文化祭02
『いらっしゃいませ』
昨日までも回ってたから、気に入ったところだけを回っていたあたしたち。
だけど、この場所、東ーA棟は初めて。
そこの廊下の突き当たりに妙に静かで暗い、だけど見ていかずにはいられない思いにさせるそんな出し物(?)があった。
黒とか赤とかそういう系。
黒色の布で顔を半分隠した人に言われた。
「見て行かれますか?」
「見る?」
「うん、行ってみようよ」
「そうですか。では中へ」
声で男だろうな、と分かった。
目がキツイ。
黒色のマント的なので頭まで隠していた。
中に入ってみると中も暗く、赤や黄色、青などの光がところどころ筋になってぼんやりと周りを照らしていた。
すっげぇ雰囲気。なんかどこかのお屋敷にいる感じ・・・
中にいる人たち・・・全員、黒のマントに身をくるみ、それで頭まですっぽり隠れていた。
そのマントの布で顔を隠して目だけを覗かせていた。
中にはその目をも、サングラスで隠している人もいて不思議な感じがした。
「ねぇ、なんかこの人たち怖くない?」
茜がアタシに囁いた。
「そう?ただちょっと不思議な謎な感じはするけど・・・」
この東ーA棟はあまり人がこない。
だから、このブースにくる人が少なく、今ここにいるのは私たちだけ。
「どうぞ、おかけになってください」
「あぁどうも」
いつの間にか、赤いイスが用意されていた。
誰がやってるんだろう。
この学校は人が多すぎて、全然把握できない。
てゆーか、何が始まるんだろう・・・
「では、ここでゲームを始めます。」
は?ゲーム?
「今からそれぞれ紙をお渡しします。決して相手の紙をみてはいけません。内容を話してもいけません。ゲームが始まりましたら、そこに書いてあることの答えをこの棟の1、2、3、4階から見つけてきてください。行動も一緒にしないで下さいね。制限時間は150分です。辞めたくなりましたら、ここに戻ってきてください。では」
ゆっくりと話すその声は、落ち着いている安心する声だった。
そして、私たちにはそれぞれ2枚ずつ紙が渡され、別行動を余儀なくされた。
150分ってゆーと・・・2時間半!
なっが・・・クリアするでしょ、誰でも!
私は一階から見ることにした。




