四十三話 その後ーー
月が一つの屋敷を照らし、警報がなり響く。従者が走り周り侵入者を探す。
「屋敷主さま!! 奴です!!」
「奴? まさか、気球のときの!!」
ここはいつぞや、アンが侵入した屋敷だった。金庫は既に相手おり中にあった宝石などは既にない。
「あれだけの量だ!! すぐに見つかるはずだ!!」
「隊長!! 屋根の上を!!」
一人の銃を持った兵が上を指差す。月明かりで赤い髪をした女性が姿を現す。
「いたぞ!!捕まえろ!!」
「もう、逃げ場はないぞ!!」
女性は逃げる素振りもせず、首飾りを軽く触り。
「じゃあね?」
そうつぶやいて、姿が忽然と消えた。まるで瞬間い移動したかのように消えた女性に誰もが驚いていると、遠くの方から警察のサイレンが近づくのだった。
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「よし、察には連絡しておいた。後は金庫にあった宝石を届けるだけだな」
「今からいった方がいい?」
幸運亭の部屋について、黒コートを脱いでくつろぐ。元の世界で父さんの墓まいりをした後、私は独立しこうして今も便利屋をしていた。
「いや、転送すればわざわざ行かなくてもいいぞ、ただ。突然宝石やらが出てきたら、驚くだろうがな」
「まぁ、そのくらいいいさ」
端末から首飾りに写った相棒と話ていると、扉が開いた。
「アンさん、お疲れさまです!!」
長い赤髪をした、綺麗な少女。ルナが入る、やっぱり女の子は成長が早く数ヶ月になってここまで成長するとは・・・
返事を返し、彼女の手にある手紙をみる。封蝋をされていてこれがなんなのかすぐに予想がついた。
「もしかして・・・」
「はい、お城からの依頼です!!」
やっぱりか・・・ ため息をつきながら手紙を受け取り、コートを来て下に降りる。ランドが食事をつくり、ティムが挨拶をする。
そういえば、この間告白したって聞いたけど・・・聞くのは後にしよう。
外に出て見送られて城に向かう。後ろを向いて青い建物にはもう一つ看板が出ていた。
「便利屋 なんでもご相談!!」
そう、元に世界だけでなく。ここでも仕事をし始めた。時々町の人から依頼がきたこなし、依頼料はその時次第でもらう。
「お?」
建物に入るルナとティム。気づけば二人は手を繋いでいて。どうやら上手くやれているようだった。
「さてと、遅れたら怖いしね」
早く歩きながら手紙を読み、城に向かう。今回も忙しそうだ・・・
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「襲い」
一発目にきついお言葉をもらい、気分が下がる。ティアとスノウは玉座に座り、傍にはファイとテールがいた。
今は何度か一に依頼をする事があって、それなりに顔を合わせている
「すみません・・・」
「まぁいい、時間はない。今回は・・・」
気まずい上司と会話する気分になるも、話しをしっかり聞く。今回は帝国の方で怪しい動きがあるから見てこいとこ事だった。
「分かりました、それでは・・・」
「あそうでした。本の続きがあるので急いで帰ってきてくださいね? でないと・・・貴方をとんでもない人のように書きますので」
「ワカリマシタ」
スノウの方は、私の旅の本を書いたあとも。仕事での話について聞きいて、それを元に執筆している。
ちなみに、もし約束等を忘れた時なんかには。今のように脅迫されている。
(本の中で、私が男なのは変更されず。えらい事書かれたり)
これは急いで行かないと、外をおちおち歩けない!! 謁見の間を離れ、空いた窓から飛び降り、黄い翼を出し飛ぶ。
「さぁて、早く終わらせようぜ、アン」
「そうだね、パルト」
どこまでも広がる空を駆け、帝国に向かったーー
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二つの世界を走る便利屋はやがて全ての人が知る人となり、彼女に憧れて同じ事をやる者が増えて行く。
これは、かつて世界を創ったエルフのたった一人の生き残りが生きた物語
もしかしたら、貴方を必要としている人が。目の前に現れた時ーー
貴方はどうしますか?