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第五十五話 攻略!! 鉱山型ダンジョン!!


 十三階でレイドボスのジャイアントスコーピオンを倒して、俺達はそのまま下の階に向かうポーターを利用した。ここで採掘をしてもいいんだけど、流石にこの雰囲気でここに留まれるほど面の皮は厚くない。俺が此処にいると他の冒険者が遠慮して採掘が出来ないし、下手をするとせっかく掘り当てた鉱石とかを差し出そうとしてくるんだよ。全部断ったけどさ。


 このダンジョンは十五階までなんで、幾らか鉱石を入手したらダンジョンボスを倒す予定になっていた。だから採掘は一旦諦めて、最下層のボスの攻略を優先する事にしたんだ。


 ダンジョンボスを倒しちゃうと、次からいきなり最下層に飛べるからね。


「狭い鉱山型ダンジョンなのに魔物って器用に逃げますよね」


「奴らが逃げる方が行き止まりだ。挟み撃ちにしたら勝てるとでも思ってんのかな?」


 逃げる魔物のについていったら袋小路って事がよくあった。


 巣に誘い込めば勝てると思っていた愚か者もいたようだけど、残念ながら巣ごと壊滅する事になったとさ。


 無益な殺生はするつもりもないから死んだフリしてる魔物は見逃してるし、余計な戦闘は避けてるんだけどね。


「常に祝福と覚醒をかけてくれてるから私を狙っても無駄なのにね」


「俺よりはマシなんだろう。全ステータスがプラス百四十だっけ?」


「そうだね。しかも一定時間って、完全に一日なんだけど」


 祝福系のバフもほぼ一日持つから最初の一回だけでいいってのはありがたい。


 ダメージを無効化するバリア系はそれでも効果が切れる事があるけど、バリアが切れた後でもバフのお陰でほぼノーダメージだしね。


「……この辺りを掘ってみますか」


「またですか? ホント魔宝石探知機ですよね」


「これは当たりの気配。……きたっ!! イエローダイヤモンドの原石!! かなり大きいし純度も十分だ!!」


 金色を増やせる最高値の魔宝石。


 俺は錬金術を使えるから確実に金を増やせる特殊な魔宝石し加工する事も可能だ!!



 ――――うわぁ……、ほんとに掘り出したよ!! イエローダイヤ!!



 ――――これだけで今日は帰っても十分すぎる位の儲けだぞ!!



 ――――十分どころか、冒険者を辞めて一生豪遊できる



 ――――というか、なんでそれの場所が分かるんだよ!!  そこ変われ



 なんでと言われても困るけど、分かる物は仕方がないじゃん。


 それに、これだけあるってわからない場所を掘らないのも失礼だしね。


 ここに来るまで何度も感じた小さめな反応とか、大した事の無さそうな場所は結構素通りしてきてるしな。


「大当たりですね!! ここまで大きなイエローダイヤの原石なんて初めて見ました」


「この大きさですと確実に増色の魔宝石に加工できます。使うにしても売るにしても楽しみですね」


「え? 使うんですか?」


「時と場合と状況次第ですけどね」


 このまま桜輝(さくらぎ)さんとパーティを組む事を考えると、彼女に金スキルを覚えて貰う事の意味は大きい。緑も合わせて五色持ちになれるしな。


 四色の今に比べてステータスボーナスが倍になるのもデカいし、二回レベルリセットをすれば確実に覚醒状態まで上げる事が出来る。


 虎宮(とらみや)も同じ条件になれるだろうし、うちの学年の上位三人は俺達で決まりだろう。


 というか、校内でもたぶん有数の能力になる筈。


「確かに金スキル持はあこがれますけど、私に使いこなせるかな?」


「どれも強力なスキルですしね。その件については後で話し合いましょう」


「りょう~か~いで~す。というか、鉱山型ダンジョンのこんな場所でしてる会話じゃないですよね」


「ここまで暇だから仕方がないかも」


 穴掘って逃げる魔物までいるしな。


 ダンジョングルメというかダンジョン内で入手可能な食材は全然手に入らなかった。鉱山型ダンジョンに食材を期待するのが間違いだけど。


 ああ、そうだ。


「次のダンジョンは牧場型を狙いますか」


「近場の牧場型ダンジョンですか? ……隣の県にあったはずですね」


「そこだね。レッドチャージブルって魔物とかもいるけど、無数に存在するダンジョン動物が有名だね。確認されてる階だけでも汽水湖があるし、ウナギやスッポンまで獲れるらしいよ」


 あそこは魔物用の割と無害な動物もいるけど、食用の肉とかをドロップする魔物もいるダンジョンだよな。


 ある程度食材が集まれば、例のバーベキューセットでバーベキューってのもいいかもしれないじゃん。


 顔バレするから配信はしないけどね。


「せっかく冒険者なんて危険な事してるんだしさ、やっぱり一度位ダンジョン肉を食べてみたいじゃない」


「食べる事は同意ですけど、危険な事ってしてますっけ? いえ、一般的な感覚だとそうでしょうけど」


「俺が?」


「はい。ダメージを受けた記憶ってありますか?」


「失敬な。これでも……ずいぶん前に十いくらかダメージを受けた事がある」


 レベル一の時のレッサーゴブリン戦ね。


 レベル二に上がってからは残念ながら一度もダメージを喰らった事は無いな。


 あの時からかなり強かったし……。


「ダメージを受けた事があるんですか!!」


「どうして驚くかな? レベル一の時は誰でもダメージくらい受けるよね?」


「……普通の冒険者はレベルが幾らになってもダメージくらい受けます。菅笠侍さんに生命力が減った事があったのが驚きですが」


「そういえばそうか……。普通カンストしてもこのダンジョンのこの辺りに出る魔物の攻撃でダメージ食らうって聞くしね」


「もう少し上の階の魔物の攻撃でもダメージ入りますって!! まずそこがおかしいんですよ」


 バフ込みだと余裕で百億超えるステにダメージ入れられる魔物が居たら、そいつの攻撃でこの星は消滅してるよ。


 今の俺でもたまに攻撃態勢に入った時に警告音が鳴るのに。


【※警告!! このまま攻撃を行うと、この辺りが崩壊する可能性があります】


 少し本気を出そうとしたら、こんな警告が出るんだよね。


 ちなみにどんな攻撃をしようとしているのかと言えば、ホンの少し本気で殴ろうとしてるだけだよ?


 それだけでこんな警告が出るんだから相当だよな。


 今の俺は魔法の威力を百倍まで上げられるけど、百倍どころか通常の威力ですら使おうとしたら警告が出るしね。


 だから俺が今使っているのは今まで使っていた魔法に似た何かにしか過ぎない。使った時のイメージに似せた魔力を放ってるだけだからさ……。


「それは流石にステータスの恩恵かな? ある程度上げたらみんな同じ状態になるよ」


「なると思いますか?」


「同レベルのステまで来ればね。多分もう一段階下でもダメージなんて受けないよ」


 覚醒状態で最高数値の六万五千五百三十五になってもダメージなんて受けないさ。


 普通の冒険者が可能な二色追加でレベルリセット二回だと、どう考えてもそこまで上げるのはほぼ無理ゲーだけどな。


「そろそろボス部屋か……。鉱山型ダンジョンは最下層がボス部屋じゃないのが面倒だよね」


「最下層全部がボス部屋の魔物って、大体レイド級ですよね? 討伐報告自体殆ど上がってませんよ」


魔素溜(まそだまり)から出て来るイレギュラーも大体レイド級だしな。レイド級は強敵が多くていいよね」


「よくないですよ」


 おそらくだけど、この世界の冒険者に求められる条件はかなり厳しい。


 緑を入手可能な三色持ちか四色持ち、その上でさらに金を増やした五色持ちか六色持ち。


 この条件をクリアしない限り覚醒までステータスをあげる事なんてほぼ不可能だし、レイド級のボスは覚醒しないと倒せない。


 覚醒前の冒険者を何人集めても俺が高難易度ダンジョンで倒したドラゴンを倒す事なんて不可能だし、攻撃を喰らった時点で全員仲良くあの世行きだろう。


 大昔にあのトカゲ……、大邪竜ファフニールを封印出来た冒険者がいたのが驚きだよね。おそらく全員覚醒してたのは間違いない。


 っていうか、封印したメンツを考えると親父や雄三おじさんたちくらいしかやっぱり無理なんだよな……。つまり、普通の冒険者じゃ封印すら無理って話じゃん。


「と、話をしていたら辿り着きました~。鉱山型ダンジョンボス部屋前の待機室。便利な地上への転移ポーターも用意されています」


「これを利用して上に戻る冒険者はいると思いますけど、向こうの扉の先にいるボスを倒した冒険者は今までゼロ。何がいるかすら公表されていません」


「鉱山型ダンジョンですので、おそらくかなり防御特化した魔物がいるんじゃないかと思います。十秒くらい頑張ってくれたら面白いんですけどね」


「瞬殺する気満々ですね……」


 どれだけ防御力に特化してても一太刀でまっぷたつなのは間違いないし、ここまで来たら後は財宝を手にするための作業にしか過ぎない。


 でも、ダンジョン初制覇って称号はいくつあってもいいしね。


「さて、何が出るかな? ……おおっと、見てください。メカ!! かなりレアなメタルゴーレムですよ!!」


「うわぁ……。物理攻撃力、魔法抵抗力、物理防御力が異常に高くて、下手すると高機動型までいるメタルゴーレムじゃないですか。普通はそんな魔道展開式の刀剣類で戦う相手じゃないですからね」


「知ってる。普通は折れちゃうしね」


 今までも何体か確認されているメタルゴーレム。こいつがどの世代かは分からないけど、年々バージョンアップされて強くなっているって話だ。


 この辺りも不思議な話で、最初のメタルゴーレムは昔の漫画に出てくるようなあまり動きそうもない単純な見た目と性能だった。


 それが毎年の様にバージョンアップされて驚くほど強くなり、別種の魔物の様な性能を発揮していると聞く。


 今俺たちの目の前にいるこのメタルゴーレムは兵器的なフォルムを持ち、全身各所に物々しい武装を搭載しているしな。


「侵入者を確認。警告、十秒以内に退去すれば攻撃はしない。十、九……」


「警告してくれるなんて、割と親切設計ですね」


「そうだね。間違えて入った場合はここで逃げるのが正解なんだろうけどさ」


 というか、見逃してくれるとかかなり親切設計だよね。


 どう考えても普通の冒険者の装備じゃ勝てそうにないし。


「一……ゼロ。抗戦の意思ありとして戦闘モードに移行します」


「オーケーオーケー。かかって来いよ、木偶の坊」


「排除します」


 メタルゴーレムの手から眩い熱線が放たれる。ってそこ銃口かよ!! って、当然俺には通用しないし、桜輝(さくらぎ)さんにも炎や熱波の攻撃は無効化される。


 これは熱線魔法のファイアーブラストと同タイプの攻撃? いや、純粋に魔法的な兵器か何かが内蔵されてるっぽいな。


 すげぇ!! ロマンの塊じゃん!!



 ――――ビーム兵器だ!!



 ――――いきなりSFになったぞ!! ロボ物だ!!



 ――――あんな攻撃躱せないよ。菅笠侍すげぇな!!



 ――――このメタルゴーレムのフォルムがかっこいい!! というか、ゴーレムじゃなくない?



 物語に出て来るゴーレムの倒し方って色々条件があるらしいけど、ダンジョンに出て来るゴーレムの倒し方は簡単だ。


 こいつの生命力を削り切ればいい訳で、よくあるような謎ときだとか面倒な方法は一切必要ない。


 なんとなく壊すのが勿体無いようなゴーレムだけどね。


「はい、おしまい。硬そうに見えるけど、実際はこんなに簡単にまっぷたつです」


「身も蓋も無い倒し方ですよね……。多分、あのゴーレム相当に強いですよ」


「全身にごちゃごちゃついてたのって、多分全部武器だろうしね。左手についてた五角形の板。アレ、ビームシールド的な何かだろうし」


 ダンジョンに吸収される前にいろいろ回収したかったけど、あっという間に光の粒子化してダンジョンに回収されましたとさ。


 せめてあの武装の幾つかだけでも回収したかったぜ。



 ――――変わらない結末



 ――――親の顔より見た光景



 ――――あの硬そうなメタルゴーレムがあっさりとまっぷたつ……



 ――――どれだけ攻撃力があったらあんな真似が出来るんですか?



 多分攻撃力一万超えたら同じ事が出来るよ。


 メタルゴーレムの防御力が高いといっても、おそらく五千は超えてないと思うし。


「今回の配信はここまでです。次回、牧場型ダンジョンは顔バレの可能性があるのでライブ配信は無いですね」


「流石にご飯食べてる時にこのお面や菅笠は無いですしね~。ダンジョンごはんは楽しみですけど」


「バーベキューですよ。海鮮とかもいいんですが、なかなかいいダンジョンもありませんしね」



 ――――バーベキューか、いいな~



 ――――ダンジョン産の肉って高いですよね



 ――――死ぬほどうまいらしい。一生に一度くらいは口にしたい



 ――――グラム百万の肉なんて食えない。



 ――――そんなに!!



 そういえばドラゴン肉も大量にあるし、ロース肉とかカルビくらい出してもいいかも。


 姫華(ひめか)さんたちとコラボにして、みんなで楽しむのも悪くないね。


「それでは皆さん、また」


「お疲れ様でした~」


 ……よし、配信停止確認。


 これミスって身バレする冒険者も結構いるんだよね。


 周りに自立型のドローンが無い事も確認!!


「という訳でお疲れ様でした~。この後はいつも通り分配作業だ」


「宝箱の中身も回収しましたしね。しっかし毎回思いますけど、ものすごい稼ぎですよね」


「普通はこんなにドロップしないらしい。そりゃそうか、こんなに稼げるんだったらすぐに冒険者なんて引退するよ」


 税金でいくらか引かれるとしても、死ぬまで遊んで暮らせる額なんてすぐに稼げるしな。


 今回入手した中で問題があるのは例のイエローダイヤの原石だね。


 配信で存在が知れ渡ってるだろうけど、これは色増の魔宝石に加工して桜輝(さくらぎ)さんに使って貰おうと考えてる。


 金が増えれば桜輝(さくらぎ)さんがひとりでいた時に誰かに襲われても何とかなるステータスまで強くなれるだろうし、その気になれば初心者用ダンジョンを一人でクリアする事もできるようになる。


 人生の選択肢は多い方がいい。


 この先に何があるか分かんないしね。





読んでいただきましてありがとうございます。

楽しんでいただければ幸いです。

誤字などの報告も受け付けていますので、よろしくお願いします。

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