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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

さよなら、過去の自分

作者: 高梨湊


これは、私が最初で最後に送る

あなたへの決意の言葉


きっかけは電話

時間が過ぎるのが早くて

何時も夜が朝になるまで話していたね

好き、その言葉が甘酸っぱくて、輝いてて

愛してるが、砂糖菓子のように甘かった

知らないよね、あなたはきっと

感じたことなかった愛情をあなたは与えてくれた

ハジメテを沢山くれた

愛情を伝える大切さを教えてくれた

初めてのスキが恥ずかしかった

鳴りやまない通知が嬉しかった

けど、あなたの視線は私を見てなかったね


金曜の夜、伝えられた離別の言葉

どれだけ私の心を抉ったか、あなたは知らない

確かに感じた、透明な壁

もう、あなたには触れられない

熱い熱をかわすのに

心はどこか離れてる

その距離だけ、私は心に傷をつける

あなたからの愛の言葉を聞いたのは、いつだっけ?


苦しくて辛くて涙が溢れた

楽しかった夜が悲しい夜になった

助けを求めて手を伸ばす

手に触れられたのは、冷たい空気だけだった


あなたの一言、行動で私は心を殺していった

私の本心はどこ?

あなたの本心はどこ?

分からない暗闇の中

私の心は壊れていった


あなたと出会って初めての誕生日

あなたからの通知は取り留めのないものばかり

授業終わり、空白の30分

その時すら、祝いの言葉はなかった

数日後、あなたは、あの子の元へといったと知った

私はあなたにとって誕生を喜ぶ人間じゃなかった

言い訳のキスは苦かった


心は完全に壊れた

全ては幻だったんだ


けれど、あの夏にはもう戻れない

なら、道は一つしかないよね


鳴らなくなった携帯電話

お願いが呼ばせる名前

冷めた愛の言葉

全てがあなたの選択なら

私も私で選択する


手は離せない、そう誓ったから

けど、なにも同じ方向を向かなくてもいい

私は、無理に向こうとしていた

その腕がよじれていることにも気付かずに


それなら、反対を向こう

愛は求めない

けど、背中はあなたに預ける

疲れた時に互いに支えられるように

それが今の私の理想

それならきっと、笑顔でいられる


綺麗ごとでも構わない

これが私の選択

さよなら

過去のあの人を愛した自分


私はもう、愛の言葉は口に出さない

それが、私の最後の小さな仕返し


私は愛じゃない方法であなたを支えていきたい


あなたはわかってくれるかな

わかってくれたら、良いな



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