鈴花2
午後一時。私は母が作ってくれた温かいピラフと野菜サラダとフルーツヨーグルトのお昼ご飯を食べていた。私は布団を被ったまま、お昼ご飯の食器を乗せたお盆をベッドの上に置き、正座したままお昼ご飯を食べる。ベッドの周りは着替えたパジャマや読みかけの雑誌で散らかっていた。
ピラフを食べようとスプーンを近づけると、視界に痣だらけの腕がパジャマの裾から出ているのが移った。この痣は、真崎にボコボコに殴られた時につけられたものだ。
その痣を見た瞬間、いじめられていた頃の記憶がフラッシュバックして蘇ってきた。あの頃の怒りと悲しみが・・・。
私はお盆を振り払った。お盆と食器はガチャンッと音を立てて落ち、食べかけのピラフやヨーグルトが白いカーペットの上にこぼれる。
私は肩で息をした。
絶対復讐してやる!私を傷つけた連中、全員殺してやる!!
復讐に火を燃やした私の目の前に、あるものが移った。それは、毎月買っていたお気に入りの雑誌の折り込みチラシだった。
『あなたの怨み・憎しみ、これで晴らせる。
怨みネットへGO!』
「怨みネット?」
私はそのチラシを手に取り、チラシの内容を目で追っていく。内容は、自分が抱えている怨みや憎しみを掲示板に書き込むツイッターのようなものだった。
ちょっとやってみようかな・・・。
私は興味半分でそのネットをやってみることにした。私は机の上に置いてあるパソコンの電源を着け、早速そのネットにアクセスした。
画面は血でコーティングされた不気味なサイトだった。画面の真ん中に大きく、
『怨みネットへようこそ!』
と書かれていた。
私は画面をスクロールしていくと、一番下に会員登録の欄があった。私は早速登録欄に、名前と住所、年齢を記入し、登録を済ませた。
登録が完了すると、最初の画面と少し違って、タイトルの下に過去に登録された人達の書き込みがズラリと並んでいた。その下に、『書き込む』というボタンを見つけ、早速そのボタンをクリックした。
それから三十分後。私はいじめられていた頃の記憶を掘り返しながら、次々と書き込んでいった。