X-42話 まだ朝は来ない
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「それは悲しいこと? あなた、さっき私にそう尋ねたの? 今さっき、トモキ君の寝顔を見てきたって言ってたわよね。あれを見て楽しそうだと思ったわけ!?」
コルルの声が更に一段と高くなる。これ以上声が大きくなるようであれば、流石に他の周りで眠っている人の迷惑になるので止めなくてはいけなくなってくる。俺は二人の様子に神経を尖らせながら、重い腰をあげる。
「すまない。僕は人の感情を把握するのが疎くてね。神童にも弱点があるってことだよね。いくら全知全能の神だって神話上ではたくさんミスを犯すし、生まれ持って劣っていることだっていっぱいある。
僕もその類。君が怒っているのはなんとなく分かるけど。それ以上は分からない。怒るという感情が何を引き金にして生じているのか。君に僕は初めて会ったよね?つまり、僕が君に対して何か気に触る行為を行ったってことはまずありえない。だとすれば、一体何が君をそこまで駆り立てるのか、僕には分からないんだ。悪いんだけど」
「それは——あなたね!」
「やめろ。コルル」
ずっと黙っていたが俺は今にもユウシに掴みかかりそうなコルルを静かに咎める。瞬時にこちらを赤みを帯びた顔で睨みつけてくる彼女であったが、俺の真剣な眼差しを見たからだろうか。それ以上声を上げることもなく、いつの間にか立ち上がっていたことに気がついて静かに布団の上に腰を落とした。
「すまないな、ユウシ。彼女はこの野営地で多くの人と関わってきたんだ。それだけにこの集落で苦しんでいた人の心に多く寄りかかってきた。それが、君にぶつけるような形になってしまったんだと思う。まぁ、許してやってほしい」
ユウシは驚いたように目を丸くする。次の瞬間にはいつものヘラヘラした表情に戻っていたが。
「気にすることはないよ。今までだって多くの人が僕を彼女と似たような形で咎めてきた。慣れっこなんだよ。こんなことはね」
うん、と静かに頷くと俺はコルルの方に目線を送る。そして、目に涙を浮かべる彼女にそっと手を伸ばし、つぶやく。
「全部話すから。聞いてくれるかい?」
頭がゆっくり縦に動くのを見てから、俺は優しい声を極力装いながら静かに話し始めた。まずは、なぜユウシがこの村に火を放ったところから。そして、この集落で行われていた実験のことか。気が遠くなりそうなほど長い話だが、不安になることはない。なぜなら、まだ朝はこないから。
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