X-52話 この集落の嫌われ者
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しばらくの長考の後、俺はまるで呪文のようにあの鳥が残した言葉を何度も何度もつぶやく。頭の中でこじくりまわすことについに脳がついてこなくなったのだ。ただでさえ、考えるという行為を他人よりも劣っているのに、そこをいくら懇願しようが答えが頭の中で生まれるはずがなかった。
「人から見下されると思われる。それは悲しいことだよな」
ついには一周回って俺は鳥になりきって物事を考えるようになっていた。流石に両手を羽に見立てて動かしてまでなりきるということはしなかったが、それでも心は完全に大空を自由に飛び回るそれと同化させる。
「見下されるのは嫌だ。無駄に相手との衝突を生むし、何より両者にとっても気分が良くない。それじゃあ、どうやったら見下されると思われなくなるのか」
しばらく考えると、今まで悩んでいたのが嘘であるかのように、俺はついにある一つの考えがふっと閃いた。それはまるで雷に打たれたかの衝撃と共に身体中を駆け巡り、やがてその答えは次第に確信にへと変わっていく。疑うべき理由すらない。特に他に浮かぶいい考えすらないから言える確信なのかもしれないが、それでも俺にとってはこれこそ絶対と胸を張って言える答え。
「見下されたくなかったら、その部分を見せなければいいんだ」
俺はこの考えを口にしてあることに気がつき、疑問に思う。鳥からの言葉、あれは人間と鳥とを比較しているように見せていたが、実はそうではないのではないか。鳥が人間に羨ましがられる理由は羽があって、空を飛べるからだと奴は説明した。でも、羽がない人間同士であったらそういった羨望の眼差しで見られる人間はいないのか。
いや、そんなことはない。様々な分野で一線級に活躍している人は誰からもその目線で見られるものだ。それが世の定めであり、時として彼らは上から目線で言いやがって、などといった心のない言葉をかけられたりする。この状況はあの鳥が説明した状況と非常に類似していた。
「才能のある人は羨望と憎悪の対象としてみられる。だとすれば、この集落内に置いて、見上げられる人材とはどのような人物か。そんなの決まってるか」
俺は、この医療場に初めてきた時。そう炎に包まれたここに足を踏み入れた際に一番最初に目に入ったものを見つめた。『医術の集落。アルゴーへようこそ』と書かれた看板。そう、この集落の中で見上げられ、そして陰口を言われてきた人物とは紛れもなく、この集落の顔である医者達だ。
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