奥サマ、自分の墓に嫉妬する
たくさんのお気に入りありがとうございます!
まさかこんなにお気に入りしてくださる方がいらっしゃるとは・・・
嬉しい誤算です!
私が死んだのは、もうかれこれ5年も前のことです。
30の時に死にましたから、今生きていたら35になっていました。
おばさn・・・いや、全然違います!まだまだです!女は30からなんです!
・・・さて、おばさんがどうのこうのの話は置いといて。
彼とは私が17、彼が15のときに出会い、
それから私が30になるまで一緒にいたのですが。
今考えると、私ってつくずく面倒な女ですね。
今でいう姉さん女房というヤツですが、
まったくもって大人になってから彼に年上らしいことなんてしちゃいません。
体が弱いせいで、ほとんどベッドの中で生活してましたし。
むしろ彼に養ってもらっているばかりでした。
せめて彼に食事だけは。
と思いご飯は欠かさず作ってきたのですが、
死んでから浮遊霊となって彼を見守っていたある日、
なななななんと!
彼が美味しそうな料理をつくっているじゃあありませんか!
私が作るのなんかよりも出来栄えがよくて美味しそうです。
パリーン、ガシャガシャガシャ
私の中で何かが砕け散る音がしました。
彼にとって私はお荷物でしかなかったんじゃないか。
ただの金食い虫だったんじゃないか。
年増なおばさんのせいで彼に迷惑ばかりかけていたんじゃないか。
考えてみれば彼にとってプラスのことなんてひとつもありゃあしません。
すべてマイナスです。
ハア
私って死んで正解だったのかも。
お蔭で彼はこんな年増の世話をしなくて済むし、
お金も(まあ、彼は結構もらってますけどね)浮きます。
プラスばっかじゃないですか!
でも、死んでも彼には迷惑をかけている気がしなくもなかったり。
彼は毎日私のお墓によってくれるのです。
生前、私たちが都に引っ越してから、
調子が良いときにはよく行った都全体が見渡せる丘に作られた、こじんまりとしたお墓です。
仕事に行く前と、終わった後、
彼はここに必ず寄って毎日私の好きだったヒナゲシの花を供えてくれるのです。
私としてはすごくすごく嬉しいのですが、毎日行かなくても・・・。
彼はとっても忙しいのに。
どんなに忙しくても彼はお墓によって、墓石を撫でてから家に帰ったり、お勤めに向かったり。
もう死んだのに、まるで墓石に向かって生きている人に話すように話すのです。
その様子を外から見ることはできますが、彼と目が合ったことは一度もありません。
最近、墓石に嫉妬してます。
ちょっと、カイ!そこに私はいないよ!
と言えたらどんなに良かったか。
この間墓石に入ろうとしたら、すり抜けてしまいました。
話しても伝わらない。
彼に触ってもすり抜けてしまう。
これは私をすごく切ない気持ちにさせてくれます。
まるで自分が一人のようで。
他にも浮幽霊はいますが、人見知りのせいで話しかけられません。
でも、彼を見てると確かに切なくはなりますが、同時に暖かい気持ちになるのです。
今も、彼は丘にたったお墓に話しかけています。
その顔はどこか寂しそうで。
この顔を私がさせているのだと思うと、胸が締め付けられます。
ああ、この手で彼に触れたらいいのに。
もう一度温もりを確かめられたらいいのに。
「君、どうしたの?」
ッつ、誰かが私に話しかけたのが分かりました。
結局シリアスになっちまったあああorz
だめです。シュリアちゃんで書くとどうしてもシリアスになる・・・。
もっと直感で書けるキャラが欲しいです。
てことで、ちょっと新キャラフラグを立ててみました。
新キャラよ。頼むよ。