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過去の事実
家族と行ったピクニック。
それは、何気ない休日のはずだった。
私のファーニアー警察班への配属と、妹の十歳を祝うと言う名目で出かけた北の森に程近い山岳地。
歳の割りにはしゃいでいるように見える両親。
文句を言いながらもなんだかんだでちゃんとついてくる妹。
私も今日は最高な思い出の一ページになると、そう信じていた。
だけど、まさかその日が最悪な日になるなんて……
弁当を食べようとビニールシートを地面にひいた時、木陰からソレは現れた。
虫を人型にしたような容貌。
カミキリムシを思わせる異形、後にシュターベンと呼ばれる怪物だった。
その時に家族は皆殺された。
何故、私一人だけ生き残ったのか、ずっと解らなかった。
いや、本当は知っていたのだ。
記憶の奥に閉じ込めていただけ。
そのシュターベンは確かに言った。
「母よ……」
と




