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第六十九話 赤火竜が守ってきた地下九階以降のお宝!!


 牧場型ダンジョンの八階名物、強化種の赤火竜(レッドドラゴン)


 ここのダンジョン管理者が雄三おじさんとか親父あたりに応援要請して、親父たちを含めたパーティでこいつを狩りまくっていくつかのパーティが九階への通行証を手に入れるって手もあるんだけど、なぜか此処はその手を使わないんだよな……。


 国内にあるフロアボスがいるダンジョンの多くでこの手は使われてるし、その報酬なんかも親父たちの定期的な収入源になってるんだけどね。


 ただ、この牧場型ダンジョンに関しては理由が何となくわかる。


 十五階まで存在していることが分かっていたとしても九階以降に何があるのか分からないし、そこにまた強力な魔物が存在してたら八階を突破した意味がなくなるからね。


 だから誰かが一度最下層まで攻略し、何があるのか分かればそういった手段に出る可能性もあるんだけど、結局今までその機会が無かったって話なんだよな。


 ……俺が今日攻略してしまえば、そのうち親父に依頼が来るかもしれないか。アレ一回でかなり儲かるから、親父たちの機嫌が暫くいいんだよね。


 今までダンジョンで稼いだ財宝で、割とうちやおじさん家は裕福だけどさ……。


「という訳で、赤火竜(レッドドラゴン)君とのごたいめ~ん。一体目だけど五体め~んとはこれいかに」


 さっむいギャグに対して、ツッコミを入れてくれるひとはいませんでしたとさ。


 で、肝心の赤火竜(レッドドラゴン)はといえば、臨戦態勢のままこの階の奥で優雅に飛んでいたりする。お前がツッコミを入れてもいいんだよ? あっついブレスでな。俺には効かないけど。


 あいつは俺の攻撃があそこまで攻撃が届かないと思ってるんだろうな。


 俺の場合どんな魔法でもあそこまで届くし、どんな魔法でもあいつを一撃で倒せるんだけどね。


「俺との実力差を分からないとか本当に強化種か? あの大邪竜でさえ俺との力の差は秒で理解したぞ」


 あいつは一瞬しか目も合わせようとしなかったからな。


 流石に伝説の大邪竜らしく俺との実力差を理解してたし、自分より強い相手には徹底的に関わらないって所も凄かった。


 もしかしたら俺にあいつを封印した親父と同じ気配を感じてたのかもしれないけどさ。


「この位の距離だったら加速して一瞬だな。空を飛べる冒険者がいるって理解した方がいいぜ」


 ここ最近、緑スキルを入手する冒険者の数は増えているはずだ。


 青・黄持ちだけの特権だけど、スキルポイントをつぎ込むだけで色が一色増えるってのはかなり冒険者の能力に影響する。


 ボーナスポイントは倍だし、レベルリセットの権利が手に入るからね。


 まだ噂レベルでしか緑獲得の情報は流れてないけど、試している奴は結構いるだろうしな。


「という訳で一閃して終わりか。あっけないな」


 倒した赤火竜(レッドドラゴン)は十秒以内に特殊インベントリ内に取り込んで、特殊インベントリの機能に解体依頼を出しておく。


 特殊インベントリが色々進化してて、解体は依頼しておけば自動でして貰えるようになったんだよな~。おかげで汚れずに済むんだよね。感謝、感謝。


 ドロップも当然ドラゴン肉各種と、でっかい高純度な魔石。それにドラゴンらしく金銀財宝が多めだね。ホント、竜種って光物が大好きだから。


 赤火竜(レッドドラゴン)の牙とか爪は強力な武器の材料になるし、鱗も装備に加工すると高いらしいけど今更防具なんて必要ないしな……。


 武器に関してはそのうちパーティメンバーにいいのを作ってあげよう。


「これだけ肉が手に入ったのが大きいな。これでキャンプ中のバーベキューに串焼きだけじゃなくてステーキも出せるぞ」


 ドラゴン肉のハンバーグや餃子とかのミンチ料理も最高なんだよな。


 以前倒した古龍の肩ロースとバラ肉だけは何度も料理して食ってるけど、他の肉にはない旨味なんだよね。


 まさに絶品!! ダンジョン肉の頂点に輝くだけはある。


 お、ダンジョン九階に繋がる転移用ポーターの使用許可証も手にはいったな。俺の場合はここを素通りする事なんてないけどさ。


 ドラゴン肉が手に入るのに、見逃す手は無いからね。


「さて、問題のここから下の階。何がいる事やら……」


 海ゾーンがあるかどうかと、どの規模で海が展開されてるかなんだよね。


 流石に船が無いとどうにもならない規模の海エリアは持て余されるし、釣りで魚介類を手に入れるにも限度がある。


 ダンジョンアコヤガイが見つかった場合、どんな手段を使ってでも手に入れるだろうし、青スキル持ちの水無効っていう水中探索用魔法持ちがかなり優遇されるだろうね。


 アレも覚えてる人がかなり少ないっぽいけどさ……。


◇◇◇


 牧場型ダンジョンの地下九階。


 俺の目の前にはやべぇ風景が広がっている。おそらく俺はどれだけの金銀財宝の山を見てもこれほどヤバいとは思わなかっただろう。高難易度ダンジョンで、古龍の財宝を見た時以上の衝撃だ!!


 牧場型ダンジョンの地下九階。そこは階層が丸ごと畑や田んぼなどで構成されていて、()()()()()()()()()()()()()、整った畝や水田が奇麗に並んでいた。


 いってみれば農場型フロア? ここまで大規模な物は流石に聞いた事もないけどさ。


 移動用ポーターの奥には果樹園が広がっており、そこからは美味しそうな甘い香りが漂って来る。


「アブラナ科が隣接して植えられているのに欠片もキメラ化してないだと!! ちょっと失敬……。このレタス、生のままでも旨すぎだ……」


 目から鱗というか、こんなに旨いレタスを食ったのは本気で生まれて始めてだ。最近は割とグルメな食生活をしている筈なのに、これに匹敵する野菜を食べた記憶がない。


 マジで野菜が全然渋くない上に甘くておいしいし口に広がるレタスの香りもヤバい。これをサラダで出すだけで大人気だろうね。


 このフロアの農作物で特にヤバいのは米や麦だろう。


 ダンジョン米なんて超がつくほどレアな植物なのに、それがキッチリ田んぼに植えられているんだぜ。


 他のダンジョンだとここまで群生してないから、数本ずつ生えてる稲穂を丁寧に一本ずつ採集して、そして何とか数合程度の玄米が手に入るって話だしな。


 一般的なダンジョン米は陸稲で、ここみたいに水田に生えてるダンジョン米なんて見た事もねえよ……。


「ここで収穫するだけで何日もかかりそうな規模だ。一応この風景は撮影してダンジョン協会に知らせるか」


 間違いなく親父たちに依頼が行くだろうな。


 とりあえず身体能力を全開にして米と麦を採集。米や麦にはいくつか種類があるみたいで、間違わないように一種類ずつ特殊インベントリ内に収納していく。というか、米や麦にいくつか味の違う銘柄がある時点で驚きだよ。


 最近の金持ちの夢見る最高の朝食は、ダンジョン米百パーセントのご飯と、焼いたダンジョン魚(種類は流石に問わないし、食べる人の好みもあるしね)、ダンジョン産の大豆を使った味噌汁と納豆(これも好みで意見は分かれる)、大鶏の卵を使った目玉焼き、これにダンジョン産の野菜で作られたサラダを食べる事らしいけど、どれだけ値段を抑えても一食五千万円以上ってバカげた朝食だぞあれ。


 このダンジョンにはパン用の小麦とかうどん用の小麦なんかが用意されてるのか……。しかも刈り取った稲や麦がすぐに生えて刈り取る前の状態まで戻ろうとしている。最初に刈り入れた場所の状態から考えて、完全復活には約二時間ほどだね。


 これだけ質の良い小麦があって最高のパンが焼けるとなると、最高の朝食洋食編が企画されそうだな……。


「もち米まである。見事に実った田んぼで黄金の様な稲穂とか言われる事があるけど、これはまさに黄金だろう」


 これを収穫して一俵持って帰るだけでいくらになるか想像もつかない。


 というより、こいつを炊いて食べたらうまいだろうな……。


 もち米は蒸して正月用の餅にするか。


「出来る限り収獲するつもりだったけど、ここに居たら何日でも収穫を続ける羽目になる。何処に何が生えてるかリストを作って、本気の収穫はまた後日だ!!」


 本当にキリが無いというか、幾らでも生えて来るんだから収穫が終わる訳がない!!


 十分な量は確保したし、この辺りで辞めとかないと本気で終わりがないぞ。


 という訳で、ある程度収獲して俺は地下十階に向かう事にした。


 かなり後ろ髪を引かれたけどさ……。


「地下十階は普通に牧場ゾーンか。上が衝撃的過ぎてこの光景を見てもあまり驚かないよな」


 牧場ゾーン。


 ここに居る牛はダンジョン牛で、ホワイトクリームカウって品種だ。


 ダンジョン動物なんでドロップじゃないのが痛い。目的の物を手作業で手に入れないといけないのが面倒なんだよな。


「ダンジョン動物も魔物と同じ様に回復力が凄いというか、こうして乳絞りをした後で一時間もすればまた乳が採れるって話なんだよな」


 このホワイトクリームカウは他のダンジョンでもいるし、別段そこまで珍しいダンジョン牛じゃない。


 ただ、こいつから採れる牛乳と生クリームは絶品で、その生クリームで作ったショートケーキは至高の逸品になるとまで言われている。


 また、アイスクリームにした場合もものすごく、濃厚なのにしつこくないクリームを堪能できるって話だ。


「こいつの乳とクリームは珍しく無いんだけど、どのダンジョンでも乳絞りの順番待ちがすんごいんだよね」


 問題は珍しく無いけど需要に対して供給が少ないっていうか、この生クリームや牛乳を狙ってる業者は多いのにホワイトクリームカウの数が全然足りてないって事だ。


 今俺の目の前には無数のホワイトクリームカウが美味しそうに牧草を食ってるけど、こんな状況はあり得ないんだよね。これ、軽く千頭は超えるぞ。


 なお、こいつの肉は乳臭くて食用に向いていない。


 だから傷つける冒険者なんて一人もいないんだよね……。ブラシでマッサージをしてやると割と懐くし、乳絞りにも協力的になるっぽい。


「ここもこの程度で撤退するか。牧場型ダンジョン、思った以上にヤバいダンジョンな気がする」


 マジで最強グルメダンジョンかよ。


 この階までホントにハズレ無しだよ。赤火竜(レッドドラゴン)は強敵だろうけど、あいつからもドラゴン肉が手に入るしね。




読んでいただきましてありがとうございます。

楽しんでいただければ幸いです。

誤字などの報告も受け付けていますので、よろしくお願いします。

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