煩悩だらけの転生者
ある日の平日
変わらない日常
いつもと同じで,何の変哲もない私がモブなだけの日
皆が恋愛したり,部活で青春したりしてる中
私はありふれた適当な生活を送っている
…いや,最悪すぎるでしょ‥
この私がこんなありふれた日々を送ってて良いはずないんだ!!
「やり直し!!」
そう私が叫ぶと
あっという間に光に包まれ,見慣れた場所に戻っていた
真っ白で所々にピンクの光が浮かんでいて
何とも言えない綺麗な場所
このだだっ広い空間に一人真っ白な椅子にふんぞり返っているお爺ちゃん
なんでこんな奴が偉いのか
さっぱりわからないけれど,裏で何か仕事でもしてるんだろうか
色々この人に聞きたいことはある
けど,
私がそんなこと聞いてもメリットは無いので何にも聞いてない
だから,何回も会ってるはずなのに何も知らない
「…もう帰って来おったんか」
なんだかラスボスを前にしたような変な言い方だ
こんな空間でそんな雰囲気出してもシュールなだけなんだけどなぁ、
「今回のとこは今までで一番最悪だよ」
「なんであんな何も無い生活を送らないといけないわけ?」
「そもそもなんであんなとこに私を送ったのよ!」
「爺ちゃんほんとセンスも何にもないよね」
私が感じたことを全てぶつけていく
すると爺ちゃんは
「変な文句ばっか言いおって!!!」
「普通の人間共はやり直しなんかきかんのだぞ!!」
「お前が人間の漫画になんてもんに影響されて「アタチもコイがシタイわぁ!!」と儂に縋ってきたんだろう!!」
「…そうだけどぉ‥」
私がなにも言い返せないのを分かって満足気な爺ちゃん
内容は合ってるけど言い方がほんとにムカつく
あたしだって人間と何回も過ごして少しは人間っぽくなってるのにさ
…まぁ,こんなに爺ちゃんと言い争えるようになったってことは
やっぱ人間になってるんだな,私
「んで,なんだ。またやり直すのか」
「うん,次こそ絶対綺麗でお金持ちで優しい両親の下に産まれて愛されて育つんだ!!」
「それで‥皆にモテモテの超美人で全世界にファンがいて…」
「‥そんなんできるわけあるか!!」
「それなりに努力できんお前はスタートが同じでも中間地点で何十倍もの差がついとるわい」
「うるさいなぁ~、」
私だって何回もやり直してるし,努力してるって言えるし
…ほんと,爺ちゃんは分かってないなぁ
「いいから早く次!!」
私がそう言うと
「しょうがない子じゃな」と,
何だかんだ言って私を連れてく準備をしてくれる
そうゆうとこは良いと思うけどね
「ほれ,次はお前の希望通りっぽいな,楽しむんじゃぞ~」
あっという間に終わったようでピンクの光が私に寄ってきて
爺ちゃんの言葉を最後に
また光に包まれる
_私がこうしている間とか,爺ちゃんは何してるんだろう
前は気になんなかったのにな,何だか知りたくなっちゃった
でも,次こそ最期まで幸せに生きて爺ちゃんに聞きに行こう
今回はどんなとこなんだろう
早く人間に会いたいな