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世界の深淵を0歳までの退化デバフをかけられた俺が覗くとき  作者: 卵くん
アルゴーの集落編 〜 クーリエ 30歳? 〜
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X-64話 カーブスの術中!

評価、ブックマークを熱望している今日この頃です、ぜひよろしくお願いしたいです!!


毎日投稿での更新を目安に執筆していきますがズレることもありますのでよろしくお願いいたします。

「あー! だから、僕は野営地でじっとしていて欲しかったんだ!! 綺麗に、カーブスのクソ野郎の術中にはまっているし!!」


 いつもの平穏なユウシの姿は、そこにはいない。ひどく慌てて、かつ取り乱している。ユウシは、俺を地面に丁寧に寝転がさせると、この研究室内を駆け巡り始めた。


「な・何を・・。しているんだ?」


 声が正しく発音できない。まるで、喉元から麻痺が生じているかのように、その声はか細く、僅かな騒音でさえもかき消される。だが、ユウシは走り回りながらも、俺の叫びを聞き漏らすことはなかった。


「中和剤を今作成しているんだよ! 全く、綺麗に神経毒の反応を出しているからな・・・。間に合わないかもしれないけど、やらないよりマシだ!!」


 できた!と洞窟内に明るい声が反響していく。そして、パタパタとこちら側に駆け寄ってくる音が鼓膜を振動させた。だが、俺の目はすでに光を捉えることしか、機能を果たさなくなっていた。


先程までの、麻痺が時間が経つごとに上に移動を開始したみたいだ。聴覚すら、正常に働いているのか、それすらも怪しくなっている。聞こえなくはないが、水中にいるときのように、耳孔を通った後何か音をぼやかすフィルターを通っているかのような。脳に音の信号が伝わる頃には、それは音と定義するにはかけ離れたものに、変貌していた。


「と、いうか。ここまでよく耐えた方だよ。あいつの天恵は、危険だからな。僕だって、未だ克服できたことがないし。さぁ、これで目を覚ましてくれよ!!」


 左腕に僅かな違和感を感じた。顔付近まで麻痺が来ているため、それより下の身体は、麻酔をされたかのように感覚を失っている。だが、そんな中でも、ユウシによって振り下ろされた一本の鋭利な針。それは、失われた痛覚を呼び起こすものとして十分すぎる働きを見せた。次第に、麻痺が引いてくる感覚が身体を襲う。そして、それと同時に鈍っていた痛覚も、目覚めていく。


「た、助かったよ。ユウシ」


「ふん。毒の耐性が高いと思ったら、回復薬の効き目も早く出るってか。面白い身体してるよ、ほんと」


 ユウシの顔に、ここまできてようやく笑みが溢れる。それは、野営地にいる時に見せた悲しい感情を隠す仮面の笑みとは、また異なるものだった。誰かの安堵を、心から願う時に生まれる幸福の表情。今、ユウシが作っている笑顔は、まさにその言葉が一番表現するのに適しているだろう。


「ユウシ・・・。俺、カーブス医師に会ったぞ。この場所で、お茶を共にした」


「心配しないでくれ。もう、あなたを無作為に襲ったりしないから。それに、あなたが会ったのは本物のカーブスじゃないよ」


「本物のカーブスじゃない——? 何を、馬鹿な」


 自由が戻りつつある身体が、その言葉に反応するように上体を起こそうと試みる。しかし、思いの外移動しなかったためか。見えない壁に阻まれるように、俺の身体は再び寝転ぶ体勢に戻らされる。それが、ユウシの手によって押し戻されたと気づくのに、そんなに時間はかからなかった。


「絶対安静。まだ、転がっていてもらわないと困る。全身に毒が回っていたんだから。もし、動き回ったら、どこかの臓器に影響が出るかもしれないよ」


「し、しかし・・・俺が会ったカーブスが偽物だというのは、どういうことなんだ?」


 はぁー、と寝転ぶ俺の顔の上で、ユウシは大きくため息をついた。説明するのが、薮だと言わんばかりの行動だ。


「あなたが、ここに来た時。どんな光景が広がっていた?」


 話の核を僅かに逸らすような質問。だが、聞かれたからには、真剣に答える必要がある。俺は、記憶を遡るように、ここまで起きた事象を逆の時間軸で巡っていく。




いかがだったでしょうか? 気に入ってもらえたのなら、嬉しく思います!


繰り返しになりますが、コメント、評価、ブックマークは私のモチベーションにもつながりますので、ぜひしていただくと幸いです。よろしくお願いいたします。



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