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暗闇へと誘う声
――ルミナ――
深い眠りの中、私を呼ぶ声がする。
何処から聞こえるのだろう。
そっと耳を済ませてみる。
私の内から聞こえる……不思議な声が私を覚醒へと誘う。
目が覚めたのは大聖堂の一室のベッドの上。
ゆっくりと身を起こす。
サヤの姿は無い。
では、聞こえたあの声は何だったのだろうか。
夢? それとも……
「ん――っ」
不意に眩暈が私を襲う。
額に右手を当てる。
その時だった。
「ひぃっ!?」
一瞬、私の右手が変質した――ような気がした。
声が聞こえる。
私を呼ぶ声が聞こえる。
何処から? 私の内から。
何故? 何故? 何故?
頭の中を情報が駆け巡る。
「サヤ…………」
私は、今残った唯一の大切な仲間の名前を口にした。