三十二話 雪の少女
澄み切った青空。全身を防風装備で固めメガネを装備して、整っていない山道を歩くたび吐いた息が白くなる。
「さ、寒い・・・防寒着てるのに・・・全然防げてないよ?」
「知るか、着方間違えたんだろうが」
軽くあしらわれて、手に持つ杖で地面を強く刺しながら進む。ブーツが雪を踏む音がし足跡がくっきりと残る。
始めて登る雪山で最初は気分が上がっていたけど、歩き続けて疲れ嫌になる。
「空からだと強風で飛ばされる、バイクはこんな道じゃダメ・・・これじゃ随分かかるわねぇ・・・」
食料や水。物などは問題ないけど。肝心なのは雪崩やブリザードと行った障害だ、オーブが頂上にあるためこれは長期戦を覚悟していかないと・・・
端末を見て、今いる山の頂上に描かれている青いオーブと現在の場所を確認しつつ登る。
「なぁ、そういえば・・・この山出る見たいだな?」
レンズの中でパルトが、白い着物を来て「うらめいしや~」と言いながら左右に動く。正直このAIはどこか人間臭く、本当は誰かが操作してんじゃない? と思えてきた。
「出るって・・・あぁ、麓の村の?」
パルトを言った言葉で、この山を登るまえに情報を集めていた時の話しを思い出す
○
「あんた、あそこを登るのかい!?」
店の中で人が良さそうで、厚着をしているおばさんが声私を見て声を上げる。後ろでも旦那さんらしき男がオロオロしていた。
「やめときなさいよ!! あんた、まだ若いんだから!!」
肩を強く掴まれて揺さぶられる。あ、頭が!! やめて!!
「あの山はね、呪われているのよ!! 随分前に雪崩が起きて何人も死んでしまったのよ!! しかも、登った人によると、変な音と一緒に空が輝いた時に・・・幽霊が・・・」
「おいおい、おめ・・・その子、聞いてないぞ?」
目を回しながら解放され、直ぐに逃げ出した。危うく登る前に生きている人間に殺されかけ今に至る。
「空が輝いた時に幽霊か・・・なぁ、本当にいるのか?」
「さあ・・・一応異世界出し、出るのかな? ドラゴンとかいたし」
テントを張り、中で寝袋に包まれてながら携帯食を食べる。一応、銃も取り出せるように準備をする。
「なぁ、元に世界でそんなのとか出くわしたっけ?」
「いや、ないと思うけど・・・どれは、そっちが記録してくれてるんだから、わ私に聞かないでよ? Aiなんだから全部覚えてる癖に・・・」
「いや、相棒。確かに俺はAIだけどな忘れるって事は必要だぜ?」
? どうゆう事か詳しく聞こうとするが、話しは続かない。
チリン
何かの音が・・・聞いた事のある音を聞いて銃を持ち外に出る。近くには魔獣の姿も騎士や兵の姿は無かったけど・・・
「綺麗・・・」
七色の光が空に出てか輝く。寒さを忘れる程に目が奪われるぐらい綺麗な景色で銃を降ろす。
「光って、もしかしてこのオーロラの事か?」
「・・・綺麗、っ!!」
チン チリン
また何か音が鳴る。辺りを警戒するが誰もいない。パルトも反応はないと答え今度は緊張で体が固まる。もしかして・・・
「マジで出た、のか?」
サク サク
後ろから足音が聞こえる。いつの間に周りこまれた!! 後ろを振り向いて銃を構えるとーーー
「あの、何をしているのでしょうか?」
空色に近く長い髪をし、背が低く
「?」
首をかしげ、白い肌をした。
「お、女の、子?」
手に何かを持ち、白い服を着た女の子だった。
「・・・誰?」
不思議そうに私を見て首をかしげる。その動作だけでも可愛いいけど、こんなところに一人でいるなんて・・・まさか雪女?
「ここ危険だよ? アイツ等が来る・・・」
あいつら? 突然眼鏡から電子音がなり、赤い○が幾つか近づいてくる。
「こっち・・・」
女の子は私の服を掴んで走る。振り払う事もできたけど、今は何かが近づいてくるため言う通りに走る。
やがて、横穴まで辿りついて影から外の様子を見ると、鳥? が近づく。
ヘレルバード
サイズ 中
ランク B
口からあられのように、氷解を出し攻撃をする。集団で行動し縄張りを侵入したものを排除する。
ワシの体に氷がくっついた生き物はテントをあらす。寝袋が無残に破かれ、使い物にならないまで徹底的に破壊する。
「もし、見つかってたら。あなた死んでたわ」
隣りで呟く女の子。何故か彼女から冷たい風以上の寒さが感じた少し距離を置いてお礼を言う。彼女は「気にしないで、人が死ぬのは嫌だから」と無表情で答えて穴の奥に進んでい行く。どうしようかと悩んだけど、せっかくだしついて行き穴の奥へ歩く。
「・・・暗いな」
眼鏡の端から光が出て、端末からライトを出し進む。すると松明の光が見て彼女の住んでいるところなのか、椅子等生活に使う物が置かれた空間に出た。
「・・・まぁ、狭いけど。どうぞ」
椅子を出され座る。洞窟内に吹く風の音が気味悪いが贅沢は言ってられない。外のは鳥の魔獣がいるから、暫らくここで身を隠す必要がある。一応彼女の名前を尋ねると・・・
「私? イースだけど」
答えてくれた彼女に私の名前を伝え、彼女は興味なさそうに手元を見る。赤い棒にいくつもの鈴がついた、神社にいる巫女が持つ巫女鈴だった。
「それ、どうしたの?」
コミニュケーションを図ろうとしても、返事は帰ってこない。最初から思ったけど、感情表現が出来ない見たいこの子・・・
無理に話しをしても虚しいだけと判断して、端末を出しマップを出す。ここは山の中間付近らしく、頂上までまだ先だ。おまけに今から天候が荒れる見たいで魔獣がいなくてもここから出ることはできないようだ。
「むしろここにいたほうが、まだ安全か・・・」
「何、それ?」
何時の間にか近づいてきたイーズ。前に端末を盗られたこともあり警戒してしまう。
「始めましてだな、俺はこいつの相棒のパルトってやつだ。まぁよろしくな?」
画面から可愛くない猫が手を振り挨拶する。コイツはもう・・・
「猫・・・可愛くない」
残念そうに肩を落とす。どうやら私と同じ感性みたいで安心した。パルトは抗議を言ってくるが無視して、食料等を取り出し渡す。
「とりあえず、仲よくしょうか?」
防寒防止を取り、銀の髪を出し手を差し伸べた。