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イジメの記憶

作者: サハラ

人は人を裁きます。しかし、その裁きは本当に正しいのでしょうか?その裁きにより人はしっかり反省するのでしょうか?私はそんな皆様の疑問に少しスパイスを加え適正させていただきます。


それでは、どうぞご覧ください。




ある男(33)の場合


「カンパ~~イ!!」

「今回の企画、課長のおかげで本当にうまくいきましたね~」

「なにいってる。皆が協力した結果だよ」

「いやー、課長はホントに謙虚だよな~」

「ホント!!奥さんがいなかったら、私絶対に好きになってたかも!!あ、今から好きになってもいいですかw」

「コラコラ、あんまり俺をからかうんじゃないよ」

「それに、聞きましたよ課長。実は昔ちょっと『ヤンチャ』してたらしいじゃないですか」

「お前どこからその話を・・」

「いや、風の噂ってゆうか・・で実際どうなんですか」

「まぁ、少しだけなw」

「くぅ~、カッコいい!!だからあんな男らしい決断ができるんですね!!聞きたいな~、課長の武勇伝!!」

「それは、その内な・・そんなことより、みんな。今日は俺が奢る!!楽しくやろう!!それでは、改めて企画成功に・・」

「カンパ~~~~イ!!!」



打ち上げも終わり部下達が二次会に向かうなか、俺は帰路の近道のためビルとビルの路地裏を歩いている。早く帰って嫁と子供の顔を見たい。

昔は少し悪く中学、高校とちょっとした不良だった俺。だけどそんな俺を好きになり一生懸命尽くしてくれた女。それが今の嫁だ。

そのおかげで俺は改心し『コイツのために真面目に一生懸命生きる』そう誓った。

中学校から続く心かよわし一緒に悪さもした親友も2人いる。一時期、ケンカなんかで疎遠になりそうだったがそのたびにお互いの本音を話、よりいっそう仲が深まっていった。今はあいつらも落ち着き、酒をのみ交わしながら昔の思い出を語り合う一生の仲間だ。

嫁と仲間。こいつらのおかげで俺は道を踏み外さずに生きてきた。

仕事もうまくいっており近々昇進するかもしれない。その事を早く嫁に告げたく、二次会を断り足早に帰路についたのだ。


周りには少し迷惑をかけたが、その人達や嫁、仲間や部下・・みんなのおかげで今の俺があるんだ!!!

そんなみんなのため俺はこれからも一生懸命、恩返しといわんばかりに誠実に生きていく!!!!そう決めていた!!!!!



「確かに、素敵な人生ですね」



何だ!!!俺は、後ろを振り向く・・だれもいない。しかしまた後ろから声がする。



「だが、あなたはまだ過去の罪を償ってない。」



何だ、声が・・体も動かない。



「それを償ってこそあなたの人生に偽りがなくなるのです・・・・では、参りましょう。これはあなたの過去を償う物語です」



そういわると俺の目の前が一瞬で真っ暗になる・・








・・・・ここはどこだ。

俺はさっきまで


「おい、聞いてるのか!!」

ん、その声は聞き覚えがある。少しずつ目も見えてきた・・あー、コイツは確か中学の時の生活指導だ


「佐藤の遺書にわな『お前たちの顔がもうみれない』そう書いてあったんだぞ!!」


あー、これはあれだ。夢だ。しかも昔の。何だ。つまんね~夢だな~~。


しかし、なんでこんな夢を今見てる?


「先生、僕たちだって悲しいんです」

「そうだよ、あんなに仲良くやっていた、佐藤が・・佐藤が・・」

「・・佐藤・・」


おうおう、我ながら良い芝居だぜ。あの時は、こうしないといけなかったしな。ちゃんと3人で打合せしたんだっけ。

それにしても、佐藤の野郎。流石に死ぬなんておもってもいなかったな~・・今改めて思うと悪いことしちゃったよな~



「そうか・・・お前たちも・・・・・」


そうそうわかってくれたんだよな。

そんでお互い押し問答に限界が来て、何時間かの沈黙・・

本当にあん時は面倒だったな~。


後は警察の人とお喋りして俺たちの仕事は終わったんだっけ。

そんで、後は大人と時間の流れに任せれば全てが解決する。

みんな、俺達の将来のため一生懸命動いてくれたよなー。


「わかった・・じゃあ、ここからイジメ法に基づいた処置をとる。あとは・・」




・・はっ!?何いってんだ?・・・イジメ法?・・・こんな展開なかったはず・・・・





ドゥン






あれ?!なんだ今まで夢だとおもってたのに急に現実みたいに・・

何だぁ!?視界も、感覚も、


ギュゥ


痛ァ!手の甲をつねってみたら痛いじゃねえか。どうなってる!!

他の2人もなぜかあたふたしてる。もしかして・・お前たちも!?


「それではよろしくお願いいたします。」

「はい、わかりました」

「!?てめぇ、その声はあん時の・・」


そうだこいつは、路地裏で後ろから聞こえた・・・・



バァーン!!!


「うぎゃあ~~!!!痛ェ、・・イテェ~~~!!!!!」

「安心しろ。ただのゴム弾だ、痛みはあるが人体に支障はない」

「・・・・・・!!」


「『てめぇ』ではない『先生』と呼べ」

「・・・・・・・・」

「どうした?ほら。そこの倒れた奴も起こして早く座らないか」


どうなってる!これは夢だ!!夢なんだ!!!俺は、33歳のはずだ!!!!何でこんな現実感のある昔の変な夢をみてるんだ!!!!!



「落ち着いたか?それでは、これからあなた達3人には特別プログラムがくだります・・イジメ法に基づくものです」

「いや・・・・だから、いってんじゃん!!俺たちはイジメてないって!!俺らだって、佐藤が死んで悲しかったったんだって!!!」

「・・・・」

「佐藤・・何で死んだ・・・そんなに思い詰めてたなんて・・・・・・なんで一言・・」

「・・・・」

「くそぉ、俺達がぁ・・いったい誰のせいで・・先生や佐藤の親は何してたんだ!!!・・」


ここは全員で考えた定型文を喋るよな。夢とはいえ、さっきのゴム弾は相当痛そうだ。こっちでもとりあえず正統性を訴えよう。



「・・なるほど・・・・わかりました」


・・なんだやけにあっさり・・ん、何だそりゃ・・何かのプレイヤー・・・・一体何を見せられるんだ?




ピッ




「ご、ごみぃ、ごめ・・ごめんなさい・・」


・・・・!!!!!!!!!!!!


「ん!?佐藤!?なにがごめんなんだ?」

「お、お金が・・2万もた・足りなくて・・りなくて・・ごめんなさい・・」

「そうそう、わかってくれたんだ!俺たちだってさ~~・・オラァ、ヨイショっと!!!!!」


バァッキ!!!グァン!!!!バキッ!!!!


「ゲフゥ!!!ウェップ!!痛いぃ!!やめて!!!殴らないで・・」

「俺たちだって、好きで殴ってないよ?ただ、佐藤君が約束破ったからしょうがなくやってンの・・な?」

「そうだ。俺たち親友なのに約束を破るなんてw」

「あー、俺達はすごく、すご~~~~く、悲しい~~w」

「やっぱ、あの親の育て方がよくないよな~。約束も守れない子供に育てるなんて」

「しかも、『これからも仲良くしてねw』って、なんか俺たちのこと本当に友達って思ってるし・・・・いやいや、本当に親友なんだけどwww」

「・・・・お、お母さんのことは悪くいわ・・!!!」


パチンッ


「痛ァ!!!!」

「佐藤・・お前、今にらまなかった?」

「に、にらんでないです・・」

「やっぱ、もう一回考えるかなぁ~~」

「!?!?ご、ごめん!今度はちゃんと持ってくるから・・絶対に・・もって、持ってくるから・・!!!」

「ん~~、何だかな~、誠意が感じられねぇよな~・・・・・・何かぁ・・・・土下座・・見てえよなぁ~wいつもの、感じの裸の・・」

「!?・・あ、あれは!!!!」

「あぁん!!!!」

「・・は、はい。わ、わかりました・・」



「アハハハッ!!!何回見ても、おもしれぇぇwwこいつ、本当に裸のでぇウフゥw土下座してんのアハッ、アハッ・・いやダメだ、腹イテェわw誰か代わりに・・アハハッwww」

「ほら、いうことあるだろ!?」

「・・ぼ、僕は親友の、き、君達を・・君達の信頼を・・うゥ、、、裏切ってしま、しまった・って・・・すいませんでしたぁ・・・・」

「あぁぁ、面白しれーw」

「・・それで?」

「こ、これからは、ちゃんと・・み、みんなの気持ちを考えるので・・どどぉ、・・どうか、僕と友達でいてください・・・・」

「うんうんそうだね。俺達は親友だからね。じゃあ、今度は絶対・・絶対に間違うんじゃねぇぞ!!!!!!!」

「・・・・・・はぃ・・・・」

「じゃあ、今日も一緒に帰ろうなwいつもの場所で待ってるから、お前もさっさと着替えてこいよ!!」

「・・はい・・」

「じゃあ、佐藤さん。今日も、ゴチになりやす・・ギャハハハハッww」



・やめろ・・・やめろ、やめろ・・・・やめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろ、やめろぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


なんだ。なんで、こんな動画を見せられる。むしろ、何故ある。これは昔の・・いや、それよりも


「これを見て思うことはありますか?」




「・・・・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・・・ち、ちぃが、違うんです!!」


「はい?・・違う?」

「俺は、ただ見てただけなんです!!!ほら、さっきの動画でも俺たまに佐藤を可愛そうに見てるでしょ!!!基本はコイツらで俺は、、、そう、無関係・・ではないけど・・・・とにかくあの時俺は佐藤をかばってたんです!!!!」

「何いってんだ、お前!!!!!!いや、コイツ!コイツ!!!コイツコイツコイツ!!!コイツが主犯で俺達が手下みたいなものなんですよ。だから、コイツには逆らえなかったし・・嫌々俺はやってたんですよ!!!!」

「ふざぁけんなぁああ!!!おまえら!!!お前らだって楽しんでただろぉぉぉ!!!なに自分だけイイコちゃんになってんだよ!!!!」

「ねぇ、ねぇ、ほらコイツ認めたでしょ。俺達はやらされてたんですよw」


違うだろぉ。俺達は親友でこれから何年も一緒に笑ったりする仲だろ。こんなこと言い合わないだろう!

お互いの結婚式に出席したり、家族を紹介したり、楽しくやってく一生の仲間だろう。こんな言い争い一度もしたことないだろー!!!!なんで、なんで、


「それに・・そう!!佐藤が虐められるにも問題あったんじゃないか!?」

「!!!」

「そうだ!!そうだよ!!!」

「佐藤だって嫌ならもっと嫌がればいいのに・・何かいっつも中途半端にしか抵抗しないし!!」

「本当にそれ!!」

「こっちが殴ってるんだから、あいつも殴り返してくればいいんだよ!!!」

「俺達だって、ちゃんと嫌がれば止めたのに・・佐藤がわかりずらいから!!」

「本当にそう!!!それに、佐藤も誰かに助けをもとめたりすればこんな関係すぐに終わったんだよ!!親とか、先生に言わないとか・・佐藤にも何か人に言えないやましい気持ちがあったんじゃないか!?」

「そうそう、回りの奴らも見て見ぬ振りだったし!!クラスの奴らが助けなかったって事は、あいつにも問題があったんだよ!!!」

「あー、それな!!わかるわ~。大体、佐藤は・・・・」


「もういいです。」


そうだ。俺らも確かに悪かったが、一番悪かったのは佐藤だ!!

じゃなきゃこの後の俺達は、少しの説教とそこそこの尋問で終わるはずがないんだ!!

そうだ!!悪いのはイジメを拒否しなかった佐藤だ!!イジメめられる原因を作った佐藤だ!!イジメられる方にも問題があるんだ!!


「確かに、佐藤君の遺書には『己の心の弱さ』『親への謝罪』『加害者への改心と気遣い』と自分を責める文章が多いです」

「なら・・!!」

「だから?」


「へ?」

「だから何なんですか?あなた方は実際こうしてイジメを行い、人を自殺に追い込み殺しました」

「・・・・」

「万引きを何回もしていたけど捕まってしまい、そこに自分の欲しい商品をおいてる店が悪いッと言って罪が免れると思いますか?」

「それとこれとは別・・」

「同じです」

「・・・・」


「佐藤君は最初、いつか君達が自分に対してこのイジメをやめてくれると信じていたんでしょう

『いつか飽きるだろう。これはイジメじゃないかもしれない。もしかしたら改心して謝ってくれるかもしれない。下手に大事にしたらもっとイジメられてその改心の心もなくなってしまうかもしれない。だったら自分が我慢すればいい。』

そう思っていたでしょう」


「・・・・」


「だが、あなた達はやめない。やめないどころかさらにエスカレートする。佐藤くんの疲れとストレスはピークに達します

『なんで、やめてくれないだろう?回りの人も気づいてくれない。いや、気づいてるけど巻き込まれたくないから助けてくれない。

先生や、親に話そうか?・・ダメだ。きっと、1度は解決するかもしれないけどその後あいつらのイジメはもっとひどくなるだろう。常に怒りに満ちた目で睨まれて誰かがいつも側にいる訳じゃないから、僕が一人の時に今以上のことされるに決まってる。

それに、お母さんがこの事をしったら泣いちゃうかもしれない・・お父さんがしったら、大ゴトになって学校を巻き込み関係のない人にも自分がイジメられてるって知られ学校集会など開かれ面倒くさがられるかもしれない


だったら、自分が我慢すればいい。僕が我慢すれば毎日が普通なんだ。誰にも迷惑がかからず、みんなが普通の日常なんだ




でも、僕だけは普通じゃないだ・・・・

僕は我慢しなきゃいけないんだ・・・・






もー、疲れた・・・・親のお金盗むのも殴られないために渡してたけど、さすがにもうバレるだろうし・・・・心が、痛い・・・・






なんで、誰も助けてくれないんだろう。空気を読んで、僕が助けを求めなくても大ゴトにせず普通の日常に戻してくれる人がなんで現れないんだろう・・・・



やっぱりあいつらに立ち向かわない僕が悪いんだろうな・・・






もう、疲れた・・・・・・・・』」






・知らん・・知らん知らん・・・・知らん知らん知らん知らん知らん知らん知らん知らん知らん知らん知らん知らん知らん知らん知らん知らん知らん知らん知らん知らん知らん知らん知らん知らん知らん知らん、知らねぇぇぇぇぇぇぇよ!!!!!!


「なんで、そんな気持ちがあるのに歯向かわねぇんだよ!!!!そしたら俺達だって止めたかもしれ・・」

「やめませんよ」

「・・・・!!!!」

「あなた達はやめない」

「そんな事!!!実際わかんな・・」

「わかります。・・あなた達は・・やめません」




一体何なんだ!?この夢・・いや、悪夢はいつまで続くんだ!?全然覚めねぇじゃねぇか!!!!

俺は早く、家に帰って嫁と子供の顔を見てぇえんだよ!!!

俺は今、真面目にちゃんと生きてるんだよぉぉぉ!!!!!

こんな忘れてた昔の出来事早く終わって欲しいんだよぉぉぉ!!!!!!





「それでは、あなた達のプログラムを今から発表します」

「プログラム・・・・!?」

「こういったイジメは証拠が見つからない、または不十分で黙認される場合が多いです。その後、時が罪を風化させ世間から忘れられてしまいます。

先ほど見せた動画のような決定的証拠があったとしてもあなた達は中学生。14歳なので法的に罰することができません。

・・・・しかし、あなた達は殺人を犯しました」

「殺人って・・!!」


「・・そうですね・・殺人は、言いすぎかもしれません。・・しかし、佐藤くんを自殺に導いたのは事実」

「・・・・」

「そういったあなた達に対して国が作った更正プログラムです」


何を言ってるんだ。そんなもんこの国にあるわけないだろう?

俺達は未来があるんだ。この先色んな夢をみてたくさんの経験もするんだ。勝手に自由を奪っていいわけがない!!


「始めにこのイジメは全国区のニュースで流れます。その時あなた達の顔、名前が加工なく普通にでます」

「・・・・なっ・・?」

「住所や両親の顔も流そうという話しもありましたが、流石に『個人の責任』というわけでこのようになりました」

「・・ふ、ふざけんな・・」

「ふざけていません。あなた達は人の命を背負っていくのです。それは、他の人に知られることで重さを感じることができます」

「・・・・」

「ただ、顔を出すことによって家族に迷惑がかかるかもしれません」

「だったら、こんなことすんなよ!!親は関係ないだろう!!!」


「何をいってるですか?関係ありますよ。今後はわかりませんが、現状あなた達の一番の関係者です。あなた達が自分の行動に責任をもたなくても、親は責任を取りたくもないのに取らないといけないのです」


・・・・・・



「次に、あなた達にはこの場所からいなくなってもらいます」

「・・いなくなる?」

「言葉通りの意味です。この学校、この地域から出ていってもらいます。出来れば県を越えていただけるのが望ましいですね。

あなた個人、もしくは家族全員でもかまいません」

「ふざけんな!!!」

「先ほども言いましたが、ふざけてはいません。あなた達が学校にいく。外に遊びにいく。それを見かける度に憎悪や嫌悪を感じる佐藤くんの親族がいます。そういった人への心のケア、またはトラブルを避けるための処置です」

「・・そんな・・家族とか・・・・友達だって・・」

「安心してください。少なくともこの学校の人間は悲しんだりしませんよ。・・・・あなた達がいなくなる時お友達またはクラスメートの何人かは表面上は悲しんでる感じを出しますが、次の日にはいつもの日常になるでしょう。むしろ、あなた達がいなくなってより良い日々を感じるかもしれません」


何をいってる


「考えればわかることです。今までイジメをしていた人間がまだ自分達の近くにいる。表面的には反省してるかもしれないが、ちょっとしたことで気分を害し今度は自分が標的になるかもしれない。そんなストレスを学校に来る度感じるならいなくなってもらったほうが良いに決まってるじゃないですか?」


「そ、そんな事・・」

「佐藤くんのイジメを見て見ぬふりをしていたのはそういった気持ちからです。クラスメートの中には佐藤くんの事を助けたい気持ちを持っていた人もいたかもしれません。だが、それを上回るとくらいあなた達に関わりたくないという気持ちがあったのです。」

「・・・・」

「ですので、あなた方がここにいても

『百害あって一利なし』

一週間の自宅謹慎後、速やかに移動していただきます。謹慎中、十分に家族で話し合って下さい」


・・何を言ってるんだ・・


「この対策は、被害者が生きていても使われもします。今までイジメられた人間がいなくなるのではなく、いじめた人間がいなくなる。逆転の発想です」


・・・・コイツは一体何を言ってるんだ・・・・


「では、次に参ります」

「ちょ、待って・・」

「待ちません」




「次は、あなた達のスケジュールです」

「・・スケジュール?」

「基本、あなた方に監視がつきますが生活は今までとあまり変わりません」

「えっ!?」

「先ほども言いましたがあなた達はまだ未成年。しかも、中学生です。学業に専念する時期。普段の生活をすることで佐藤くんに対する謝罪の気持ちが育つかもしれません。」


何なんだ急に?


「ですが、忘れてしまうかもしれないのも考えられます。ですので、あなた達は週に1度。佐藤くんのお墓にいき掃除を行います。度々こられても佐藤くんも迷惑でしょうから」


墓・・掃除?まぁ、週1ならば・・


「期間は、7年です。彼の事を思い、しっかりと掃除してください」


「な、な・・!!ふざけん・・!!!!」

「ふざけていません。・・彼が生きた、半分の期間ですんでるんですよ?これのどこに文句をつけるのですか?あなた方が被害者だったら弱みにつけこみ『毎日、一生やれ!!』くらい言うでしょう?それに比べれば楽なものです」


「う、嘘だ・・」

「ちなみにこれは佐藤くんの親族の方の提案で7年になりました。本来ならば彼が生きた14年なのですが・・お優しい方でよかったですね」



「・・・・いい加減にしろ・・」


「はい?」


「さっきから言いたい放題・・・・!!!」

「本当だよ!!!なんで、俺達はがここまでしなくちゃいけないんだ!!!」

「俺達だって人間、あんたがいう通りまだ中学生なんだよ!!!あんた達になんでここまで指示されなきゃいけないんだよ!!!」


「中学生だからです」

「なっ!!!」

「正確には未成年だからです。これが大人だったら刑務所に入りその罪に合わせた刑期がきまりしっかり自分の罪に向き合います。・・ですが、あなた達は未成年。刑務所にも入りませんし刑期もありません。さらに未成年がゆえ、時間と共に罪の重さを薄れさせていくかもしれません」

「そんな事ない!!!」

「そうでしょうか?あなた達は、人を1人自殺に追い込んだにも関わらず大人になったとき


・・『ヤンチャしていた』・・


そんな一言でかたずけてしまうかもしれません」


!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


「ですのでこのプログラムで佐藤くんへの罪を償うのです。そうすればあなた達がした事が始めて『ヤンチャ』という言葉の意味を持ちます」


・・もういい・・どうせこれは夢だ・・・・コイツに言いたいこと言わせておけば良い。どうせ、そのうち覚めるんだ。他の2人も諦めたようだ。




「それでは、最後にあなた達が負うべき借金。佐藤くんの親族へ払うべき慰謝料についてです」

「・・・・」

「こういったイジメによる自殺の場合、今までは親族が民事裁判を起こしても長く苦しい時間だけが親族を襲うだけでした。しかし、何度も言いますがあなた達は中学生。生産能力があまりありません。・・なので、あなた達には佐藤君が『あなた達に使った金額と気持ち』それを払ってもらいます」

「・・・・借金・・か」

「そうなりますね。・・こちらのデータによると佐藤君は月に7千円お小遣いとして貰っています。まー全てあなた達に使っていたでしょうし、知っての通りこんな金額ですむわけがありません。佐藤君が自分の貯金、親に見つからずに盗んだ親の貯金。それをあなた達に渡していました。・・その金額・・96万8千円。」

「・・・・w」

「ですが、この金額をあなた達3人で割った金額がそのまま借金になるわけではありません。佐藤君は、あなた達に殴られないがために渡していた金額です。自分のお金の時は悲しみで、親のお金の時は罪悪感で一杯だったでしょう。そういった気持ちも慰謝料に含めます。ですので、この倍の金額・・」

「193万6千円・・」

「暗算が得意なのですね・・はい、その金額をあなた達1人1人に払ってもらいます。利息は月4%です」

「・・・・アハァ・・アハハハwww」

「どうしました?」

「これが笑わずにいられるかwあんたさっき言ったよな。俺達は生産能力がない中学生だってwwwそんな俺達が利子がつく借金だなんてwwwどこの悪徳金融だよwwwあ、国も悪徳金融みたいなもんかwww」

「ちゃんと聞いてましたか?あまり『生産能力がない』と言って全くないとはいってません。ですから、こちらからお仕事を提供させていただきます。新聞配達など探せばけっこうあるんですよ、中学生でもできるお仕事も・・ですが、先ほども言いましたが学生の本分は学業です。その学業に支障がでないよう斡旋させていただきます」

「・・・・はっw・・・・もう好きにしてくれw」

「ちなみにこの借金についてはあなた達が成人するまで第三者は介入できません。・・・・仕事と勉学・・両方頑張って下さい」



「・・住み慣れてた場所を・・週1とはいえ長い距離かけて墓掃除・・その上借金まで背負わされる・・・・こりゃあ、俺達も自殺するしかないかwww」

「それでもかまいませんよ」


「・・・・・・えっ?」

「かまわないと言ったんです。・・本来イジメで自殺された親族、今回は佐藤くんの親族ですね。の望むのはイジメてた人間の死、今回の場合あなた達の死です。

・・・・『なぜ、私たちの優しい子供が死んで、その優しさにつけこんで暴力を振るったあの子供がこの先も生き続けるのだろう』・・・・

この思いはイジメで子供を失った親は一生無くなりません。・・ですが、その思いを少しでも減らしていただくためにこのプログラムを行うのです。」

「・・・・・・」

「あなた達が自殺したとなれば、佐藤くんの親族は息子の無念に対して少しは気がはれるかもしれません。こんなに喜ばしいことはないです。・・・・これからの生活の中、本当に辛いと思いましたらどうぞ『死』を選んでください」

「・・本当に・・・・本当に一体なんだ・・」

「しかし私から言わせていただけば・・・・これからあなた達が過ごす日々は、佐藤くんがあなた達と過ごした日々の辛さに比べれば10分の1もないということです」





「・・・・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・」




「それでは、以上でプログラムの重要な部分の説明を終わります。他にも細かなプログラムもございますが、それはそのつどお教えします・・何かご質問はございますか?」


「・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・」




さすがに・・・・・

もういい・・・・・・

他の二人も・・・・・・

疲れきってる・・・・・・

早く覚めてくれ・・・・・・

こんな悪夢は嫌だ・・・・・・

俺は今を真面目に生きるんだ・・

佐藤・・・・悪かった・・・・許してくれ・・・・



「ありませんか?ないのならば、私から一言・・・・」






「あなた達のこの夢はまだまだ続きますよ」





「・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・えっ?」






「この夢の続き。それこそが真実です。そしてその真実が見つかった時・・・・過去の償いが完了する・・・・あなた達は初めて現実となるのです」







・・嫌だ・・俺はここにいる2人と楽しく生きるんだ・・


・・嫌だ・・俺はこの後高校で運命の出会いをするんだ・・


・・嫌だ・・俺は心を入れ換えて真面目になるんだ・・


・・嫌だ・・俺は仕事が評価されて部下達から頼りにされるんだ・・


・・嫌だ・・俺は新しい家族ができてよりいっそう頑張るんだ・・


・・嫌だ・・俺はみんなに支えられながらも一生懸命生きるんだ・・


・・嫌だ・・俺は・・俺は・・俺は・・・・・・・


嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・




「それでは、今から佐藤くんの親族に謝罪しに参りましょう」

「へぇ?」

「大丈夫。親族の方もあの動画を見ています。あなた達が裸で土下座し、相手にされなくても家の前で何日かやり続ければ少し誠意が伝わるかもしれません・・・・」


「・・・ごめんなさい。・・・・ごめんなさい。ごめんなさい。・・・・ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさいぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


「私に謝っても意味がありません。・・・・それに佐藤くんが謝ったときあなた達は許しましたか?」





「」

「」

「」





「さぁ、いきましょう」













「・・ょう・・ちょう・・かちょう・・かちょう!・・課長!」


「ん?」


「やっと、起きた。こんな所で寝るなんてどうしたんですか?ほら、起きて下さい。」


「あ。うん」


「お疲れみたいですね。・・どうです、この後一杯?」


「ああぁ、行こうか・・」


「お、やったぁ!!じゃあ、今日こそ課長の『ヤンチャ』してた時のはなし、聞かせて下さいね」


「・・・・・・ああぁ」











「さて、彼は『現実の夢』を見たのか・・・・それとも『夢の現実』を続けているのか・・・・」


「1つ言えることは彼が話す『ヤンチャ』話は少なからず誠意のあるものになったと言うことだけです・・」




読んでいただいてありがとうございます。


自分は高校よりも中学のイジメの方がエグいと思っております。

なので背景を中学にしました。



できれば次もこんな感じの納得のいかない生き方をしている人間を本当の真人間にしたいです。


いじめ、ダメッ、絶対!!!



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