表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/21

12話 冒険者学校の試験

ーー4年後


「おいヴァル!今日は試験の日だろ! 早く起きろ!」


「んあ? ん……ってああ!! ほんとだ! もっと早く起こせよ!」


見れば時間は試験開始まであと20分。


「やばい!! 間に合うか!?」


「超高速で飛んでけば間に合う! 早く行け!」


俺は“飛翔”を使って、文字通り超高速で飛んで行った。

後ろでアレキスが「頑張れよー!」と言っているが、そんなのに構っている暇は無かった。


今日は待ちに待った冒険者学校の試験日。


俺もあれから訓練を重ねて、魔法の腕も剣の腕も大分上達した。

アレキスは余裕で通過出来ると言っていたが、気を引き締めて試験会場へと向かった。



俺が試験会場に着いたのは、試験が始まる10分前。大分ギリギリだった。


俺は受付を済まして建物の中に入る。

するとそこにはたくさんの人でごった返していた。

殆どが俺と同じぐらいか少し上くらいだ。


(これ全員受けるのか? 定員500名って聞いたけど、それの5倍はいるぞ?)


こんな状態で試験が出来るのか少し不安になりながら時間まで待っていた。


すると、アナウンスが流れ始める。


『これより冒険者学校入学試験を開始します。受験者は自分の受験番号が書かれている扉に御入り下さい』


そのアナウンスの後、周りがざわざわと動き出す。


(2019番は……あ、あった)


自分の受験番号が書かれている扉をみつけ、その中へはいる。


するとそこには、50人ほどの男女がいた。


「……よし、全員揃ったな。それじゃあこれから第一試験を行う。ここに揃っているのは剣も魔法も出来る奴らだ。ここでは魔法の試験を行う。ルールは簡単。自分の一番得意な魔法を使ってあの大岩を壊せ。じゃあ受験番号が早いやつから」


先生だろうか? それっぽい男が前に出て言った。


(それにしてもでかい岩だなぁ。5メートルはあるんじゃないか? どこから調達してくるんだろう?)


そんな事を考えていたら俺の番が来た。


「ヴァリス・エルドリクスだな? ……よし、始めていいぞ」


「はい」


そう言われて俺はなんの魔法を使おうか悩む。


(火とか水とかの基本形は皆んなやるだろうし、やめた方がいいかな? なら雷か氷か? よし、ここは印象付けるために派手なのいっとくか)


俺は頷いて、背後に無数の“雷弾”を出現させる。


そして、大岩に狙いを定めて……


ドガァァァァァアン‼︎‼︎


大岩は木っ端微塵になった。


「よし!」


俺は満足気に後ろを振り返ると……


「……む、無詠唱?岩が木っ端微塵に……」


…………あれ?


ーーー


「お帰りお帰り師匠!試験どうだったかな?」


「……師匠なら余裕」


家に帰るなり、アイリーンとアイリスが今日の試験について聞いて来た。


「お、お帰りヴァル。今日はパーティだ。フランも来てるぞ」


「お帰りヴァル。今日の試験はどうだった?」


「そ、それは夕食の時に」


「なんだあ?あまり調子が良く無かったのかあ?」


アレキスがキョトンとした顔で聞いてくる。


「いいから!」


ーーー


「あっはははははは!! なんだヴァル? お前あの大岩を木っ端微塵にしたのか? そりゃ試験官もびっくりするわ」


「流石師匠! あれを木っ端微塵とは!」


「……すごい」


夕食の時間になり、試験の話をするなりアレキスに笑われた。


「え? なんで? だって壊せって言われたんだよ?」


「ヴァル、あの岩を壊す受験者なんて殆ど聞かないよ。ましてや木っ端微塵なんて……。他の人達見てなかった? 大抵皆んなひびを入れる程度だったと思うんだけど」


「え……考え事してて見てなかった」


俺はさあっと青ざめる。


「しかもなんだ? その後の剣の試験では先輩をボロボロに負かした挙句、怪我した先輩に治癒魔法を掛けてあげるという追い討ち……っくくくく」


「凄いよ師匠! 相手のプライドズタズタだね!」


「……少し同情」


「う、う、うるさい! 仕方ないだろ!」


「まあまあ皆んな落ち着いて。今日はヴァルが主役のパーティだ。明日からヴァルは晴れて1年生。盛大に祝おうじゃないか」


「フランさん……」


そんなこんなで騒がしいパーティが始まった。

本当はヴァリスの性格をもっときつくする筈だったんですけど……書いてるうちにこうなってしまった

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ