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17話 初めての実習授業

「よーし、じゃあ今日は初日なんで、お前達がどれくらい出来るか実力を見せて貰う」


俺らが今いるのは訓練室1番。

ここには魔法障壁が張ってあるので、思いきり魔法が使えるらしい。


「最初は魔法使える奴からな。あそこにある的目掛けて魔法を放て。好きな魔法でいい。壊すつもりで放て」


そう言ってリークが指差した先には、人形のようなものがあった。


「あ、エルドリクスは休んでいいからな」


「え? 出来ますよ?」


「いいから。さっきの模擬戦でお前の実力は見たからな。今日はさっき言った通り実力をみる程度の授業だ。それに、お前と一緒にやる奴らもかわいそうだしな」


「でも……」


「まあヴァル。ここは休んどけ」


ルイにまでそう言われ、俺は渋々休む事にした。


「じゃあいいぞー」


リークの号令で一斉に魔法を放つ。


「ーー彼の者を水の弾で撃ち抜け、“水弾”!」


「ーー彼の者を雷の弾で撃ち抜け! “雷弾”!」


「ーー見えない刃で敵を斬り裂け、“鎌鼬”」


「ーー彼の者を氷の弾で撃ち抜け! “氷弾”!」


ミルが“水弾”、アリアが“雷弾”、リアムが“鎌鼬”、ベルが“氷弾”を的に向かって魔法を放つ。


……おお。結構凄えな。


ベルとミルは破壊出来なかったが大きなヒビを入れているし、リアムとアリアにいたっては的を粉々に粉砕している。


この結果にはリークも驚いたようで、「今年の一年はレベルが高いな……」などと呟いている。


リークによると、最初の授業でこの的にヒビを入れる事が出来る人は少ないらしい。


「じゃあ次、剣やるやつ来い。対人するぞー」


気を取り直したようにリークが言う。


「えー!剣術は対人ですか?ズルいです!私たちも対人が良かったですー!そうですよね?リアムさん」


文句垂れるアリアに突然リアムに話を振る。


「……まあ、剣は、あれしか訓練方法が無いですし、仕方がないと……思います」


若干どもりながらもリアムは答えた。

凄く緊張している。


背の低いリアムとアリアが話していると何だか微笑ましいな、と思いながら二人のやりとりを見ていると、リュカが声をかけてきた。


「分かります分かります。可愛いっすよね、リアムさん達。顔も可愛いし、背が低いし敬語だし。ヴァルさんがそう思うのも無理ないっすよ」


「うおっ、びっくりした。いや、なんか微笑ましいなぁって思って。俺、そんなに顔に出てたか?」


「いや。そうでもなかったっすよ」


こいつ何言ってんだ?


よく分からない言動にリュカの顔を見てみるが、ずっとにこにこしていて表情が読めない。


「おい、リュカ・フォレスタ!早く来い!あ、あとエルドリクスも来てくれないか?リヴィエールが疲れて休むから、人数が合わなくてな。悪いがリュエールと組んでくれ」


リークにそう言われ、俺たちは慌てて返事をしてルイ達の下へ向かう。


ーーーーー


「はあぁ!てい!」


「よっ、ほっ」


目の前では、セレナとリュカが身体にボールの様なものをいくつかつけながら剣を振っている。


剣が触れると割れる仕組みになっていて、それを全て割られたら負け、というルールだ。


「へえ。結構良い勝負だな」


ルイが感心したように言う。


確かにそうだ。


身体についているボールは、頭、肩、胸、腹、腿で、肩と腿には二つずつついているので合計七つある。


お互い頭、胸に一つずつ、そしてリュカは腿と肩に一つずつ、セレナは腹にボールを残している。

どちらかというとリュカが一歩リードしているという状況だ。


「しっかし長いなぁ。俺たちはあっという間に終わったのにな」


「ルイはヴァルに一瞬で負けたもんね」


「うっせえぞ、ベル!」


ついでに、俺らの試合は1分もかからずに終わってしまった。


(しかし、本当に長いなぁ)


リュカとセレナはかれこれ10分以上やっている。


意外なことに、リュカはカウンター型だった。

攻撃型のセレナの剣を見切って躱し、確実にボールを壊している。


「これは、リュカが勝ちますね」


二人の勝負を見ていると、リアムが話しかけてきた。


「リアムにはそう見えるか?」


「ええ。リュカは昔から人の心を読むというか、相手の動きを読むことが得意なんですよ。セレナさんの様な攻撃型のタイプはリュカが最も得意とするタイプです」


確かに、試合を見ているとセレナの攻撃が殆ど当たっていない。


リュカが動きを読んで避けているのか。


「なるほど、目だけじゃなく頭もいいんだな。なんか意外だな」


ルイが感心したような顔で話に入ってきた。


「意外って……そういえば、リアムとリュカは昔から仲良いのか?」


さっきの会話でそれっぽいことを言っていたので聞いてみた。


「ええ、まあ、腐れ縁ですよ。親同士が仲良くて昔からよく会っていたんですよ」


そう言うと、リアムは照れくさそうに笑った。


その後、試合が終わるまで俺たちは他愛のない話をしていた。


試合はリアムの言った通りリュカが勝っていた。

あけましておめでとうございます。



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