第62話 憎悪の渦の中心
■ 憎悪の渦への潜入
私とルシアンは 憎悪の渦へと 飛び込んだ 空間は 処刑台の広場から 一変し 禍々しい闇と 憎悪の感情そのもので 満たされていた 。
「熱い…… 冷たい……」 それは 感情が 具現化した 炎と 氷の 世界だった 。
「エリアーナ 恐れるな」ルシアンが 私を強く 抱きしめる 。
「この 憎悪は お前のものだけではない 俺のものも 混ざっている」
私たちが 足を踏み入れた 場所は ルシアンの 過去の 記憶の 破片が 散乱していた 両親を 陰謀で 失った 幼い日の ルシアンの 姿 彼の 瞳には 皇族への 激しい 憎悪が 宿っていた。
■ ルシアンの過去の再演
「ここは 俺の 過去の 記憶の 場所だ」
ルシアンが 囁いた 幻影のルシアンの 目の前で 幻影のアランが 嘲笑する。
「貴様の両親は 陛下の 敵だったんだよ」
幻影のアランが 幻影のルシアンに 侮辱的な 言葉を 浴びせ 彼の 憎悪を 煽る 。
「ルシアン! 見て」
幻影は 私たちの 前に進み ルシアンの 目の前で 幻影の 両親が 処刑される 瞬間を 再演した 。
「うっ……」
ルシアンが 苦痛に 顔を歪ませた 彼の 憎悪が 具現化し 幻影の 世界を 強化していく。
『ルシアン・ヴァレリウス 憎め 憎め!』
悪魔王の 声が 空間に 響き渡る 。
「ルシアン! ダメよ!」
私は 幻影の 両親を 打ち破り 憎悪に 囚われそうになる ルシアンの 顔を 掴んだ。
「あなたの 憎悪は 終わったでしょ! あなたは 守る ために 戦うと 誓った!」
■ 愛の干渉
「俺の 憎悪は 終わってなど いない!」
ルシアンが 叫んだ 。
「俺の 両親は 殺された! 皇族の 血を 持つ者 全てを 憎む!」
ルシアンの 瞳が 一瞬 憎悪の 紅に 染まりかけた 。
(彼の 憎悪は 私の 愛よりも 強かったの?)
その時 ルシアンは 震える 手で 私の 体を 強く 抱きしめた 。
「だが……!」
「俺の 憎悪は 俺のものだ 悪魔の 道具には ならない!」
ルシアンは 幻影の 憎悪と 自分の 憎悪を 混同し 苦しみながらも 悪魔王の 支配を 拒否した。
「エリアーナ お前こそ どうした」
ルシアンは 私の 魂の 体が 僅かに 憎悪の 黒い 瘴気に 染まりかけているのを 見抜いた 。
「私の中にも 憎悪が いるわ アランを 殺しても 消えない」
■ 悪魔王の「罠」
『見ろ! 貴様らは 互いに 憎悪の 塊だ!』
悪魔王の 声が 嘲笑する。
『その 憎悪が 渦巻く ここが 貴様らの 永遠の 終着点だ!』
空間が 歪み 憎悪の 渦が 私たちを 飲み込もうとする 私は ルシアンの 手を 握りしめた。
「ルシアン 悪魔王の 罠よ 彼は 私たちを 憎悪で 殺そうとは していない」
「どういう ことだ」
「彼は 私たちの『魂』が 憎悪に 飲み込まれた 後 私たちを 具現化し 永遠に 憎しみ合わせる のを 望んでいる!」
「……!」
悪魔王の 真の 目的は 私たちを 殺す ことではなく 私たちの 魂を 永遠の「憎悪の供給源」と することだった 。
「逃げるわ ルシアン ここは 彼の 領域の 外周だ 核心へ 行く」
私たちは 憎悪の 渦を 突き破り 悪魔王の 幻影世界(憎悪の根源)の 最深部へと 向かった。




