第2話 草原スタートって、怖くね?
本編は3000文字弱を目標に書いていきます。一万文字はちょっとキツかった。
なのでココからは一話あたりが短く感じるかもしれません。
神様からの手紙を読んだ。情報が多い。整理がしたい。
ここはどうやら異世界だ。
考えるより先に、周囲の安全を確認するのが大事なんじゃないか?
ふと思った。
慌てて膝立ちの状態から立ち上がる。
何が居るかわからない。周囲を見渡す。平原であり、草原である。
草は膝丈まで生い茂っている。
コレ、危ない生き物が草に隠れていたらヤバくない?
異世界だし。異世界だし!
大事な事なので、二回そう想った。何が居るのかわからん。
移動すべきか。ぐるりと周囲を見る。遠くに林や丘は有る。
更に遠くには山も見えたりはする。パッと見、人工物らしき物は見えない。
丘や林の先にあるのかもしれないが。
手紙は一旦バックパックの、チャック付きのポケットに畳んで仕舞い、周囲に危険はないか、もう一度見回す。
うん、わからんが、わからんなりに、差し迫った危険はないとしよう。
胸にブラ下がってるチチ、いや地図を見る。
等高線が書かれてる地形図の方だ。一番近い町は5kmほど先か?
コンパスを見る。良かった、針がぐるぐる廻っていたりしない。
もう一度地図を見る。更新された地図もちゃんと右上に方位の記号が書かれていて、北が上で作成されてる。
女神様に地図を更新してもらってなかったら、かなりマズい事になってたかもしれん。
そう思いながらコンパスを地図上に起き、方角と地図を合わせ、町のある方向を向く。
丘の向こうだ。
丘・・・そんなに高くはない、なだらかな丘だ。見晴らしは良いだろうけど、敵意の有る存在が居たら逆に目立って引き寄せないかな?
怖い。何せ、俺は普通の一般人だ。特別な力など無い。
特別な力、無いよね?
魔法はイメージが大切だ!とかそういう定番のやつないかな?
そんなことを思い、なんとなく手の平にぐぬぬぬっと力を込めて、炎を想像しながら『ファイア!』とか水の玉を思い浮かべながら『アクア!』とか、 思いつく限り繰り返した。
ないわー。ないわー。草原スタートとかないわー。チュートリアルが無いわー。俺に都合の良い魔法の才能とか無いわ~。
ココは異世界です。って情報だけで草原に放り出されるとかどんな罰ゲームですのん?街スタートが良かった。
いや、いきなり人気のある所に別世界の人間が現れたら、現地民混乱するだろうけど。
それならそれでギリギリまで街の近くに転移させて欲しかった。
地図から手を離し、鉈を抜く。襲われても咄嗟に反撃できるように。
何かが襲ってくるんじゃないかっていう恐怖がずっと有る。
軽く二、三回振り、立ってる草を斬りつけてみる。
スパッと切れる。うん、良い切れ味。
振った感じは違和感がある。短い鉈しか振ったこと無いからね。
刀身の長いの刃物を振ったこと無いし。
しかしなぁ、こんな事になるんなら剣鉈にしておくべきだったなぁ。
戦うことを前提にするなら剣鉈の方がいい。体重を乘せて刺せばいいから。 刺したら抉ればいい。鰻鉈では刺せない。
動く敵を斬りつけるとか、うまくやれる自信ないんですが。
いや、まぁ敵がいるとも限らないんだけど、平原が手付かずで開墾もされずにそのまま残ってるとか、開墾できない理由が居るんじゃねぇの?
疑心暗鬼である。
ダメだ、このままではいけない。
鉈を一旦鞘に収める。
バックパックを肩から下ろしファスナーをスライドし、中を見る。
「うわぁ」
思わず声が出る。バックパックの中は物置ぐらいの広さが有るように見える。
バックパックの外側に視線を移すと、普通のバックパックだ。
中を覗き込むと物置ぐらいの広さで不思議な感覚だった。
中は2m程先に物がごちゃごちゃと乱雑に置かれている感じである。
覗き込むのをヤメ、手を開いて入れてみて水1Lのボトルを思い浮かべてみる。
すると、手の平に何かが収まった感触があったのでそのまま掴み引き出してみる。
ちゃんとミネラルウィーター1Lのペットボトルだ。未開封である。
道路を歩いてる間水分を取ってないし、異世界に来てからの緊張でのどが渇いていた。
何より少し落ち着く必要があると感じていた。急な展開について行けてない。
蓋を開け、口を付け、ゴクゴクと半分ほどを飲み、息を吐き出す。ハァ~と、ため息も混じってる。
水は結構ひんやりしてた。キンキンに冷えているわけじゃなく、ゴクゴクと飲みやすい温度だ。バックパックに氷を入れていた影響だろうか。
蓋を締め、バックパックに入れながら、とりあえず丘に行こうと決意する。
このままココで周囲を警戒していてもしょうが無い。
どの道、街に向かうしか安心できる場所はなさそうだ。
後は歩きながら考えよう。
バックパックを背負う、確かに軽くはなったけど、それでもソコソコ有る。うーん、10kg前後かな?コレくらいなら平地を歩く分には問題はないな。
周囲を警戒しながら歩き出す。襲撃の恐怖が有るのでペースはちょっと速い。
キョロキョロとしながら、これからの事を考える。
とりあえず街に行く。5km位なら一時間位で付けるはずだ。
500mほど先の丘を見る。
丘はそんなに高くない、5m程の高さくらいしか無いんじゃないかな。
時計を見る、9時半くらいだ。街に到着は10時半過ぎか、11時か。
お昼だな。
そう思ったら腹が減ってきた。あー、肉喰いてぇなぁ。
ん~今の気分は鶏モモだな。丸のまま切らずに味塩コショウとミックスハーブソルトを掛けて、串打ってじっくり炭で炙って食いてぇなぁ。
周囲を警戒しながら、逸れた思考でそんなことを思いつくと堪らない。
なにせ、いくら今は恐怖が勝ってても、元が山育ち、見渡す限りの平原なんて見たこと無い。
未知の景色を見てるドキドキ感と、恐怖のドキドキ感で結構テンションは上がっている。
炭火を起こして鶏モモを炙る。その間に卓上コンロとフライパンで、そうだなぁ、まずはすぐに火が入るベーコンか、ビール片手にこの雄大な景色を見ながら・・・。
歩くペースは更にすこし上がり、一応、周囲を警戒しながら、妄想は止まらない。
鶏モモは弱火でじっくり焼かないと、外は焦げて中は生、なんてのがあって面倒なんだよな。じっくり焼くと時間が10分以上掛かるからなぁ。そうなるとベーコンだけじゃ足りないな。
豚は~、ダメだな、時間がかかる。牛ステーキを~・・・。
そんな風に妄想を垂れ流していたら、あっと今に丘の上についた。
ココまでは何もなかった。妄想の中でも鶏もも肉には齧り付けなかった。
周囲をぐるりと見渡し、とりあえず未知なる大型生物とかが居ないことに安堵する。
RPGで言う、始まりの村から始まるとは限らない。ココが実はラスボス手前だったりするかもしれないからな。
異変がないかを確認し、町があると思われる方向を見る。
距離がまだかなり離れているせいか、町らしきものは見えなかった。
しかしはるか先に道らしきものは見える。あそこに向かえばいいだろう。
見える範囲では、開墾されてる様子はない。地図で見た感じではそう大きな街ではなさそうだったが、人口も大したことがないのだろうか。
「あ~。腹減ったなぁ。しかし暑いな。」
そう言いつつ、バックパックをおろし水を出し、一口飲む。
暑い。地球では早朝で木々に囲まれていたから涼しかった。
コッチは日陰がない。30℃くらいあるだろうか、地球と異世界の季節が連動してるのか、かなり暑い。汗が吹き出している。
「ビール、飲みてぇなぁ。」
山登りはなくなった、友人もこの世界に来て居なくなった。無事に友人を家まで返さなきゃという責任から解放された。大学に入り一人暮らしを始めてから、肉を思うがまま喰うなんてことをしていなかった。
このままビール飲んで酔っ払った勢いで肉を食う。いいなぁ・・・。
とりあえず、目の前の欲望に飛びつきたい気持ちはある。しかし。
その代償が自分の命か?割に合わんな。安全を確保してからゆっくりと愉しめばいい。今肉を焼いたら周囲の警戒なんて意識から吹っ飛んじまう。
肉の匂いで良くない者を呼び寄せちまうかもしれないしな。
未知への恐怖が勝り、我慢だ、あと一時間の我慢だ。と、雑念を振り払いながら水を仕舞い、代わりに飴を取り出す。
色んな味の入った飴の袋を封切り、適当に1つつまみ、包装を破り、口に放り込む。
マスカット味だった。
手に残った包装は手放し、飴の袋をバックパックに仕舞う。
再びバックパックを背負い、ココから一番近くに見える道っぽい所を目指して歩き出す。
ブクマありがとうございます。この場をお借りして感謝を。
書いてる方の苦労も見てみようと、軽い気持ちで書き始め、誰にも見られる事無くひっそりと消えていく小説の予定だったので、予想外過ぎてコレは書かねばと小説を書く原動力になっています。
元々はもっとのんびりと、ほとんど放置する勢いでたまに書くつもりだったんですが、書いてみると意外と楽しいもんですね。
昨日、ランキングタグ設定をどんなもんかと軽い気持ちで入れてみたら、PV急激に増えてビビった。