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便利屋の異世界出張!!  作者: 未来
三部 火の山
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二十二話 二人のであった日 前日

 「いやぁ~今回の魔獣もやばかったわねパルト?」

 「……おい、それだけか言うのは?」


 戦場跡。


 それが似合う程、森は悲惨になっていた。木々が皆倒れ、炎の煙が上空に上がる。


 「すみません、やりすぎました……」

 

 島の環境を破壊してしまい、住人たちにどう言い訳するか考えていると。木の影からレンが這いずって出て来る。


 「はぁ、あぁははは……」


 目はうつろになっていて、口から力なく声を出していた。


 「おい……これまずいんじゃねぇか?」


 一応身体を検査し、どこも大した怪我はしていないが問題は精神。頭を強く打ちさらに、魔獣に囲まれ、戦争に巻き込まれればそうなるよね……


 「おい、このまま島の奴にバレたらマズイから……」

 

 相棒の指示に従い、暫らくすると強烈な光が生まれた。


                ○


 「アン、すまないて……レンが起こした事とは言え、魔獣達から助けてもらって……」


 只今、リーダーに事の顛末を話しレンをベッドに寝かした後、外に出て歩いている。


 「いえ……まさかあんなことになるなんて……」

 「まぁ、ドラゴンが襲ってきたんだ、二人が無事で本当に良かったよ」


 嘘ついてすみません……けど、これ以上本当に面倒起こしたくはないんです!!


 「その……本当にありがとう」


 深く頭を下げられ、良心が痛む。なんとか頭を上げてもらい話しを無理やり切り替えた。


 「そ、そういえばレンは、リーダーさんの事かなり信頼してるようですね?」

 「あぁ……まぁ、一応はあいつの保護者変わりだからな?」


 そう言うとリーダーはバンダナを取り、黄色の短髪が出てかきむしる。


 「数年前になるが、この島がまだ平和だった時。観光に来た者がーー捨てていったんだ」

 

 捨てた!? それってどうゆう……


 「驚いたよ……村の隅で泣いていたレンを見たときの事は今でも忘れない……何しろ泣いてばかりでどうしたらいいのか……家族を探そうにも既に船は島から出てしまい、誰もアイツを向かいに来なかった……そして気がついたら明日がレンがここに来て七年目になる日だよ」


 ため息を吐いて、視線を空に向ける。今の彼の表情からはどこかで見たような……そう。元に世界で父さんがそんな顔をしていたのを思い出した。


 「父親みたい、ですね……」

 「まぁな……これでもまだ十九だが……明日で二十で、やっと大人だな。けどな、やっぱ生きてる内に外の世界を見てみたい、そのためにもあのドラゴンをどうにかしないとな?」


 私に向けて笑を出し、歩き出す。私も彼の横に沿って歩く。


 「最初、あんたを見たときなんだがな……もしかしたら、レンの家族じゃないかと思ってたんだ」

 「え?」


 リーダーが私を、正確には赤いつけ毛を見て話ていた。確かにあの子も赤い髪だけど、人の者を盗む妹なんて嫌だな~


 「けど、なんだかその……雰囲気とか色色違うし……話てみて分かったよ」

 

 肩を落として、ため息をつく。やっぱり、この人。まだあの子の親を……


 「あぁ、ごめんな? 変な話ししてな? もう家に戻ろうか?」


 その提案を受け入れ、二人で家に引き返す。先に寝るように言われ部屋に戻る。


 「……あの子も捨て子なんだ……」


 似てる。神殿にいたテレと言いレンも……そして


 「私も同じだ……」


 場所は違うけど、子共のとき一人でいた。なんだろこれ? 偶然とは思えない。


 「……!!」


 ん? 何か声が聞こえ、そっと部屋を出る。居間の方でリーダー達が何かを話ていた。


 「だから、これ以上黙ってられるか!!」

 「そうだ!! もう一年もなるんだぞ!! いい加減あのドラゴンを!!」

 「落ち着け!!」


 一部の人は怒りで顔を赤くし、今にでも飛びかかりそうだった。もう既に村の人……特に外から連れてこられた人が中心で騒ぎを起こす。

 これ以上はもう抑えきれないだろうと思いつつ、自分の部屋に戻る。

 

 「で、どうするよ?」

 「まぁ、元の原因を始末しないと問題は解決しそうになさそうだし。海の魔獣も既にいないと思うから」


 後は明日にしよう と伝え高性能のヘッドホンをして音楽を流し床についた。


                  ▲


 「あれ?」


 ベッドから起き、窓を見たら外は暗くなっていた。アレ? アタシは一体…… 今日の事を思い出そうとするけど、思い出せない。

 傍に置いてある棒ーーの上下を引っ張り中にある土色をした笛を取り出した。 

 吹こうかと思ったが、こんな夜中にやったら前に怒られたのを思い出しやめる。


 ん? 何か声がして、ゆっくり下に降りると声がーー


 「だから、もう俺らは嫌なんだ!!」

 「こんな島にいるのは!!」

 

 っ!! 聞き覚えのある声。外から来た人達のだ…… もっと話しを聞く為に近づくと


 「あのドラゴンを倒そう!! でないといつまでもここにいる事になる!!」

 「だが、今の戦力で勝てるわけないだろう!?」

 「大丈夫だ……勝算はある……」


 勝算? リーダーがそれが何か? と聞くけど。その人は答えない。代わり勝算を言った人の周りにいる人が、今からでも倒しに行こう と叫ぶ。


 「嫌だ……」


 なんだかここにいるのが怖くなり、部屋に戻る。なんでだろ? 今まであった物が壊れそうでとても嫌だ……


 体の震えが止まらない。今さっきのやりとりだけじゃない。何か……何か別のが……?


 断片的だけど、浜辺でなにか見てそのあと……花?


 「っ!! 」


 頭が痛い!! 


 「っ!!! ?」


 頭痛がした中。頭の中で何かが映った。


 見覚えがある山。そこの中に、大分先にある洞窟に変な扉があって……これは


 「火山……?」


 いつも見慣れた、ドラゴンの住みかである火山がなんで頭の中に見えてたのか気になり、気づけばアタシは窓を開けていた。


                 

   


 



  

 

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