月曜日がくるぞ!妄想全速、砲雷撃戦用意!
「わが君?」
連休最終日、そろそろ日も変わろうかという時間、フロから上がった俺はベッドの端に腰掛けて、ノートパソコンで営業会議の資料を作りながら、ため息をついていた。
「んー?」
気のない返事をして、カタカタとキーボードを叩く。
「ため息をつくと、幸せが逃げるそうですよ?」
隣に腰掛けて、パジャマ姿のローラがコテンと俺の肩に頭を載せる。
「逃げるほどの幸せは持って無えよ」
休日出勤が続いていた俺は、ついそう言って悪態をついた。
「もう……。またそんなことを」
キーボードを叩く左手を掴むと、ローラが自分の頬にそっと左手を押し付ける。柔らかい頬、ファサリと指に触れるプラチナブロンドの髪。
「私は幸せですよ?」
そう言って、俺の左手の人差し指にパクリと噛み付いた。
暖かな口内の粘膜と、人差し指をなめる舌の感触に違うものを想像して、俺の中でムクリとイタズラ心が目を覚ました。
「お仕事の邪魔をする悪いメイドは、コレが終わったらオシオキな?」
「では、もっと悪い子にならなくちゃ、いけませんね?」
そう言って腕の中にするりともぐり込むと、俺の膝の上に横座りして、腕を首に巻きつけてしなだれかかる。
シャンプーの香りのする髪を、甘える猫のように、俺の胸に頬をこすりつける。
「いけない子だ」
右腕で細い腰を抱きしめると、左手でおとがいを捕まえて上を向かせる。
潤んだ翡翠の瞳がまっすぐに俺を見返し、目を閉じた。
俺はそのままローラを押し倒し、キスする代わりに脇腹をくすぐる。
「や、わが君、ダメ、やああああ、だめですっ」
逃げようとするローラを押さえつけ、俺はこれでもかとローラをくすぐり続けた。
「お許しください、やっつ、ダメですだめだったらダメ!」
「ごめんなさいは?」
「ひっ、あああっつ、ご、ゴメンナサイ、ゴメンナっ、ひっ」
ジタバタしながら、なんとか逃れようとするローラを捕まえて、涙目になるまでくすぐりつづけた。
「はぁはあ、はっんっ」
ぐったりしながら、頬でを朱に染めて肩で息をするローラにキスして、俺はもう一度横抱きに膝の上に抱き直すと、資料を作り始める。
半べそになりながら、それでも俺の胸に頬をあてて甘える彼女のぬくもりを感じながら、時折手を止めて、くしゃくしゃになった髪を手櫛で梳いてやる。
「おしまい」
「オシマイ?」
「ああ、片付いた」
「ではもうおやすみなさいませ」
そう言って、ローラが俺の首に腕を絡め、グイとのしかかって俺を押し倒す。
「させるか!」
俺をくすぐろうとローラが手を伸ばした途端、両腕でギュッと抱きしめて体を入れ替えると、再度くすぐるフリをして指をワキワキワキと動かした。
「ひっ!」
小さく悲鳴を上げてぎゅっと目を閉じるローラに、優しくキスをして耳たぶを引っ張る。
涙目でローラが俺を見上げる。
「もうしない?」
「ああ、もうしない、お仕置きもオシマイ」
子供のような口調で拗ねたような顔をするローラの頬をそっと撫でて、俺は笑った。
「ありがとうな、ローラ」
「わが君の幸せが私の幸せです」
腕枕で胸に頬を寄せるローラがそう言って俺を抱きしめる。
「そっか」
「はい」
「じゃあ、ローラの幸せが逃げると困るから、俺もため息つかないようにしないとな」
「はい」
「おやすみ、ローラ」
「おやすみなさい、わが君」
もちろん、その後滅茶苦茶セックスした。