表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

林檎花火

作者: イカ

脈動する心臓大砲から打ち出された

煮えたぎる血液結晶 林檎が一つ


林檎は空に昇っていく

よろよろと緋色の軌跡を垂らしながら

絶えず働きかける絶対重力を遠くに振り切り

地平の果てまで覆われた闇の緞帳を斬り裂いて


そうして間もなく辿り着いた頂点にて

林檎は轟音で爆発する


  同心円状に破裂する果肉

  一等星も霞む果汁飛沫の輝き

  噴き出た化学的緑炎は一層燃え上がり

  花火の残滓が地べたを這いずる蟻共を焼き殺す

  

それは一瞬だった

月の消えた夜空 誰もいない河川敷で

ひっそりと終える 林檎の復讐

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ