表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最凶不遇と呼ばれる灰色カードのステータスカード持ち冒険者が真のヒーローに至るまで~  作者: 朝倉牧師
第一章 冒険者始めました!! ステータスカード発行編
38/108

第三十八話 フルカラー


 俺は桜輝(さくらぎ)さんと別れた後で菅笠侍の恰好に着替えて、近くにある高難易度ダンジョンに来ていた。


 ホントはあのまま晩飯を食いに行きたかったけど、桜輝(さくらぎ)さんとまたパーティを組む前にやっておきたい事があったんだよな。


 そう、確認したいのは虎宮(とらみや)から教えて貰った例の情報だ。


「とりあえずダンジョン内の安全な場所で錬金術発動!!」


 手持ちの魔石の中から高純度の赤ふたつと黄ひとつを取り出して融合させる。


 暫くすると情報通りに【緋】の魔石が誕生した。これが最後の色になるの? というか、なんで緋色なんだろ?


 えっと説明っぽいのが出て来た。


【真の強者は灰色の道を歩み、やがて緋色へと至る】


 この世界の法則って、もしかしてダジャレで出来てる?


 緋色今は灰色でヒーロー今灰(こんぱい)疲労困憊(ひろうこんぱい)とか言いたいのか?


 それで俺のクラスがヒーローだった?


「考えすぎか? とりあえずこれを使ってと……」


 【条件を満たしましたので魔石の効果で【緋】を獲得しました。すべての色を獲得してフルカラーになりましたので、ステータスカードの色が【緋色】に変わります】


 おお!! ホントにステータスカードの色が変わった!! ラメの入った灰色から、ラメ入りできれいな緋色に変わったぞ!!


 とりあえず余ってるスキルポイントを使って緋色をレベル十まで上げるか。


 また何か表示された、他にも何かあるみたいだな。


【条件を満たしましたので、クラスヒーローのレベルを十まで上げる事が出来ます】


【条件を満たしましたので、ドロップアイテムの特殊インベントリ内への自動収集能力が作動します】


【条件を満たしましたので、一部のスキルのレベルの上限が開放されました】


【条件を満たしましたので、レベルアップに必要な経験値が大幅に緩和されます】


【条件を満たしましたので、戦闘時に得る経験値が増加します】


【条件を満たしましたので、レベルアップ時のボーナスが倍になります】


【条件を満たしましたので……】


 おい、いったい幾つの条件を満たしたんだ?


 今表示されてる中でもレベルアップ時のボーナスが倍ってのが相当やばいんだけど。


 それに必要経験値の緩和と経験値の増加もヤバい。


 フルカラーの緋色ってこんなにヤバい状態なの?


「気になったのは、一部のスキルのレベル上限の解放とかだよな……」


 各色スキルの上限が撤廃されて、レベル二十まで上げられるようになった。


 レベルアップで強化される魔法は各色スキルのレベル一から十の魔法と変わらないんだけど、消費魔力を増やす事で魔法の威力をあげられるようになったのはデカい。


 魔力の消費は百倍まで設定できる。っていうか、俺のステータスで威力百倍にした魔法なんて使ったらダンジョン崩壊しない?


 レベルアップに必要なスキルポイントはどのスキルでも百固定っぽいな。


 【緋】スキルを上げる前のポイントが一万四百八十六ポイントで、十まで上げるのに九百使ったから残りは九千五百八十六ポイント。


 合計でレベルを九十五個あげられるわけだ。


「緋以外の九色をレベル二十まで上げて、ついでに入手した料理スキルをレベル五まで上げたら、あれだけあったポイントが八十六ポイントしか余りませんでした~」


 緋に関してはレベル十が上限か。


 ……ここまでギリギリになるものなのか?


 八十六ポイントってのが微妙だけどさ。


「ただ、他にスキルを入手しない限り、ここから手に入るポイントは完全に余っちゃう訳か」


 と言っても、これ以上手に入るのは建築とかの技術系スキル?


 他に何かあるか調べないといけないな。


 後はレベルが上がればいいんだけど、色々ボーナスが入ってるからここの下層の魔物だったらレベルが上がる気がするんだよね。


「地下二階のどこかにある筈なんだよな。この転移石に対応したポーターが……」


 俺は一度ここの階層ボスを倒しているから、地下九階まで直通になっているポーターが使用できる。というか、そのポーターを使えば地下二階から地下九階までの好きな場所に飛ぶ事が可能だ。


 このアイテムは大体地下十階層以上あるダンジョンで最下層にいるダンジョンボスを倒すと入手出来て、同じパーティにこれを持っている人が居たら全員そのポーターを利用できる。


 他にも地下五階まで転移可能なポーターもあるそうで、こちらは地下五階にいる転移ポーターを守る魔物を倒すと利用可能になるらしい。


「割と目立つ造りをしてるって話だったんだけど……、お、あれだな」


 いかにもここですよって書かれているかのような巨大な石柱。


 その近くにポーターが設置されており、その前の石柱にきったない字で【ここです】って書かれていた。っていうか、書いてあるのかよ!!


 このダンジョンでこのポーターを使えるのは俺だけのはずなんだけど、これを書いた奴が居るって事は何は抜け道というか利用する方法があるの?


「ダンジョン内でもいろいろあるって聞いているけど、裏技なんかもあるのか……」


 ダンジョンの攻略法は正攻法だけじゃない。


 裏技というか、ダンジョン内でしかありえない事象を利用して魔物を倒したり、他の冒険者の妨害をしたりする奴もいる。


 よくあるのが餌まきとトレイン。


 餌まきは特定の魔物が好む食糧などをわざと狩りやすい場所に放置して魔物を楽に狩ったりすることで、ある程度成長してレベルが上がりにくくなった冒険者が良く仕掛けたりする。


 違法じゃないし別に問題無いけど、それを狙って魔物の横取りをする冒険者もいる。


 そしてすでにダンジョン犯罪として認定されているトレイン。


 魔物を引き連れて他の冒険者に擦り付ける行為だけど、仲の悪い冒険者や自分より人気のある冒険者なんかを狙って仕掛ける冒険者が後を絶たない。


 これを仕掛けられた証拠があれば、ダンジョン内でその相手をついうっかり報復で殺しても罪に問われたりしない。


 ダンジョンでの事故と言えばメキドなどの範囲魔法で巻き込みとかもあるけど、こっちは大体事故で片付けられる。ダンジョン内で範囲魔法を使う状況なんて、仕方が無い場合も多いし……。


 それでも冒険者が多い場所での範囲魔法の使用はご法度だけどね。


「とはいえ、俺の場合魔法の使用は気を付けないとな」


 既にファイアバレットですらメキドを超える範囲魔法化してるしね。


 ロックバレットなんて撃ったらどこまで飛んで行って何処まで破壊する事やら……。


 魔法の試射するんだったら地下九階まで行かないと駄目か、流石にこの辺りの冒険者でも地下九階まではいけないみたいだし。


「とりあえずファイアバレットの試射だな。出来れば魔力ブーストも試したい」


 通常状態の威力を確かめた後で、魔力を何倍か追加してはなってみよう。


 問題はノーマル状態の威力なんだよな。


 知力分攻撃力が上がるから、最低でも攻撃力が一万三千くらいはある。


 ちなみに、普通の冒険者が知力最大にしてバフをかけまくっても攻撃力は四千程度が最大だ。


 俺の場合常識の範囲内のバフでも攻撃力十万以上くらいまでは簡単に上げられるしな……。




読んでいただきましてありがとうございます。

楽しんでいただければ幸いです。

誤字などの報告も受け付けていますので、よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ