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1章 龍の背中に乗って

タワーマンションの内見に来たオレは、憂鬱だった。

この内見でこの部屋の購入を決め、彼女にプレゼントする。

しかし、彼女はこの部屋を気に入ってくれるだろうか?

一緒に住んでくれるだろうか?


彼女、美琴とは結婚を約束していて、この部屋に決めようと思っている。オレは内見先の部屋のリビングルームで電話を受けた。美琴からだ。

「美琴?今、内見に来てるんだけど、いい部屋だよ。リビングは25畳の2LDKで家賃は高いけど、窓からの景色は最高だよ。東京タワーとスカイツリーが見える。これからこっちこれない?」オレは焦りながら、ワクワクしていた。「ごめん、私、あなたとは住みたくない。結婚もできない。」

オレは卒倒しそうになった。頭がフラフラしてしまい、ダイニングのテーブルに片手をついてしまった。「そんな、どうしてまた?」「私はあなたと住みたくないの。」と美琴が言った。その時「何故かって言うと...」ザー!

その時電話は妨害電波か何かで聞こえなくなった。オレは急いでバルコニーに出て電波を求めた。とその時、急に突風とともに地震が起こった。ガタガタと縦に揺れるマンション。

オレはバランスを崩しバルコニーの柵に突っ込む。と、下半身が勢い余って浮かび上がる。

両足は持ち上がって...!「あー!!!」オレは地上40階から真っ逆さまに落ちていく。とその時ピカ!という閃光とともに尾の長い青い龍が真っ逆さまに転落するオレを救い上げた。

オレはとっさにその青龍の髪の毛に掴まる。そして、馬に飛び乗るカウボーイのように龍に跨った。


青龍は向こうの小高い山まで飛んで行く。ヒュー!!

山の周りには真っ黒い雲が輪を作っていて青龍はオレを乗せてその雲の上から真ん中の山頂の岩岩の上に止まった。


青龍はニヤッと笑ってオレを岩の上に降ろす。

オレは足を着くとまず、龍の顔を見返した。オレの口からは自然と「ありがとうございます。」という言葉が出てきた。それはそうだ。どんなありえないことであっても、現実に命を救われたのだから。すると、にわかに、雷がピカッと鳴って青龍は飛び去っていった。雲の中に向かって。

オレは龍の尻尾に手を振って挨拶した。


オレは小高い山をゆっくりと考えながら降りていった。

その間にも黒い雲はサーッと青空に溶け消えていった。

気持ちよかった。


それにしても、あの龍は一体何者だったのか?北欧の神竜か?日本の龍か?ともかく、死にかけたオレを、彼女に振られたオレを神さまが救ってくださった。


彼女は何故オレを好かなくなったのか?

せっかく、これからの薔薇色のタワマン生活が待っていたのに。


山を降りて少し歩き市街地に差し掛かり、1つ目のバス停からバスにすぐ乗り、最寄り駅まで座っていた。

電車に乗り実家のある駅まで乗り、降りて、駅徒歩18分の道を歩いて帰る。うちに着くとオレは母の顔を見て、只今を言い、すぐ冷蔵庫からノンアルコールビールを取り、棚から柿ピーを取り自室へ閉じこもった。

ちゃぶ台に置いたビールを開け、柿ピーを頬張る。カリカリと頭の中に響く音。さっきの雷が思い出された。


オレは彼女に振られたことをお母さんに言えないなと思った。お母さんにはがっかりされるし、周りに周知していたオレはかっこ悪くなる。別にこういうことも有耶無耶のまま、忘れ去ってしまってもいいのだし、どうせ彼女はハッキリと決めていた様子だった。ただ、理由だけは訊いておきたかった。


月曜日からの仕事が始まった。オレは大手商社マックスホールセラーカンパニーの社員。外資系だ。今日の朝からも外注先とのカンファレンスが予定されており、9時にはカンファレンスルームに部下と資料を揃えて向かった。今度は英国のホールセラーの企業ハイ・ストリートホールセラーとの提携の話が持ち上がっており、何としてもオレのプレゼンで契約に結びつけたい。オレはパワーポイントを開き、今度の提携グループのECサイトのデザインの説明をしていった。ここここはこういうデザインで、リンクはこの企業と繋いでと。

こういったパッケージで今度のECサイトを構築しようではありませんか?と。

一汗かいて会場を出たオレと部下は相手先の上司と部下に握手をひとりひとり交わし、挨拶をして送った。

オレたちはオフィスに戻る前に給湯室へ行ってエスプレッソマシーンにスイッチを入れた。

エスプレッソはすぐに注がれ二人は街を見下ろせる回廊の大窓の前で今日のまとめをした。1週間以内に連絡は来るはずだ。とその時、電話がかかってきた。が、すぐに切れた。プーップーップーッ。オレは何処からかと電話番号を検索にかけた。「あー?メアリーウェブUK?」どこだこれと思ったオレはAIに尋ねた。

すると、この会社イギリスはロンドンのウェブデザイン会社でイギリス国内はもとより国際的に企業向けのウェブサイトデザインを手掛けているという、何しろ一つとして同じようなページを作ることはないと評判で去年、一部上場しているという。


何処かで訊いたことあるな。上司に訊いて見よう。

そういえば、今度のECサイトどこの企業にデザインしてもらうかまだ決まっていない。


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