第30話 二人がこんな町に来た理由
説明回です。
10/23 表現を微修正。推敲時には変な言い回しに見えないのに、投稿した後に見返すと何故か見つかる不思議。
無駄に壮大な・・・。いや壮大か?うーん。まぁ、歴史は結構あるみたいだな。
苦笑いしか出てこない。
ホモが集う町誕生秘話を聞いて俺は。
「はあ、そういう事なんですか。」
としか返事ができない。
この現状は誰が悪いんだ?
原因を作った女神か?損切りしなかった王様か?状況をなんとか収めようとして産業の中心に冒険者を据えた新王か?これ幸いと状況に乗っかってシステムを確立させた当時のホモたちか?
いやいや、待て、戦犯を追求する必要はないんだ。
俺に被害さえなきゃ、誰が誰を愛そうがどうでも良い。
まあ、もうすでに被害は有ったんだけどさ。
たださぁ。なんだかなぁ・・・。なんで俺、こんな町にいるんだろう。とは思うよね。
それよりもちょっと気になることが有る。
地図をバックパックから取り出し、ダルシャナの前に置く。
「この地図は女神様が、向こうの世界の地図をこちらの世界の地図に変えてくれました。この中心が、私がこの世界に来た最初の地点で、この町がソミソです。」
と、程よい倍率の航空写真の地図を出して、指を指しながら説明する。
「凄く精巧な地図なのね。空から地上を見るとこんなふうに見えるのかしら?」
ダルシャナは俺の話を聞いてるのか、聞いてないのかわからない。
興味が別の方向に向いてると、あまり役に立たない子みたいだ。
「ヒロはよく無事だったな。草原の中になんて放り出されたらホーンラビットに群がれて串刺しか、フィールドウルフの群れに遭遇するはずなんだが。」
そうなんだよな。異常繁殖って割には三匹しか会ってないんだよ。
気になるので当時の状況を詳しく話す。すると。
「それはたぶん、フィールドウルフの群れが周辺のホーンラビットを食い尽くして、移動した直後ね。
フィールドウルフの群れは、外周から内側に向かってホーンラビットを追い立てながら狩りをして移動するらしいわ。
これは開拓初期に、軍が斥候を出して行動範囲を調べたらしいわよ。
その位置なら多分、狩るだけ狩って外周の方へ戻っていったんじゃないかしら。」
当時の軍もまるっきり無能だったわけではないんだな。一方的にいいようにやられたような話になってるのは相手が悪かっただけか?
そして俺はどうやら転移時に、平原に偶然生まれた空白地帯に飛ばされたようだ。
まぁ、偶然なのか、女神様が狙ってやったのかはわからないが、狙ってやったのなら他の町にしてくれた方が良かったと、声を大にして言いたい。
伝わってバックパック取り上げられたら嫌だから言わないけど。
あ、思ったのが女神様に伝わるのもありそうで怖いから、もう考えないようにしよう。
別の質問をする。
「さっきのお話だと、この町の冒険者は自分たちにとって都合の良くない者を排除しているようですが、どうしてお二人はそんな町に態々来てるんですか?」
コレは単純に疑問だ。この町に女性冒険者が居たらホモたちにとっては邪魔だろう。
ホーンラビットを狩るのはホモじゃないといけない。
ノンケや女性冒険者が増えるとホモの支配体制が崩れる。
おお、こうやって言い方を変えると、ホモがまるで巨悪みたいだ。
この二人は巨悪に立ち向かうレジスタンスなのか?
「はぐれ狼を狩るためだ。はぐれを狩る冒険者を妨害してはいけないことになってる。ちょっと複雑な事情があってな・・・」
ってラジャスが説明してくれるので話をまとめると。
はぐれ狼は、フィールドウルフの群れのボス争いで負けた奴が、群れから出て1~3匹でグループを作って草原の内周部を彷徨うらしい。
はぐれ狼を狩るのはフィールドウルフの群れ的にはOKみたいだ。もう仲間扱いじゃないんだろうな。
この地域のフィールドウルフは毛皮がとんでもなく価値が高いのだそうだ。
潤沢な餌のお陰で、栄養豊富に育ったせいか毛並みが良く美しい。
そして開拓記のエピソードから、強さの象徴として人気がある。
更に、この地域のフィールドウルフが強すぎて数が出回らない。
ついでにこの世界の皮の加工技術が低く、経年劣化してしまう。
そんなわけで毛皮の需要は高い。
しかし、ボス争いをするような個体なのでかなり強い。
一流冒険者と言われたパーティでも、下手を打つと死者が出たりする。
まあ、はぐれ狼狩りで下手を打つようでは、一流の実力を持ってなかったと笑い話にされる程度には、確かな実力を持った者が戦えば狩れる相手ではあるそうだ。
但し一匹のみの出現時に限る。2体以上と戦うのは無理ゲーらしい。
集団で狩りをするのが本職の魔獣なので、複数個体のグループを見たら事前に察知して逃げるのが鉄則だとか。
一流冒険者と言われてても逆に狩られてしまうのは、はぐれ狼だけは積極的に人間を襲う。
群れでのボス争いに負けた腹いせなのか、強い者と戦って実力を上げたいのかはわからないが、とにかくはぐれ狼は例外で襲ってくる。
そしてタチが悪いのは、はぐれ狼側が先に冒険者が居るのを察知すると、釣り野伏みたいなことを仕掛けてくる。
一頭を囮にしてわざと苦戦し、伏兵に背後を突かせる。
別に、釣り野伏をしなくても2頭以上なら、一流だろうがなんだろうが冒険者では敵わない。
それなのにこんなことをするのは、2頭以上のグループだと気づかれると冒険者がガン逃げするから。
それを学習したのか、いつからかはぐれ狼は冒険者を確実に仕留める為だけに釣り野伏を始めた。
殺る気満々である。
だから、毛皮を獲れる本数が絞られ、もし獲れれば一攫千金としてこの周辺では名高い。
そんなハイリスクハイリターンなはぐれ狼狩りは一流冒険者にはあまり人気がない。
何故か?
危険だからってのもあるが、それ以上にここがホモの町だからだ。
ソッチの趣味ではない男性冒険者からは、この町は毛嫌いされてる。
そりゃそうだ。
一流の腕を持ってるんだ、態々こんな町に来なくても他でいくらでも金を稼げる。
そんなわけで、食い詰めた奴らが集団で狩って盛大に全滅したり、実力がまだ届いてないのに功名心にかけられて挑戦し、返り討ちに合う例は結構有るのだが、はぐれ狼を狩って帰ってこれる者はほとんどいないらしい。
しかし、そんなに貴重なものだと、どうしても欲しいと願う奴が居る。
だから一流の女性冒険者で、はぐれ狼が狩れる実力があると判断されると指名依頼が入っちゃうんだとか。
この町の冒険者にとっても、一流の冒険者ならホーンラビットなんて狩る価値が無いので競合しない。
それにはぐれ狼を狩る実力がある奴らに喧嘩を売るのも馬鹿らしい。
ギルド側からも、はぐれ狼を狩る依頼を持った者にホモ関連でのトラブルは許さないと警告が出てるらしい。それくらい、はぐれ狼を狩る奴はギルドにとって貴重みたいだ。
ギルドで絡んできたホモのおっさんが、あっさり引き下がったのはこの辺が理由なんだろうな。
そして女性であれば、普通の町よりも貞操の事はむしろ安全だ。
性欲が明後日の方向を向いてるからな。ある意味では治安が凄く良いんだよ。
そういった事情から、男性の冒険者よりも受けて貰える確率が上がるので、ソミソが誕生してからは高名な女性冒険者がこの国で誕生すると、一度は受けて欲しいと懇願される。
ラジャスたちもどうしても断れない筋から頼まれて、この街に来た。
「で、昨日到着して、報告のために並んでいたらヒロがぶつかってきたんだ。」
二人は反ホモのレジスタンスじゃなかった。チッ、その戦闘能力でホモを打ち払ってくれたらいいのに。
奇縁なのか。でも、こうして聞いてみると、出会いにホモが絡みすぎててなんかヤダ。
ホモが結んだ縁。嫌な響きだ、全力でぶん投げたくなる。
この縁を逃がすとホモに掘られるルートに入りそうで怖いので、そんなことはしないけど。
「それなら、今日この後ははぐれ狼を狩りに行くんですか?」
「いや、街と街を長距離移動した翌日は、どの冒険者も普通は休養日だ。移動は疲労が溜まるからな。
俺達は乗合馬車で来たんだが、同じ姿勢でジッとしてるから疲れるし、身体も凝る。今日は一日ゆっくりと休むのさ。
そんな訳で今日は戦わないからウイスキーを出してくれ。」
どんな訳?と思いつつもウイスキーを取り出すと、ラジャスはコークハイを作って飲みだす。
よくよく考えると、コイツの言われるがままにウイスキーを出す必要がまったくなかったのだが。
まあ、酒が入った方が円滑に話が進むとしたら、それもアリかと考えない事にする。
ラジャスとの会話が落ち着き、ラジャスが酒を飲み始めたので、黙って飴を舐めてたダルシャナが口を開く。
「そんな訳で、はぐれ狼を明日から狩る予定なんだけど、よかったらヒロも手伝ってみない?」
そんなことを笑顔で言い出す。
え?お前もいったいどんな訳でそんな事を俺に言うんだよ。
嫌だよ。殺る気漲って全力投球の危険生物の討伐が絡んだ依頼とか、関わりたくはない。
ブクマありがとうございます。この場をお借りして感謝を。
設定3と4がこうなると現在の位置では邪魔になるので、今後人気のない時間帯に一旦消して再投稿し、章末の方に移動させます。消さないで移動させれる方法とか有るんでしょうかね?
設定だけ冒頭の辺りに隔離させて置く処置を取るかもしれません。HDDクラッシュが怖くて予約投稿で待機してる設定5も邪魔くさい。
設定5が更新が止まって一ヶ月後に投稿されるようなら、私はもうこの世には居ないだろう。(縦読みすると犯人がわかるようにしておくか)




