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便利屋の異世界出張!!  作者: 未来
二部 大地の神殿
19/45

十七話 激戦、太古の亀!!  そして、別れ

 

 ドスン!! ドスン!!


 赤い目をし、明らかな敵意を持ち大きな足音を立てて来る巨大亀。ハンドガンを何発も打ち込むが、茶色の皮膚から血は流れない。


 「だったら!!」


 入り口の方に走り一端部屋から出る。そしてRPGラケットランチャーを構え放ち

爆発が巨大な部屋で起こり、少なからず爆風がこっちにも来る。

 ……けど、これなら!!


 「残念だけど、相棒。ダメージは入ってないみたいだぜ?」

 「はぁ? どうゆう事?」


 突然レンズにさっきの巨大亀が写しだされる。


 エンシェント・タートル


 サイズ 大

 ランク S

  

 神殿を守護する魔獣の長。

 全身が強固な皮膚で、甲羅はこの世で希少で最強の鉄「オリハルコン」でできている。


 ランクS!? 何それ!? 最強ってAじゃなかったの!? しかもオリハルコンって……亀の癖に!!

 

 煙が消え、再び地響きが起こり奴が無傷で出て来る。RPGだけでなく、あらゆる爆薬を奴にぶち込み大爆発が起こるが、奴は一歩も引かず近づいてきた。

 くっ!! あんだけ火気ぶち込んだのに……だったら!!

 使い終わったバズーカを捨て、折りたたみチェーンソーを出し走る。奴は歩くのをやめて大きな音を立てて息を吸い込む。そして、その光景はつい最近、同じような物を見ていた。


 「まずい!! ブレスだ!!」


 そんなの分かってる!! 腰から黒い吸盤がついた銃を取り出し、壁に向けて撃ち上に飛ぶ。

 その時、エンシェント・タートル……亀は首を伸ばし口から岩石をガトリングのように吐き出した。

 吸盤の銃で亀の真上に飛んで、刃を下に突き立て狙うのは……首。


 「はぁぁぁぁ!!!!!!!」


 チェーンソーの高速する刃が硬い皮膚とぶつかり、火花が飛び散る。


 ジィィィィ!!!!!


 首を切ろうと全力で力を込めるがビクともしない!!


 グアァ!!


 首を激しく動かし、抵抗され振り落とさる。その際、眼鏡が割れ、端末とチェーンソーが離れてしまい武器が出せない!!

 奴はまた大きく息を吸って、すぐに口を開き岩の嵐が襲いかかる!! くっ!!もう避ける事ができずにいたーー

 

 その時、黒い光が私を包こみ。岩の嵐が黒の膜に触れた瞬間消えた。


 「……え?」


 いきなりの事で呆然としていると、目の前に黒のオーブが突然出てきた。宙に浮かんだ黒オーブはまた光を出し、気がついたら……


 「剣?」


 そう、何故か漆黒の剣を手にしていたのだった。なんでそうなったのか疑問に思ったが、亀は私に再び迫り来る。

 私は剣を強く握り、まっすぐ奴を見る。なぜだかこの剣からとてつもなく力がみなぎり、さっきまで苦戦していたはずのアイツを怖がってなかった。


 できる……私なら!! 


 剣を頭の上にかかげ、力強く古代の亀に向い振るう。


 一閃。


 黒い刃からでた光が、縦にまっすぐ進み。どんなに火気を使っても、首を高速する刃でもきれなかったのにーー


 エンシェント・タートルは体を縦に二つに分かれ、絶命した。


 「終わった……」


 体から力が抜け、その場に座り込む。すると漆黒の剣も光を出し消えた。


 「おい!! 大丈夫か!!」

 

 すぐ傍に落ちてい端末からパルトの声がし、よつんばになって動いて拾う。大丈夫、壊れてない見たい。


 「一体なんだったんだ、あの剣?」


 それは、私にも分から無い。黒いオーブにあんな力があるなんて知らなかったし、それに危うく殺される所だったから考える余裕は無かった。

 改めてエンシェン……亀でいいか。亀を見ると中から何かかでき来る。緑に輝いて傷もないオーブが……

 

 ふらつく体を何とか起して、亀の死体に近づき緑のオーブを手にした。

 

 「まずは……一つ目!!」

 「おめでとさん」 


 苦労して手に入れたオーブを握りしめ、暫らく相棒と共に喜びを分かち合うのだった。


                ○

    

  「うわっ!! 暗っ!!」


 神殿から出ると、既に日が暮れて夜になろうとしていた。まる半日以上の冒険で疲れ、とにかく眠い。


 「アンさん!!」


 近くから声し、こっちにテレや村長、村の人が近づいてきた。手を上げて返事を返し、近づく。


 

 「ほう……これが緑のオーブ……」


 村長の家に戻り、湯浴みをして食事をし手に入れた緑のオーブを見せる。テレやカイも真剣に見るが、何故かオーブは光ってない。


 「それに神殿の奥にはそのような物が……むやみに立ち入る物ではないな。さて今日はもう疲れたでしょう……もう休まれなさい……」


 村長の気遣いを受け、重い体を何とか動かし二階のベッドにダイブしそのまま眠りについた。       


                    ▲               

 

 「眠ってる……」


 客室で眠むりに入ったアンさんを見て、隣にいるカイに伝える。もし起きてたら、あの話しをしようかなって思ってたんだけど、明日でいいよね?


 「その……いいのか? テレ? 」

 

 カイが顔を合わせず、何か聞いてくる。彼が何が言いたいのか、分かっている。


 「何言ってるのよ……」


 私はカイの顔を手で支え、視線を合わせる。昔もこうやって目を無理やり合わせた事を思い出し、笑いながら


 「これは、私が決めた事だから……そんな顔はしないでよ?」


 カイにそう言い、アンさんの眠りを邪魔する訳にはいかないので部屋から静かに出る。

 あの人が遺跡に言っている間、村長……いや。おじいちゃんから全てを聞かされた事を思い出しつつ、二人で私の部屋に入る。


                ○


 「テレ……今から言う事で、おまえさんがこの村から出て行くなら、誰も責めないし止めはしない……」


 家でおじいちゃんとカイ。私が座り。傍には村の大人が立っていた。


 「テレ……既に知っていると思うが。おまえは私の孫ではない……だか私はおまえを大切な……血がつながってなくても。心では家族だと思っている。

 この村に続く、儀式を行った巫女は皆……実は大病を抱えていたのだ」


 「……え?」


 病……突然そんな事を言われ言葉がで出てこない。隣に座るカイも驚いていて、話し続く。


 「儀式は村を祝福するために行われていたのだが、元は神殿に住む魔獣に生贄を捧げるものだったのだ。村では昔、巫女に選ばれた物だけでなく働けなくなった者までも、神殿の前で殺され続けたのだ……だが。誰もが愛する女性を失いたくないため、いつしか死期が近づいた者を選び、生き延びる方法をとっていたのだ」

 「じゃ、じゃ……今までの巫女の人がいなかったのは……」

 「そう、皆病で亡くなったからだ……そして。そのような酷い事を村の一部の者が力を合わせやめさせたのじゃ……」


 だんだんと声が小さくなる村長。気づけば彼の目は潤んでいるように見えた。 

                

 「じゃ、じゃ!! 村長の娘さん達がなくなったのって?」

 

 カイが椅子から立ち上がり、おじいちゃんをみる。何故か周りの大人の人が悲しい顔をして、下を見ていた。


 「それはな……生贄を行っていた村の一部の者に…殺されたのじゃ」

 「え?」


 殺された……その言葉を理解するのに大分かかり、体の震えが止まらず、いつしか目から涙が止まらず流れていた。


 「生贄をやめさせた報復だろう……そして私は怒り狂い……彼らを……殺した。これがこの村の忌まわしき過去だ、今神殿の扉は開けられもう巫女も必要はないだろう……この汚れた老いぼれから離れなさいテレ。おまえはあのエルフの方と共に旅をしなさい、それがいい」


 おじいちゃんは席から立ちどこかに行こうとする。手を伸ばして止めようとしたけど、声がでない。今まで知らなかった事とはいえ、村でそんな事があった事に頭の中で何も考える事ができなかった。


 「待ってくれ!!」


 カイが声を上げて、皆が彼を見る。


 「確かに殺した事は悪い事だけど……けど、そんな自分達だけで罪を背負うなよ!! 今のテレがいるのだって村長達が罪を背負ったからだろ!! だったら俺だって背負う!! テレの分もみんなの分を背負うから……だから……」


 カイは突然、私の肩を強く掴んでーー


 「テレ、俺が守る!! だから、隣にいてくれ、ずっと!!」

 

 

                  ▲

 翌日の昼。

 

 余りにも爆睡しすぎて既に十一時を過ぎていた。今だ眠気がするが重大な話しをするとの事でテレと村長。カイを含め一階に集まる。


 「さて、アンさん……テレについてですが……まずは、あたなの旅の目的を聞いてよろしいですか?」


 いきなりそんな事を言われ、とりあえずオーブを集める(Eとか異世界の話しを除いて)事を伝える。もしかして着いてくるのかな? 

 残りの三つも、もしかしたら昨日みたいに危険なので、ここは諦めてもらうしか……

 と思っていたら、テレが私を見て口を開く。

 

 「私、おじいちゃんの本当の家族ではないのを、話しましたよね……そこでききたいのですが。こんな私でも家族を持つ事はできますか?」

 

 そこから、三人にこの村で昔行われた儀式が話された。

 病に犯され、使えなくなった人を生贄にしたり。やめさせようとした村長と、その娘夫婦が殺され、復讐を果たした事を。


 村長が自分の罪がテレに知られるのを怖がり心を閉ざし、二人の関係をが上手くいかなかったのも聞いて。

 

 「持ちたいって心にあればいいと思うよ」

 「え?」

 「だって、血がつながってなくても。生まれた所が違っても一緒にいた時間は本物なんだから、家族だと思える心があれば、それで十分だと思う」


 私だって、父さんとは赤の他人だった。けど、あの人は私を本当の子共のように接してくれた。だから分かる。

   

 「そうですか……ありがとうございます……私決めました……」


 席を立って、まっすぐ私を見つめ彼女はーー


                ○


 バイクを走らせ、風を切る。

 太陽の日が当たり、体が熱くなるのを感じつつ走り続ける。


 「まぁ、あの村は大丈夫だろうな。あの二人なら」

 「確かにてね……」


 イヤホンから聞こえた相棒の声に、首にあるマイクで話す。


 やがで景色が変わり。海が見えてきた。


 目指すは、南ーー

    

  

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