X-61話 名乗る老人
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ピッ・・ピッ・・ピ・・・
一定の間隔で鳴り響く機械音。静寂に包まれる俺と、目の前で熱いお茶を口に運んでいる老人の間を取り繕うかのようにすら思えてくる。老人は、あの一言を話したきり、また口を閉ざしてしまった。理由は分からない。何から話せば良いのか、迷っているとでも言うのだろうか。
「なぁ。話したいことがまとまらないようなら、俺からいくつか尋ねても良いのだろうか」
痺れを切らして、俺はそう老人に尋ねる。返答は——返ってこない。ただ、一定に鳴っていた機械音が不自然なほど突発的に停止した。俺は、思わず座っていた椅子を押し退け、腰をあげて、周りを確認する。
俺は依然として警戒心を一度も解いてはいなかった。当然だ。ここは既に敵地だと認識していた。老人が現れようが、それは変わることはない。いや、それすらも俺の油断を作るための罠なのではないか、と疑っていたほどだ。
それゆえに、過剰なまでの反応は至って普通であった。だが、それは空振りで終わったのだが。一度機械音が乱れただけで、その後に特に俺の身に何か起きることもない。完全な勇足で、俺は少し恥ずかしさを覚えながらも、再び着席する。
「警戒がすごいな、お主は。いくつか修羅場であり、死線を乗り越えてきたように見受けられる。だが、安心して欲しい。ここは、安全だ。それは、私がここに堂々と姿を現わせているところからも、証明できるだろう?」
「急に重たい口を開いたと思ったら。いったい何を言い出すんだ? なんで、あんたの存在が安全の証明になるんだ?」
「うん? 何じゃ。ユウシの奴はそこを説明しておらんかったのか。はぁ。だから、ここまで来るのに時間があれほどかかったのか。全く、ユウシも頭は回るのだが、人の行動を読むことに関しては、からっきしじゃな」
老人は一人で言葉をすらすらと並べると、両手で頭を抱える動作を見せる。何が起きてるのか、俺には一切分からない。そもそも、彼の口からユウシの名前が出てきたことすらも、衝撃だ。てっきり、その内容は俺の前では隠し通すものと思っていた。
「もう少し俺にも分かりやすいように説明できないか? 勝手に一人で突っ走られても、俺はスタート地点で置いてけぼりだ。フライングはなしだ」
「ほぉ。例え話が上手いのじゃな。はて、誰にそれを教えてもらったのかな。まぁ、見当はつく。《《奴》》じゃろうな〜。だが、その話をすると、また君は置いてかれるじゃろうから、やめとこう」
「加減してくれて感謝するよ、白衣の博士。さぁ、早くここに俺を招待した理由を話してくれ」
「博士ではない。医者じゃよ。わしは。でも、そうじゃな。カーブス。そう名乗れば、君にもわかってもらえるのではないのかな?」
なっ!! こいつが!?
どうやら、俺をキリの村に招いたやつは、目の前に現れたらしい。それどころか、この集落で行われていた実験の黒幕も——。
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