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便利屋の異世界出張!!  作者: 未来
四部 国境の砦
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二十七話 火と煙


 「ふふふ、覚えてくれたんですね? 嬉しいですよ」


 怪しく笑顔で近づく。控えていた兵士を下がらせ二人になると


 「さぁ、こちらにどうぞ」

 「え、ちょ!!」


 いきなり肩に手を回され、椅子に座らされ頭に触れてきた。振り払う前に、マーレにウィッグを外されてた。


 「・・・やはり、髪はとても綺麗です・・・こんなので隠さなくてもよろしいのでは?」

 「変に目立つのは嫌なのよ」

 

 結局ウィッグを返さず、彼は私から背を向けて窓の方を向く。


 「あの時、貴方とであってからずっと探していたのですよ? 私が退散した後あの神殿をに入り、火山島では随分と活躍したみたいで?」


 なんで私の行動を知っているの? 本当はストーカーなの!? 怖っ!!


 「そんな顔しなくても、噂になっているのですよ? 赤い髪の女が暴れている ってね?」

 「そんな噂があったなんて・・・」


 もう次から赤はやめよう。そう考えていたらいきなり私に近づいて手を強く握ってきた。


 「貴方の行動はとても気になりますが、それよりも。こうして再会できた事を祝いましょう」

 「いやいや、どうしてそうなるの!?」


 戸棚から瓶とグラスを取り出す。その姿はまるで誕生日を祝ってもらえる子共のようだった。

 ダメだ、私の話しを全く聞いてない・・・今ならやれるかな?

 

 「あぁ、ここから逃げようとしても私が全力で追いかけますので、無駄ですよ」


 釘を刺されてしまう。しかもストーカー宣言されてしまう。もはや最初にあった紳士の姿はない。


 「さて、これは貴方と再会した時にとっておいた物で・・・あぁだめだ!!」


 瓶を一口飲んで、いきなり抱きついてきた!! 


 「くっ!!」


 そんでもって顔を近づけてきて、これは完全に口移しをしてくる!!


 「やめろ!! この変態!!」

 

 抵抗するけど、振り払えない。そして顔を近づけてーー


 バァン!!


 爆発が起こる。その衝撃で口に含んだ物を引っ掛けたか、むせる。その隙にーー


 「おりやぁ!!」


 ボコ!! みぞおちに一撃。鈍い音がしたが、危うくファーストを奪われる所だったのでこいつが悪い。


 「爆破だ!!」 

 「火を消せ!!」

 「くそ、将軍に報告だ!!」


 こっちに向かってくる足音が聞こえる。窓を見てすぐに走り出し突き破って外に出た。


                  ▲

 

 「急いでほかも爆発させてかく乱するんだ!!」

 「増援を呼ばれる前に抑えるぞ!!」


 ローブを着て武器を装備した集団が砦に入る。


 「ボス!! 前に出過ぎです!!」

 「黙ってろ!! ・・・頼む無事でいてくれよ・・・」


 何かを案じているのか、落ち着きなく部下の静止を聞かず砦に入ろうとすると


 パリン


 頭上から音がし、慌てて下がると。目の前に銀何かが見え落ちて来た。


 「お、おまえは・・・」


                 ▲


 雨で柔らかくなった土のおかげて怪我もなく着地できた。そばで声が聞こえ顔をあげるとフードを被った誰かが立っていた。


 「ま、待ってくれ!! 俺は!!」


 フードを外し、いつかあった赤髪の男が素顔を出してきた。なんでここにいるのか疑問に思ったけど、また後ろから爆発が聞こえた。


 「ボス!! 連れて行かれたやつらは出した!! 逃げよう!!」

 「君もこい!!」


 いきなり腕を掴まれるが、まだあそこには端末が、パルトを置いて行くには!!


 「くそ、援軍がくるぞ!!」


 砦の先から、かなりの数の軍の影が見える。今から砦に行けば逃げる事が難しくなる、だからーー


 「・・・ごめん、必ず助けに行くから!!」


 振り向いて砦を見て、彼らの後をついて行く。雨に濡れながら私は相棒を必ず助けるのを近い離れた。

  

               ▲


 「伝令!! 国境の砦にて動きがあった模様」


 青い鎧を着た王国兵が、テールに報告して。窓からは火と煙が見える。


 「一体何が起こった!?」

 「それが、偵察に行ったものによると反逆者どもが起こしたようで・・・」


 反逆者


 どの国の勢力に入らず、独自に組織された謎に包まれた存在。二つの国に被害を与えれば、時にはその逆を行う事があった。


 「あらに、気になる事がありまして・・・どうやら反逆者の中に礼の銀髪の女がいたそうです」


 その報告を聞き、テールは目を大きく開き燃える砦を見つめるのだった。

 

  

 

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