ラストバトルを踊りましょう
シュターベンの左腕が私の肩の装甲を抉る。
なんて鋭さ、そして威力。
やはりコイツは只者では無い。
私も負けじと拳を突き出すが、如何せん相手のスピードが早すぎる。
「ちっ、やっぱり重装形態では不利不利ね……」
相手の攻撃を防いで、流して、打ち返す。
そんな攻防を繰り返す。
しかし、シュターベンの左腕のパイルだけはどうしても防ぎ切れない。
どうやら魔術的なコーティングが施されているようだった。
「しょうがない――パージ!」
次にシュターベンが左腕のパイルを突き立ててきた時にサヤは掛け声と共に、装甲の表面を思いっきり射出した。
『グゥ――!?』
高速で弾け飛ぶ魔力の塊に打ち付けられ怯むシュターベン。
そのスキを狙い、私は右腕に魔力を溜める。
「いっけぇぇぇぇえええええ!!」
魔力を込めた拳から放たれる突きの一撃。
並みの装甲なら軽く打ち破る拳だが、拳はシュターベンの右肩に掠っただけで済んでの所直撃を免れた。
「ちぃ――」
右肩に掠っただけでは在るが、シュターベンはきりもみ状態で地面に叩きつけられる。
ダメージは大きかっただろうが、止めを刺せなかったのは痛かった。
『クォォオオォオオォォオ!!!』
負けじとシュテアベンが雄叫びを上げる。
すると、魔力の放出と思える輝きがシュターベンを包み込むのが見えた。
ガッ!
シュターベンが地面を蹴った瞬間、サヤは強烈な一撃を左腕に食らわされた。
本能的な直下によってギリギリ身を反らせたのが幸いした。
もし、直撃なら――
「もしかしたら死んでんじゃないの今の……」
鎧の保護があったと言うのに左腕には力が入らなくなっていた。
「ったく! 負けてられっか!!」
私はそう叫ぶや、さらに軽装形態の鎧を展開し加速形態へと移行する。
そして加速させる。体も、頭脳も、心も。
最早誰の目にも止まらぬ別時空と化した戦場。
私は決着をつけようとこんな事もあろうかと用意した秘蔵の呪布を一枚、手にする。
どうやら相手も決着をつける気だったらしく、左腕のパイルに強烈な輝きが見て取れた。
「勝負よ!!」
『グガァァアアアアアアアアアア』
呪布を右手で握りつぶす。
そして紡ぐ、秘蔵の布術を解き放つ言霊を。
「阻む汝に絶望を、疾る我に栄光を、音より速く、光より速く!」
加速されていくその体は、最早何人をも寄せ付けず。
「いっけぇぇっぇぇえええええええ」
シュターベンの体を、ただ、切り裂いた




