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番外編 れみ☆さくのしょーと劇場ぱーと2

 とあるセカイでは艦少女と深海妖艦と呼ばれる存在が戦いを繰り広げていた、そのセカイにある”紅魔府”ではフランドール提督の指揮の元で多くの艦少女が活躍をしている。

 その一員である軽巡洋艦”咲夜”と駆逐艦”レミリア”は某海域で偵察任務の最中であった。


 「ザッケンナコラ~~~~~~~~!!!!!!」


 どこまでも広がる青い大海原に突如として響き渡るのは、海面スレスレを実際水上スキーめいて進む”レミリア”のヤクザ・スラングだ。


 「……お嬢様、そんなの大声で叫ぶと先に敵に発見されますよ?」

 「そんなの知るくぁぁああああああああああああっ!!!!……てか! あんたはこの状況に何の疑問も持たんのかぁぁあああああああああっ!!!!」


 自分の後方をやはり水上スキーめいて進む”咲夜”へと振り返り怒鳴る”レミリア”に、短い銀髪で青い瞳の艦少女はキョトンなる。


 「……疑問と申されましても……私達、艦少女がフランドール提督の命を受けて深海妖艦と戦うのに疑問を持つ必要はないかと思いますが?」


 いったい何を言ってるのだろうという風に首を傾げる”咲夜”に対し、苛立った様子でその小柄な身体をワナワナと振るわせる。


 「ツッコミどころ多すぎだろがぁぁあああああああああああっっっ!!!!!!」


 高速で進む進行方向とは逆を向きながら、要するに高速でバックをしている形になっている”レミリア”のしている事は、海の上であっても実際危ない行為である。


 「……と、申されますと?」

 「何で唐突に某艦船の擬人化ゲームネタ?」

 「それは、単に書き手アホが最近そのゲームにはまり出したからでしょう」

 「……じゃあ、艦少女って何よ?」

 「それは……某ピク〇ブならともかくここ・・で〇娘という表記はまずいからでは?」

 「…………何で私が駆逐艦であんたが軽巡洋艦なのよっ!?」

 「外見年齢の問題かと、あのゲームは艦のクラスが上になるにつれて外見年齢も上がっていくようですし」

 「……何でフランが提督っ!?」

 「ゲーム本編はともかく、この小説セカイの妹様がゲーム・オタだからでは?」

 「………………」

 

 まるで自分の質問が分かっていたかのようにすらすらと答えが返ってくるのに釈然としないものを感じつつも、律儀にこちらの質問ツッコミに答える”咲夜”を怒鳴る事はしない。

 

 「質問と書いてツッコミとか読むんじゃねぇぇえええっ!! スッゾオラ~~~~~~~~~!!!!!」


 だが、代わりに天に向かっての咆哮ツッコミであった。


 「……あ!……そういえばお嬢様……」

 「あん?」

 「私、出撃前のお買い物でお塩を買い忘れたような気が……」

 「知るくぁぁああああああっ!!!!……てか、艦に買い物とか行かすなよフラン~~~~~~~!!!!!」


 ”レミリア”のツッコミの音量は、彼女の立つ水面に波紋すら立たせていた。


 「お嬢様、軍隊でもお塩は大事なんですよ? 塩の入って食事なんて味気なくて部隊の士気の低下を招きます。 かのホワ〇ト・ベースも戦闘で失われた塩を手に入れるのにどれだけ苦労した事か……」

 「そうね、そのためだけに一話まるまると使ってたものね……って! そんなんどうでもええわぁぁぁああああああああっっっ!!!!!!」


 そのノリツッコミの音量をかき消すような轟音が響き彼女らの傍の海面が激しい水しぶきを上げたのは、その時だった。


 「……まったく、海の上で漫才とは余裕ですね、あなた達は……」


 ”レミリア”らの二次の方向、十数メートル程はなれた場所に黒い着物を纏った禍々しい瘴気を放つおかっぱ頭の少女が呆れ顔立っていた。 


 「あなたは……駆逐ア級っ!?」


 敵である深海妖艦の出現に”咲夜”が驚きの声を上げ、「阿求とア級かいぃぃぃいっ!!!」と”レミリアのツッコミの叫びを響かせる。 


 「まったく……そのまま不意打ちで仕留めてやろうと思いましたが、あなた達の漫才を見たらその気も失せましたわ」

 「漫才言うなっ!」


 駆逐ア級に言い返しながら、装備された艦装の主砲を敵に向けるのは、そのまま一気に仕留めてやろうというつもりであった。 しかし、その前に”咲夜”がパンと両手を合わせてオジギをした。


 「忘れるところでしたわ……ドーモ、駆逐ア級=サン。 ”咲夜”です」

 「ドーモ、”咲夜”=サン。 駆逐ア級です」


 ……始めてこの光景を目にしたら違和感を覚えるかもしれない、当然これから彼女らがしようというのは命のやり取りである……が、アイサツは決しておろそかには出来ない、艦船の礼儀だ、古事記にも書かれている。


 「書かれてるかぁぁああああああああっっっ!!!!!!」


 そして、”レミリア”も先制攻撃のチャンスを捨ててでもツッコミはおろそかにはしない。


 「つーか! 艦こ〇ネタやろうってのに何で忍殺ネタを混ぜるっ!!?」

 「あら? 艦〇れと忍殺は実は縁があるのですよ、お嬢様」


 一昔前に艦こ〇の付録のためにとあるゲーム雑誌が全国?の書店で売り切れる事態があり、ちょうどその頃に忍殺の漫画がその雑誌で連載が始まっていたのである。

 ゆえに、提督=サンの間では忍殺はそれなりに知られた存在である……はずだ。


 「そんなん知った事くぁぁああああああああああああっ!!!!」


 今回の”レミリア”は艦船だからなのか、息を切らせる事なくツッコミを続けられていた、その興奮した顔の”レミリア”とは対照的に落ち着いた表情の”咲夜”だったが突如「……私、気になりますっ!!」と声を上げたのに、”レミリア”だけではなく駆逐ア級もギョッとなった。


 「な、何よ……てか! あんたは千〇田えるかっ!!?」

 「ちゃんと塩を買っていたかどうか、やはり気になりますので私はお先に撤退いたしますわね?」


 そう言って”レミリア”にウインクをしてみせた”咲夜”は、「……へ? ちょ、ちょっと……」という”レミリア”に背を向けるとそのまま全速力で水平線の彼方へと消え去った。


 「…………」

 「…………」


 あまりにも意味不明な展開に僅かな時間呆然と沈黙してしまう”レミリア”と駆逐ア級であった。


 「……くっ! で、でもね! たかが駆逐艦の一隻くらい私だけでも十分よっ!!」


 自分も駆逐艦だという事を棚上げにしてそんな声を上げる”レミリア”は、敵が呆然としている間に倒してしまおうというセコイ考えだ、だが次の瞬間に彼女は大変な事に気がついてしまう。


 「……って、燃料がないっ!? 弾薬も尽きてるっ!? ナンデぇぇえええっ!!?」


 そう、度重なるツッコミで”レミリア”は燃料も弾薬もほとんど消費してしまっていたのだ。


 「ツッコミで燃料と弾薬を使うかぁぁあああああああああああっ!!!!?」


 そのツッコミで最後に僅かに残っていた分も消費しつくしてしまった、ここにきて駆逐ア級はようやく「……はっ!?」と我に返った。


 「……な、何だか分からないけどチャンスって事ねっ!」

 「アイェェェエエエエエッ!?」


 自分でもよく分からないうちに大ピンチに陥ってしまい顔を引きつらせる”レミリア”に、駆逐ア級は「うふ……うふふふふふ」と歓喜の笑いを浮かべて見せた。


 「……な、何よ!?」

 「私はね、実はずっと言ってみたかったセリフがあるのよ。 でも、本来の私は戦闘タイプのキャラじゃないから、もう諦めていたんだけど……うふふふふふ!」


 そして残酷な笑いと共に一斉に砲塔が”レミリア”に向けられる。


 「さあっ! ハイクを詠め! ”レミリア”=サン~~~~♪」


 駆逐ア級……いや、稗田阿求の念願の言葉と共に慈悲のない一斉放火が浴びせられ”レミリア”は「アイェェェエエエッ!!!?」という悲鳴を上げて大破して逝った…………。






 「……アイェェエエエエエ……って!?……あれ?」


 ふと気がついた時、レミリア・スカーレットは自分の屋敷の風呂に浸かっていた。

 一人ではいるには広すぎるちょっとした銭湯にも思える湯船の中にいる自分の身体は当然だが裸であり、服はもちろん先程まで装備していた奇妙な艦装もない。


 「…………夢……?」


 まだ少しぼーっとした頭でそれに思い至る、おそらくは気持ちよく湯船に浸かってるうちにウトウトしてしまったのだろう。


 「やれやれね、私とした事が……」


 先の夢もだが、眠っている間に湯船で溺れなくて良かったと安堵する、”永遠に紅く幼い月”のレミリア・スカーレットとあろうものが風呂で居眠りして溺れるなんてみっともないにも程がある。

 今度は居眠りしないように気をつけながらもう少しこの気持ちの良い湯に浸かっていようと思う吸血鬼少女が、脱衣所のある自分の服がもはや使い物にならないくらいにボロボロになっていると知るのは、もう少し後の事であった……。

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