聞いている話だけでも相当な資源の量だ。レイドパーティ回しをする際も順番でかなり揉めたと聞いているしな」


「二十四時間体制にする為に、勇者パーティを二つに分けるって話ですし、親父とおじさんは十二時間回し確定でしょ?」


 おじさんか親父入りのパーティひとつに、後はレイドで共闘するパーティ三つ。


 で、実際に赤火竜(レッドドラゴン)を倒すのはおじさんか親父で、後の連中は巻き込まれないように後方で待機。


 流石にあの赤火竜(レッドドラゴン)がそこそこ強くても、おじさんや親父の敵じゃないしな。


「仕方ない。知り合いに頼むとするさ」


「へぇ~、任せられるような人がいるんですか?」


「今の奴はまともだからな。先代というか、その前が酷かった知り合いなんだが」


 これで俺も安心だし、最悪半月ほど寮を離れて実家暮らしになるところだったよ。


 寮の長期不在は罰則対象で、二週間を越えたら下手すると追い出されるからな……。


「これで俺も安心です。今回は久しぶりでしょうし、期間が長いから心配してたんですよ」


「そこまで心配するんだったらお前が守りゃいいだろうに」


「いざとなったらそうするつもりでしたけど、その後が少々面倒でしてね……」


 寮を出るとなると学院の近くに家を探さないといけない。


 アパートを借りてもいいんだけど、冒険者に貸すのを嫌う大家が多すぎて最終的に近くのマンションあたりを買わなきゃいけなくなるんだよな。


 今はあの辺りで売りに出されてるアパート位は余裕で買えるけど、いろいろ面倒な手続きとかあるし掃除や洗濯がな……。


「守る方は否定しないのな」


「記憶を取り戻しましたからね、守って見せますよ。誰が相手でも」


「言うようになりやがったな。それでまだ娘さんをくださいって話しじゃないのか?」


「その前にやらなきゃいけないことがふたつだけ残ってましてね。大丈夫、そこまで待たせはしませんよ」


 まだ高校一年だし、その話には早いだろう。


 魔王の討伐。


 そして十数年前から行方不明のおばさんの救出。


 俺のヒーローとしての勘が、おばさんはまだ生きてるって教えてくれる。だったら、助け出して二人の前でそのセリフを言わなきゃ駄目だろ。


「楽しみにしてるさ。酒くらいは飲めるようになってからにしろよ」


「冒険者登録したら酒は飲めるようになりますけどね」


「そういやそうだったな。で、飲めるのか?」


「いろいろと強くなる前に始めたかったくらいですか? それじゃあこの辺りで失礼しますね」


 味は何となく理解できるんだけどここまでステータスが上がっていろいろ耐性が付くと酒を飲んでも酔わないし、アルコールのお陰で気分が高揚する事もないんだよな……。


 高レベルの冒険者は、それでも酒に酔う術を身に着けるらしいけどさ。


 その技術、必要なのか?


 さて、これで当面の問題は片付いたし、魔王や魔族の情報も手に入った。


 しかし……、流石に神の存在にまで話が広がるとは思わなかったな。


 というか、ちゃんといたんだね。神様。




読んでいただきましてありがとうございます。

楽しんでいただければ幸いです。

誤字などの報告も受け付けていますので、よろしくお願いします。

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