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第31話 下層区

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 清十郎はアンガスについて中層区を大通りに向けて歩いている。昼前ということもあって人通りはかなり多い


「のう、アンガス」


「うん?どうした?」


「どこに向かうんじゃ?お主ついて来いと言ったきり行先も言わんではないか」


 器用に人混みを避けながら後ろを振り向きアンガスは軽く笑う


「ついてこればわかる」


 そういうと前を向いてしまった。清十郎は嘆息すると致し方なしとそれ以上尋ねることもせずただついて行く


(しかし、この世界の人々はみな背が高いのう)


 清十郎は人々に目をやりながらそう思う

 清十郎がいた世界では大体が160㎝だ。清十郎自身も160㎝くらいの平均的な身長をしている。この世界では男女ともに170㎝はある


 アンガスに至っては190㎝もあると思われるほどに高い。なので、前を歩くアンガスは良い人除けにはなるのだがその後ろをついて行く清十郎を見てすれ違う人々は男女構わず微笑みを向けられる


(いつも街を歩くとこんな感じよな)


 もう慣れた視線に苦笑いが浮かぶ

 特にイリアと歩くときなどイリアは清十郎よりも10cmほど高いのでイリアといる時は恋人より姉弟としてみられる

 かろうじてミーニャと同じくらいだがミーニャの方が若干高い。これに至っては以前、清十郎様は可愛いですねと頭をポンポンとミーニャにやられたことがある。相当の屈辱だ

 さらに先日の買い物では店に入ったところで女性の店員に可愛らしい弟さんですね。と言われ清十郎の心はかなり抉られた。後ろでミーニャが笑いをこらえていたのが子憎たらしい


(あの時はつらかった・・・)


「・・・い」


「おい!清十郎!」


 と、思いを馳せていると前に居たアンガスが後ろを振り向きながら清十郎に声をかけていた


「む、アンガスどうした?」


「いや、お前、さっきからブツブツ呟きながら歩いてるから心配したんだよ」


「あぁ、これはすまん。なに、少し考え事をしておった」


「らしくねぇな。ははーん。今、イリアのことを考えていたな」


「なっ・・・」


 アンガスが顎に手をやりニヤリと笑う


「お前がらしくねぇ時は大体イリアがらみだ。まぁそれは後で聞いてやるとして着いたぞ」


 文句の一つでも言ってやろうとした清十郎だがアンガスが手を広げて遮ったので言葉が続かなかった


「ここは・・・」


 アンガスに言われ清十郎はあたりを見回すと中層区のようにレンガ造りのアパルトメントではなく前世でよくみた木の板だけでつくられたような家が軒を連ねて並んでいた

 よく見ると地面も石畳で舗装されておらず土がむき出しになったにいる。同じような建物はなく傾いていたり隙間が空いていたりと一つとして同じような家はない


「お前、完全に気づいてなかったな。ここは街の西にある下層区って言われる場所だ」


「下層区?」


「ああ、金がないやつらが住んでるところだよ。とりあえずその説明はあとでしてやるとしてここが目的地だ」


 アンガスが右手の親指で指した方をみるとそこには周りの建物と少し違う形をした建物が立っていた。手前が教会の形をし、奥に住み屋があるような形だ。ただ違うことは十字架がないが正面扉の上に女性の胸像が来客を覗き込むように設置されている


(ふむ・・・。伴天連の教会とやらに似ているのう)


 清十郎がそんなことを考えているとその建物の中から勢いよく子供が飛び出してきた


「姉ちゃん!そんなにがみがみ言ってると嫁にいけないぜ」


「うるさーい!それよりもあんた手伝いなさいよ!」


 子供を追って中から赤い髪の少女が飛び出してきた。子供が後ろ向いて走ってきたのでアンガスが子供をひょいっと抱き上げる


「あ、あれ?あっ兄ちゃん!」


 子供が抱き上げられアンガスを見て気づくと嬉しそうな声をあげた


「よう!相変わらず元気そうだな、ピット!」


 アンガスは抱き上げたピットを地面に下ろすと目の前の少女に目を向ける


「に、兄さん、お帰りなさい・・・」


 先ほどの元気はどこへやら。少女は頬を赤らめ下を向いてもじもじし始めた。少女は肩の手前で切りそろえた髪の前髪の一部を左耳の横にやり髪留めで纏めていた


「はは、レリも相変わらずだな。お、この間やった髪留めをつけてくれてるのか似合ってるぞ」


 それを聞くとレリはボッと火がつくように赤くなると両手で顔を覆って建物の中に入っていった


「レリは相変わらずだな」


「にしし、兄ちゃんにホの字だよ。ホの字、いてっ!」


「はぁ、何言ってやがる」


 ピットがいたずらっぽい笑みを浮かべながら小指を立ててレリをからかうとアンガスは嘆息しピットを小突いて清十郎に振り返る


「ま、こいつはいつもこんな奴だ。おいピット、中に婆さんいるか?」


「院長ならいるよ。っていっても寝てるけど・・・」


「ああ、それは知ってる。いるなら中に入るぞ」


 アンガスはそういうとピットに構わず中に入っていく


「清十郎も遠慮せず入って来いよ」


「ああ」


「へぇ、兄ちゃん清十郎っていうのか。俺はピット。よろしくな」


「ああ、儂は清十郎という。ピット殿よろしく頼む」


「よろしく頼むって兄ちゃん変わった喋り方だな。殿はいらないからピットでよろしく」


 清十郎が挨拶を返してやるとピットは嬉しそうにそう言って中にはいっていった


(子供は元気が一番じゃな)


 清十郎がそんなことを思っていると奥からおーいとアンガスが呼ぶ声がするので急いでピットのあとに続いた





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