13話 入学式とその後
今回少し長めです
「ーー新入生代表、ヴァリス・エルドリクス君、お願いします」
「はい」
あの騒がしかったパーティの次の日、冒険者学校の入学式があった。
試験がある当日に結果が発表され、翌日入学式ってどういうことだ?
色々手続きとか準備とかあるはずなのに……と思ってアレキスに聞いてみたら、
『そこはほら、魔法でぱぱっとな』
意外と適当らしい。
「ーー新入生代表、ヴァリス・コナ・エルドリクス」
新入生代表挨拶を終え、自分の席に戻る。
今年の試験は、俺が首席合格らしい。
なんでも、筆記、技術ともに満点なんて冒険者学校始まって以来のことらしい。校長がめちゃめちゃ喜んでいた。
(筆記つっても、殆ど常識問題だったしなあ)
やることはやったので、式が終るまで後はぼーっとしていた。
ーーー
「ーー以上で入学式を終わります。生徒の皆さんは自分のクラスへ移動して下さい」
そのアナウンスの後、事前に言われていた自分のクラスへと向かう。
この学校にはA組〜G組まで7クラスあり、A組に近ければ近いほど成績が良く、入れる人数も少なくなる。
ちなみに俺はA組だ。
(えーと、A組……A組……あっあそこだ)
1年A組を見つけ、中に入る。
ザワッ……
「……え?なになに?」
俺が入った瞬間、教室内が騒がしくなった。
「お、エルドリクス君か。これで全員揃ったな。君達は厳しい試験を潜り抜け、その中でも優秀な成績を残した。よし、まずは皆んな自己紹介しようか。じゃあエルドリクス君から」
「はい」
自己紹介するように先生に言われたので返事をして立つ。
「ヴァリス・エルドリクスです。得意な魔法は雷魔法。一応剣も出来ます。よろしくお願いします」
なんかみんなが俺を凝視している。
自己紹介なんだから当たり前なんだが……
「じゃあそのまま左にいって」
「は、はい! ミル・リーヴルです! えっと、水魔法が得意です。あと、少しだけですが治癒魔法も使えます。よろしくお願いします!」
みんなが感心した声をあげる。きっと、治癒魔法を使える事に興味を惹かれたのだろう。
ミルというはピンク色の髪を肩まで伸ばした大人しそうな女の子で、なかなか可愛い。
「次は俺っすね。リュカ・フォレスタっす! 剣が得意っす。みなさんよろしくっす!」
リュカはオレンジ色の髪で、顔にそばかすがある男の子だ。性格がなんか体育会系だ。
「私はベル・リヴィエール! 剣も魔法も出来ます! よろしくね!」
ベルは茶色い癖っ毛を横で纏めた、元気な女の子だった。
「次は私で良いですか? アリア・グラベルです! 魔法使いです! 魔法の中でも雷や風が好きです。よろしくです!」
アリアは金髪ロングで背が低い、元気な女の子だ。
「リアム・ロータスです。風魔法を得意としています。よろしくお願いします」
リアムは金髪の坊っちゃんみたいな髪をしている男の子だ。
「セレナ・ブランです。剣が得意です。よろしくお願いします」
セレナは紺髪ポニーテールのかっこいい系の女の子だ。
「最後は俺か。俺はルイ・リュエール。剣が得意だ。よろしく!」
ルイは金髪イケメン男子って感じだ。
「よし、全員自己紹介したな。俺はリーク・カロータ。今日からこのAクラスの担任だ。よろしくな」
リークはにっこりと笑って言う。
「今日はこれで終わりだが、明日は午前に校内案内して、午後は実習授業だ。楽しみにしてろよ。それじゃ、解散!」
リークがそう言った瞬間、みんなざわざわと動き出す。
(にしても、たったの8人か……だいぶ少ないんだな。他クラスとか人数多くて大変そうだな)
そんな事を考えながら帰ろうとしていると、
「なあなあ、お前代表挨拶してた奴だよな?」
振り向いてみると、ルイが爽やかな笑顔で話しかけてきた。
「ああ、そうだけど」
「おお! 代表って事は首席って事だよな。すげえな。ヴァリス・エルドリクスだったよな。ヴァリスでいいか?」
「あ、ああ」
「そっか、よかった! じゃあ俺のことはルイって呼んでくれ!」
「わ、わかった」
凄い勢いで喋るなこの人。
「それで、首席だろ? 魔法使えんだろ? どんなん使えんの?」
「え、えと」
「ほら、少し落ち着いて。エルドリクス君が困ってるじゃないの」
声のした方に視線を向けると、そこにはセレナと、その後ろに隠れるようにミルが立っていた。
「えっと…すまん、名前何だっけ?」
「エルドリクス君のはフルネームで覚えていたのに……」
セレナは大きくため息をつく。
「いや、本当すまん。ヴァリスは首席だから印象に残っていたんだ」
「はあ、まあいいわ。私はセレナ・ブラン。そっちのミルと幼馴染よ」
「ミル・リーヴルです……」
「そうか、よろしくな」
そういって話しているのをぼーっと見ている俺に気付いたのか、セレナがこっちをじっと見て言った。
「エルドリクス君?どうかしたの?」
「え?いや、何でも……」
「なんかぼーっとしてたけど」
セレナはまだ疑わしそうにこちらを見ている。
「いや、ほんとに何でもないさ。ただ、初めて同年代の子達と話したから」
そう。俺はアレキス達とずっと一緒にいたので同い年の子とは話したことが無かった。
「そういえばエルドリクス君、中等部にはいなかったわね」
「そういえばそうだったな」
「確かに。いなかったね」
中等部?なんだそれ?
「中等部ってなんだ?」
みんなびっくりした顔で俺を見ている。
「エルドリクス君知らないの?」
「ああ。俺は6歳まで小さい村に住んでいたからな。それにこっちに来てからも人に教えてもらったり自主練で何とかしてたからな」
アレキス達の名前を出すと面倒くさそうだったので敢えて言わないでおいた。
「それより、みんな中等部っていうところから来ているのか?」
「ええ。私もミルも中等部からよ」
「俺もだ」
「中等部にいなかった人の方が珍しいんじゃないかな」
みんな中等部に通ってたのか。
ってことはみんな顔見知りか?
いや、ルイはセレナ達のことを覚えていなかったな。
「なあなあ、ヴァリスの村ってどこら辺にあるんだ?」
「あー、どこら辺って言われると……」
正直、この空気を壊したくないから余り言いたくないな。
「みんなはどこら辺に住んでいるんだ?」
ちょっと強引過ぎる気がするが、とりあえず話を逸らしてみる。
「私の家は王都にある道場なの。すぐ近くにあるわ」
「私はセレナの家の近くにある定食屋です」
「俺はこの学校の近くの武器屋だ。今度来てくれよ」
みんな以外と中心部にいるんだな。金持ちって事か?
「で、お前は今何処に住んでるんだ?」
ルイが興味津々という顔をして聞いてくる。
「今はここから飛んで10分、歩いて1時間のところに住んでる」
「ちょっと待って。歩いて1時間のところを飛んで10分? どんだけ速いのよ」
「……? 普通じゃないか?」
「全然普通じゃないわ……」
セレナは大きくため息をつく。
ミルも何ともいえない顔をしている。
「何がダメなんだ?」
暫くの沈黙の後、ミルが口を開いた。
「あ、あのですね。本来“飛翔”という魔法は移動の為に作られたのですが、あまりにもスピードが出ず、今では偵察などに使われているんです。空からなら敵に気づかれにくいので。徒歩1時間のところへ10分で行くことが出来る魔法使いは殆どいないかと……」
「出来ても魔力が保たないわよ」
そうだったのか……。
「でも、エルドリクス君なら出来そうですね」
「あのさ、さっきから思ってたんだけど、俺ら同い年なんだから敬語やめないか?エルドリクスっていうのもくすぐったい。ヴァリスって呼び捨てでいいよ」
「えっ! えと……呼び捨てはちょっと……」
ミルが驚いた顔をして、ちらっとセレナをみる。
「それもそうね。ならこっちもセレナでいいわ」
「わ、私も……ミルで」
「オッケー。セレナにミルね。で、何だっけ?話の腰を折ってごめん」
「あ、大丈夫です……じゃなかった、大丈夫だよ」
「で、ヴァリスなら出来そうってどういうことだ?」
今まで若干空気だったルイがミルに聞いた。
ミルは何か思い出すように視線を斜め上に向けて言う。
「実は私、ヴァリス君と同じ受験会場だったの。その受験内容が5メートルもある大岩に向けて魔法を放つっていうので……ヴァリス君がその大岩を破壊しちゃったの」
「その岩が脆かったっていうのは?」
「ううん、それは無いと思う。他の人達みんな破壊出来てなかったから。私もヒビを入れる程度で……」
他の人達はヒビも入れられなかった人も多いと聞いたから、ヒビを入れるだけでも凄いと思う。
そこでふと、ある事を思い出した。
「あれ?そういえば俺のいたところは剣と魔法どっちも使えるって言ってたけど……ミルも剣使えるのか?」
確か試験官がそう言ってた気がする。
「ううん。私はヴァリス君の次のグループで、私が丁度部屋に入った時にヴァリス君がやってたんだ。あの時は本当にびっくりしちゃった」
ミルはだんだん慣れてきたのか、すらすらと喋り、笑うようになってきた。
「なあなあ、今日ヴァリスの家行っていいか?」
何を思ったのか、ルイがいきなりそんな事を言ってきた。
「今からか?」
「ああ。今からだ」
どうしようか。
アレキスと住んでいる何て言ったらみんなはどういう反応をするのだろう。
ていうか、言っていいのか?これ。
「いいと思うけど……」
とりあえずそれっぽい事を言ってみる。
「何だ?お前家の人と上手くいってないのか?」
「いや、別にそういうわけじゃ……」
まあ、どうせバレるんだからいいか。
早いか遅いかの違いだ。
「分かったよ。ルイと……そっちの二人は?」
「あ、私も行きたい」
「私も行っていいかな」
全員来るか。まあ、いいか。
「オッケー。3人ね。ミルは“飛翔”使える?」
「使えるけど……ヴァリス君についていけるスピードは出せないよ?」
まあそうだよな。仕方ない。
「じゃあ、全員俺が運ぶから、バランス崩さないように注意してろよ」
「え、ちょまっ」
「うわっ」
「ひゃあ!」
全員を浮かせるとそれぞれ叫び声をあげている。
「えっこれ、どうやってるの⁉︎」
「まあ、それの説明はまた今度でいいか?みんなもう大丈夫か?じゃあ今から移動するから、酔わないように注意してろ」
「え、ま、待って!怖い怖い怖い!ってきゃああああああ」
「うおっ」
「ひ、ひゃああああ!」
ーーー
10分後ーー
「「「つ、着いた……」」」
「……大丈夫か?」
初めての空中散歩の上に、異常なほどのスピードで移動してきた為、みんな疲れきっている。
「え、ええ。それより凄かったわね。あんなスピードで飛んだのに空気抵抗が無かったわ」
「うん、それに4人も浮かしたのに周りに風が漏れてなかった」
「それなのに全然疲れてないお前の魔力はどうなってんだ?」
少し落ち着いてきたのか、口々に感想を言っている。
「まあ、それは今度教えるから。それより、俺の家はここだ」
そう言って家を指差す。
「で、でかいな……」
「え、私たち来てよかったの?」
「凄い……」
どうやらこの家は相当でかいらしい。
まあ、『六柱』の第ニ席の家だ。
他の家よりはでかいだろう。
「じゃあ、入るぞ」
そう言って扉を開けると、
「おかえりおかえり師匠!入学式どうだったかな?友達できたかな?」
「……おかえり、師匠。どうだった?」
「アイリーン姉さん、アイリス姉さん……何でいるの?」
この調子だとフランさんも居そうだ。
「決まってるじゃないの!今日は師匠の入学式。それに私たちが正式に弟子入りできる日だからね!パーティだよ!」
「……アイリーン、それ内緒」
「あっしまった!師匠、今のことは知らない程でお願い!二人に怒られる!」
「はあ、やっぱりフランさんも来ているんだね。多分、もう遅いと思うよ」
「おいコラアイリーン!秘密って言っただろ!」
「まあ、やると思ってたけどね」
そう言って出て来たのは、アレキスとフランさんだ。
「まあ、バレたなら仕方ないか。じゃあ今からヴァルの入学パーティやるぞ……ってヴァル、後ろの奴らは?」
今気づいたのかよ、と思ったが口には出さず、説明する。
「この4人は今日できた俺の友達。ルイとセレナとミルだ。俺の家に来たいって言ったから連れて来た。構わないか?」
それを言った瞬間、アレキス達の動きが止まった。
(あれ?やっぱりまずかったか?)
その様子に不安になったとき、
「嘘……だろ?」
「友達?本当に本当?師匠の?」
「……ドッキリ?」
「まさか、ね……」
「いや何だよその反応⁉︎酷いんだけど‼︎」
酷すぎる。俺を何だと思ってたんだ?
「……師匠なら、入学式に何か凄い事やらかしてみんなに尊敬されつつも遠巻きに見られて、最終的に友達ができるどころか誰とも喋らずに帰って来るかと思った」
「何それ酷い‼︎」
てゆーか、アイリス姉さんがこんなに喋ってんの初めて見たんだけど……。
「師匠師匠。これ本当に本物?私たちを驚かせるために幻術を見せてるんじゃないの?確か使えたよね?」
「その可能性はあるな。てゆーか、それだな」
「いや、ヴァルならドールも作れる。昔これと同じような事をされた事があるんだ。俺らを驚かせる為にこんな本物の人間のようなドールを作るなんて、流石だねヴァルは」
「いや、本物だから!幻術でもドールでも無いから!ルイ達も黙ってないで喋れよ!」
このままでは拉致があかないと思い、この家に入ってから唯の一度も言葉を発しず、呆然と突っ立っている4人に声を掛ける。
「えっ……ヴァリス、これ本当に本物か?」
「まさか、『六柱』の上位四席がいるわけないわ。そう、幻術ね。ヴァリスが私たちを驚かせようとして……ヴァリスなら出来るわね」
「はうう〜、偽物と分かっていてもフラン様とアレキス様とアイリーン様とアイリス様が目の前に……」
「…………」
なんかもう疲れてきた。
「いいからみんな、お互いに触ってみろよ。幻術でもドールでも無いから」
因みに、ドールというのは土で作られた人形だ。
魔力を糸のように具現化させる“魔糸”という魔法を使って思い通りに動かす事が出来る。
また、土なので触ると硬く冷たい。
昔土魔法の練習のために沢山作ったところ、アレキス達にきみ悪がられた。
因みに、この魔法は今までに無かったらしく、俺がドールと名付けた。
とまあ、先程言ったように触れば分かるので触らせてみる。
「にゃ!触れる!」
「……幻術じゃない」
「硬く無いし冷たく無いだと……!」
「まさか、本当に友達なのか?」
どんだけ疑ってたんだ?ってぐらい驚いてる。
「え、ちょ、マジで本物⁉︎」
「うそ⁉︎どうしよう!初めて生で見たわ!……はっ!触っちゃった!どうしよう、もう手洗えない!」
「これは、夢かなぁ?夢だよね。じゃなければこんな間近で……って痛い痛い痛い!」
なんかミルがまだ信じていなかったので、頬をつねって夢では無い事を証明する。
隣ではミルが涙目で「い、痛い。夢じゃない……」と呟いている。
それにしても、セレナの混乱ぶりには驚いた。
冷静沈着っていうイメージだったからな。
ギャップが凄い。
「これで分かっただろう?」
「あ、ああ。まさかヴァルが入学初日に友達を連れて来るとはな」
「まあ、びっくりしたけど、折角のパーティだ。人数が多い方がいいしね」
「それより国王様の護衛はいいのかよ?」
因みに、この四年で国王様とも何度か話し、それなりに仲良くなった。
「まあ、国王様は何気に私たちよりつよいからね〜。刺客が来ても返り討ちしちゃうよ」
「……国王様は凄く強い」
「……いいのかそれで。まあいいや。じゃあみんな、初っ端からばたばたしてごめん。今からパーティらしいから、中に入って」
未だ固まってる三人を中へ入るように促した。
(やっと玄関から先に進めたな……)
「おい、これはどういう事だ?ヴァリスお前あの四人とどういう関係何だ?」
「まあ、それは後で教えるから」
ルイ達に説明を求める眼差しを向けられるが、適当に遇らった。
「よーし、じゃあこれからヴァル入学おめでとう会を始めるぞ!」
「ちょっとちょっと!私たちの正式弟子入りおめでとう会もあるよ!」
「……大事」
「ちょっ二人とも、ルイ達もいるんだからあんまり大声でそういうのは……」
ちらっとルイ達の方を見ると、え?弟子入り?どういうこと?って顔で見てくる。
「まあまあ、落ち着いて。今日はヴァルの友達もいるんだから。まずは自己紹介しようじゃないの」
「それもそうだな」
フランさんの提案でまずは自己紹介する事になった。
「じゃあ俺から「いやいや、ここは一席の俺からでしょう」うっせえフラン!この家の家主は俺だ!……ごほんっ。えー、すまん。俺はアレキス・レイ・サンドレイク。『六柱』の第二席だ。ここでヴァルと一緒に住んでいる。よろしくな」
隣でルイ達が、「もう驚かない。何が起きても」などと呟いている。
「じゃあ次は俺ね。俺は『六柱』第一席のフラン・サイ・アーサー。ヴァルとは昔から仲良くして貰っているよ。よろしくね」
フランが爽やかな笑顔を見せると、ミルとセレナの頬がほのかに赤くなった。
「私は『六柱』の第三席、アイリーン・ライ・ラックだよ!魔法騎士やってます!よろしくね!」
アイリーンが片目を瞑り、舌を出しながらピースという変なポーズをとっている。
「……『六柱』第四席、アイリス・ライ・ラック。同じく魔法騎士。よろしく」
アイリスは相変わらず言葉少ない。
「とまあ、俺らはこんな感じ何だが……大丈夫か?」
アレキスが引きつった笑みを浮かべたまま動かない三人を心配するように声を掛ける。
「は、はい!え、えっと、お、おおお俺はルイ・リュエールです!よ、よろ、よろしくお願いします!」
緊張し過ぎてどっかのラッパーみたいな自己紹介をしている。
「わ、私は、セレナ・ブランです!よろしくお願いします!」
「ミル・リーヴルです!」
後の二人は意外とスムーズに言えていた。
「よし、ルイにセレナにミルだな。よろしくな」
アレキスがにっこり笑いながら言う。
ミルとセレナが「ああ、アレキス様が私の名前を呼んでいる……」「私たち死ぬのかなあ?」とか言っている。
「大丈夫だ。死にはしないぞ。それよりほら、折角のパーティだ。沢山食べて沢山楽しもうぜ」
「はっ!そうだね。折角『六柱』の方達と話せるんだもんね!楽しまなきゃ」
「よーし、じゃあここは私達が場を和ませる為に私達と師匠との出会いを語ろうかな!聞きたい?ねぇ聞きたって痛!」
「お前らがその話始めると止まんねえから。それは後で聞きたい奴だけに聞かせろ」
アレキスがアイリーン達の耳を引っ張って席に座らせる。
「よし、じゃあ気を取り直して乾杯しようか。では、ヴァリスの魔法学校入学「と、私達の弟子入り」を祝して……」
「かんぱーい!」
「っておいフラン!」
「「「「「「「かんぱーい‼︎」」」」」」」
「おいお前ら!」
「……もったいぶるアレキスが悪い」
「なんだと!」
今のやりとりで緊張が解けたのか、ルイ達も顔を見合わせて笑っている。
家に帰ってからどれくらいたっただろう?
そうしてようやくパーティが始まった。
席順
ベル 、 リュカ 、 ミル、 ヴァリス
アリア、 リアム、 セレナ、 ルイ
成績
ヴァリス(両方)
ルイ(剣)
セレナ(剣)
リアム(魔法)
ミル (魔法)
アリア(魔法)
ベル(両方)
リュカ(剣)