鈴花1
真っ暗な部屋。ピンクのカーテンが太陽の光を遮る。部屋中食べ物のゴミや脱ぎっぱなしの服で散らかっている。
私はふかふかの羽毛布団の中にくるまって、部屋にある小型テレビをつけてビデオを見ていた。いじめ問題がテーマで些細なきっかけから始まったいじめに立ち向かう女の子の成長物語だ。
私はテレビの電源を消した。いじめられていた頃のことを思い出してしまったのだ。
毎日毎日尽きることのない嫌がらせと暴言。地獄のような日々。傷だらけの・・・・・
『いやああああああ』
私はビデオテープをデッキから取り出して、テープを床に投げつけ、何度も踏みつけた。テープの表面にひびが入り、テープはボロボロになってしまった。
それでも私の怒りは収まらず、部屋中のものを壁に投げつけた。ぬいぐるみや食べ物の容器、クッションなど、いろんなものを投げ続けた。
携帯も投げつけようとした時、メールの受信のメロディが流れた。
誰だろう・・・。
私は携帯を開き、受信ボックスを確認した。泉からだった。
このところ、泉から毎日のようにメールが届く。でも、私は返信をする気はなかった。自分を裏切った奴のメールなんか見たくもなかった。
私は泉から来たメールを削除すると、壁に思い切り投げつけた。携帯は鈍い音を立て、電池パックが外れる程の衝撃だった。
私はコンビニのビニール袋の中から栄養ドリンクを取り出し、キャップを外して一気に飲み干した。ビンを床にポイ捨てて、私は布団の中に潜り込んだ。