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便利屋の異世界出張!!  作者: 未来
六部 銀の王女
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三十九話  急転


 「報告します!!」


 一人の兵が、ティアの前で膝をつき伝える。現在はパーティーがあった広場ではなく会議部屋におり、その場にいる重役達はそのままの衣装だった。王女を除いては。


 「そうか、ファイとテールがやられたか・・・」


 あたりが騒然とし、動揺が広がる。何しろ賊の正体も数も分からず、しかも国宝である魔法具を装備した騎士が短時間で二人もやられている。前代未聞の事態に緊張が大きく高まる。


 「静めれ!! ・・・おまえ達は避難を、ネロ。私についてこい・・・」


 大臣が止めようとするが、すぐさま部屋を出る二人。


 「どうやら、私もでないとならないようだ・・・」

 

 白い杖にマナを溜め込め、ネロも背にある大剣をいつでも抜けるように警戒し進んだ。


                   ▲


 「・・・さて、どうしようかな?」


 適当に入った部屋の床に座り、端末を見る。二人目の騎士を倒してから数時間が立ち、体力の回復を待ってそろそろ行動を行う。


 「・・・なぁ、今更なんだが」

 「ん?」

 「俺らって・・・完全に悪党だよな、してること?」


 ぐっ!! それを今言うんかい!! 騎士二人倒して潜入してし、しかも指名手配だし・・・


 「まぁ、いいさ!! 元の世界に戻ればチャラだよ・・・多分」

 「便利屋が、犯罪者になりやがって」

 「仕方ないでしょうが!! 流れってのがあるんだから!!」

 「あの・・・」

 「うるさいわね、今こいつと・・・」


 小さな声に声を止める。今のはパルトから聞こえた物でもない、なら・・・?


 「ここ、私の部屋なんですけど・・・」


 ドレスを着た、銀髪で小さな子がドアを静かに開けて私を見ていた。


 「すまん、気づかなかった・・・」

 「もう!! しっかりしてよ!!」


 ここで騒がれたら、後が面倒だ・・・こんな小さな子に銃は使いたくないし・・・


 「もしかして、噂の人なんですか?」


 女の子は声を上げて誰かを呼ばず、それどころかドアを閉めて入ってくる。早歩きで私を通り過ぎて、一冊の本を出す。


 「赤き救世主」


 タイトルはそう記入されており、私に差し出して


 「私、これの続きが描きたいんです・・・よかったら、お話してくれませんか?」

 

 「どうゆう事?」

 「あぁ、そうか・・・相棒。この嬢ちゃんが地下で話した本の作者だ。まさかお姫様だったとはな」


 私より先に察したパルトが言うと、女の子は笑顔で私の持つ端末をまじまじと見始める。


 「うわっ!! これが、独りでにお話する箱なのですね? 話し程度でしか知らなかったのですが、こうやってみると驚きです!! 」

 「ねぇ、私を男にして書いたのって貴方?」


 質問に首を軽く縦にふり、すかさず頭にチョップを入れた。


 べしっ!!


 「あ、あいた!!」

 「誰が、女たらしよ~?」


 頭を掴んで、グリグリと抑えると暴れる出しながら


 「だ、だって!! その方がかっこいいと思って!!」

 「その歪んだ感性、、修復してやる!!」


 その後暫らくして、本の内容の修正を約束させて。グリグリから解放してあげた。あんな本が世に出るなんて、恥よ。


 「・・・おい、誰かここにくるぞ?」


 端末に反応が出て、急いでバルコニーに出て隠れる。彼女に口封じする暇もなく扉が開かれた。


 「スノウ、何を騒いでいる?」

 「ね、ねぇさま・・・」


 入って来たのは、銀の髪をした。オオトカゲのでいで山火事の犯人にされた時にいた女性だった。


 「・・・おまえもこい。それから・・・私は広間で待っているぞ」


 !? 二人は部屋から出ていき、完全に無人になった部屋に戻る。今のって・・・


 「誘われているな、どうする?」

 「それは・・・」


 罠かもしれないけど、行かない訳にはねぇ? 

 端末に映る、白のオーブの大きな反応を見て、扉を開いたーー


               ▲

 

 つい数時間程前まで、賑やかだった広間には三人の人間しかいない。


 二人の銀の髪を持つ女性と、青髪をもち大剣を持つ騎士だ。


 「ネロ、奴が来ても攻撃はするな」

 「仰せのままに・・・」


 王女の命令に腰を折る。一方でスノウは状況が分かっておらずオロオロするだけだ。


 「あの、姉さま」

 「静かにしろ、どうやら来たようだ」


 広間の扉が開かれる。現在来客等は避難しており、兵達は消火活動やけが人の救護でいない、ならーー


 「なんだか、寂しいね・・・こんなに広いのにさ?」 

 

 一切の変装をせず、黒のコートを羽織った異世界の便利屋が入る。


 「余計な者が入るとうるさくてな」


 ティアが近づき、杖で床を叩き コツン コツン と音が鳴る。

 

 「後ろにも、いるじゃんか?」


 「あれは保険だ」


 互に、何故か久しくあった友人のように会話し接近して行き


 二人は中央で対峙した。


 「やはり目的は、この杖か?」

 「まぁ、そうだけど・・・くれないかな?」

 「貴様が大人しく牢に入ればな」


 白杖から光が生まれ、アン達にも異変が起こる。彼女達に共通する銀髪が光始めた。


 「これは太古の世界から伝わる秘宝。あらゆる魔法具の元になり、それらはエルフの者しか使えない。このガイストでは、王族の者は全てエルフに関わる者だ使う事が可能だが、貴様はなんだ? どうして、王族の・・・エルフの力を有している?」

 「残念だけど、それは私が一番知りたい事よ」


 これ以上の話しは無駄と 二人は理解したのかいきなりぶつかる


 ガン!! 



 銃身で杖を防ぎ、互に顔をつかずけ睨みあう。少しの静寂の後、二人は離れた、アンが引き金をうち、麻酔弾を放つが。ティアは杖のマナを出し見えない障壁をだし防御する。


 「地味に厄介ね、それ・・・」

 

 銃の攻撃をやめ、冷気の鎖鎌を投げる。刃は再び障壁で防がれるが、目の前ににアンはいない。


 「上か」


 短くつぶやくと、もう片方の刃をシャンデリアに引っ掛けて、頭上から炎の弓矢を放つ。

 今度は杖の力を使わず、走って回避する。炎の矢は床に刺さりあたりに燃え始める。


 「私の城を燃やすな」


 突然、室内なのに雨が降り始める。すぐさま沈下し、あたりが湿る。


 「なるほど、それであの時雨が降ったのか・・・」


 何か納得したように、つぶやく。王女は濡れ髪など気にせずアンを見つめた。


 「そういえば、あの時のことは済まなかったな・・・だが、これとそれは違うぞ。覚悟してもらおう」


 再び杖を構え、アンは今度は黒い剣を出し相対した。


 「中々、使いこなせているじゃないか」


 突然、一人の男が・・・さっきまで見守っていたネロが大剣を持ち二人の間に入るのだった。


                 ▲

 

 「何? そこ邪魔なんだけど?」


 青髪の男が、なんだが知らないけど割り込んでくる。二対一か・・・


 「いや、何・・・せっかくオーブが全てここに揃ったんだ。何も戦う必要はないと思ってさ、アン」

 「!? どうゆう事!?」 

 「どうも、こうも・・・父上の仕事を・・・いや。私の手伝いをしてくれた事についてだよ、アン」


 どこかで聞いた事のあるような口調・・・まさか!!


 「E・・・」

 「そうさ、いや。最近連絡をせずにすまない。何しろ、準備があって・・・」

 「ネロ、どうゆう事だ?」


 厳し目で、奴をみて杖を構える。男は特に気にした様子もなく話しを続ける。


 「何、簡単な話しですよ。王女・・・いや試作品。貴方達の用な作り物のエルフでは、オーブの回収かできない。だから、本当の血を持つエルフ彼女を呼んだけだ」


 作り物 試作品 訳がわかない事を良い、杖を持つ彼女が震え出す。


 「な、何の事だ・・・」

 「知らないのも当然だ、貴様らは人間の監視の為に造られたのだが、システムが作動せず、余計な自我が生まれた。バグだ」


 剣を構え、彼女に向ける。マズイ!! 


 「やめろ!! 」


 接近し黒剣で攻撃しようとするが、突然手から武器の感触が消えた。


 「え・・・?」

 「これは返してもらおうか・・・それと。ほかのも全てだ」

 

 端末から突然 赤 黄 青 それらのオーブが勝手に出て着た奴の手に収まって行く。  

 

 「な、何が・・・パルト!!」

 「わかんねぇ、突然勝手に動き始やがった!!」  

 「何、以来ぶつを返してもらっただけさ・・・さて、最後の一つを」


 呆然とする彼女に手を伸ばす、このままじゃ!!


 「やめて!!」

 「邪魔をするな!!」


 あの小さな女の子が、前に出て止めに入ろうとするが二人とも吹き飛ばされる。そして、白い杖をつかみ。白いオーブが出て着た。


 「これで、全て揃った・・・後は扉を開けるだけだ」


 そうつぶやき、もはや正確が豹変しや青の騎士は私の方を向く。


 「真実が知りたければ、古の扉まで来るがいい・・・最後のエルフよ」


 そう言葉を残し、奴は金の光に包まれた。姿を消した。


 突然の出来事で、何も考えきれなかった私だけど


 後に、この世界と自分について大きな事につながるなんて。


 この時は予想なんてしていなかった。

 

  

 


 

 

 

   


 

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