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開かれた情報

一体のシュターベンに大敗退を喫したその夜、私はルミナに呼び出された。

「セントラル公園地区、湖水前……ね」

夜中だと言う事もあり静かな公園の湖水前。

綺麗にライトアップされていたらカップル等がうじゃうじゃ湧きそうなものだが、生憎夜の湖水前は薄暗かった。

外灯自体、数が少なめで一種の心霊スポットかのように思えた。

そんな薄暗い中、ルミナは立っていた。

「ルミナ――!」

私が声を掛けると、ルミナは微笑を浮かべながら手をあげた。

「どうしたのよ、急に呼び出したりなんかして」

「すみません、サヤ」

「まぁ、謝る事は無いって」

ルミナの様子は何か変だった。

一見、申し訳無さそうな表情なのだが、何処か悲しげにも見える。

「で、用件は?」

「まず、シュターベンについて新たな事が発覚しました」

「え? ロワーさんには何も聴いて無いけど……」

「はい、まだ判明したばっかりですので……」

そう言うとルミナは暗誦した文を思い出そうとするかのように虚空を見上げながら言った。

「まず、シュターベン。これはあの虫のような姿の怪物が人間の姿を模倣している、と思われていましたが間違いでした」

ルミナは告げる。

「シュターベンとは一種の寄生生物で、動物の脳に寄生しその体や記憶を操る事で社会に溶け込む存在です」

「寄生生物って……」

「シュターベンは仲間を増やす為にまた別の人を襲い殺します。その殺した人間に卵を産みつけるとその卵が孵化しその人物に寄生する。そうして新たなシュテアベンが生まれる。そういうサイクルになっています」

「なんか、ヴァンパイアとかゾンビみたいね……」

「イメージ的には近いです。そういう固体には寿命は存在しないので魔力の供給がある限り生き続ける事が可能です」

「魔力の供給がある限り……って事は魔力を供給している存在があるの?」

「はい、あります。それが今回マザーと呼称する事にした全ての源。マザーには寿命がありますが、寿命が尽きる前に子を作り、今まで得た知識を受け継がせて死滅します。マザーは魔力の供給をするだけでなく、各シュターベンが入手した知識等の情報を統制する機能もあります」

「情報を統制――って事は」

「シュターベンは初期と後期ではその能力に違いがある、と言うのは解りますよね」

「うん」

「これは、あるシュターベンが得た情報をマザーを介して別のシュターベンが入手する。

 そういった経緯を繰り返し、シュターベンは情報を共有し、自らを強化する事が出来ます」

「じゃあ、あのシュテアベンが魔術を使ったのも……」

「はい、魔術を会得したシュターベンの情報があのシュターベンにも備わったのでしょう」

話の内容を聞いても正直な話信じられなかった。

つい最近まで、その正体は全く不明だったシュターベン。

それが、此処まで解明されるとは思いもしなかったからだ。

私はその情報源に疑問を持たざるを得なかった。

どうやってルミナはこんな情報を手に入れたのだろう、と。

私の疑問を「尤もだ」と頷いた後、ルミナは言った。

「そこが本題なんです」

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