泉4
私の毎日は平凡だ。
朝七時に起きて、八時頃学校に向かう。
教室に入れば、いじめのリーダー真崎さんとその取り巻き達が一人のクラスメイトをいじめる。私はいじめが行われているその空間が嫌で、休み時間になると教室を抜け出してはトイレや屋上で時間を潰す。放課後は下校のチャイムと同時に帰る。休日は鈴花の家に遊びに行く。そんな毎日を過ごしていた。
そんなある日。私は放課後、真崎さんに呼ばれた。話があるから屋上に来いと言われついて行くと、真崎さんの取り巻き達が数十人余り集まっていた。
「話って何?真崎さん。」
私は真崎さんに聞くと、真崎さんは私の腕を引っ張り、前に突飛ばした。私は顔面から地面に落ち、膝を擦りむいた。顔を上げると、いつの間にか私は取り巻き達に囲まれていたのだ。
真崎さんは私の髪を引っ張り、睨み付けて言った。
「お前さ、何木崎原と仲良くなってんだよ?」
いつもの優等生の顔は消え、鬼のような顔で私を見る真崎さんに、私は完全に言葉を失う。すると、真崎さんは自分の派手にでこった携帯をスカートのポケットの中から取り出し、画面を私の方に向けた。
「こ、これ・・・。」
私は唖然とした。それは、私が鈴花の家から出ていく瞬間の写真だった。いつの間にこんな写真が撮られていたんだ・・・。
真崎さんは再び携帯をポケットにしまうと、私の制服の襟をぐいっと掴んだ。
「私前々からあんたのことムカついてたんだよね?いつも教室にいなくてつまんない奴だし、おまけに不登校になった奴と仲良くしてるし。見てて吐き気がしてくるんだよね!」
真崎さんはまた私を突き飛ばすと、倒れた私を強く踏みつけた。私は思わず、うっと鈍い声を上げた。
「これからは、あんたがいじめのターゲットだからね!」
真崎さんがそう宣告すると、取り巻き達は歓声の声を上げた。
夢にも思わなかった。私がいじめられるなんて・・・。
次の日から、いじめのほこさきは私へと変わった。朝から晩まで続く暴力と嫌がらせ。いじめっ子達の嫌みな笑い声。いじめられている私を見て見ぬふりするクラスメイト達。
私の心は完全に壊れていった。