喉の痛い朝 頬杖の街-恋愛
「飲み会?楽しんできてね!」
「まだお仕事?頑張ってね。」
私の彼は私に興味があるのかわからない。
付き合った頃は言ってくれなかった「好き」という言葉も私が「たくさん言って!」とお願いしてからはいうようになってくれたし、連絡も付き合いはじめよりしてくれるようになった。
でも、男女の飲み会に行くって言っても何の不安もなしに送り出してくれるし、帰りが遅くなっても何の心配もしてこない。浮気しててもバレないだろう。しないけど、たぶん。
それに比べて私はすぐ不安になってしまう。会社の飲み会でさえ少しでも帰りが遅かったり連絡が返ってこないと浮気を疑ってしまうし、いつでも私の優先順位が1番であってほしい。
私が「好きだよ」って伝えるまで私が好きかどうか不安になってほしいし、私がいない時間は寂しさで押しつぶされてほしい。
かといって重すぎたらそれはそれで引いてしまうんだろう。嫌になって別れを選択してしまうだろう。
「明日会う?」「会いたいけど、無理してほしくないからどっちでもいいよ。」
私の人生のすべての行動は彼の言動に操られている。
会えるってなったら会いたいし、会いたいって言われたら無理してでも会いに行ってしまう。無理しなくていいよって言われるけど、無理してしまうのをわかった上でそんなこと言われてるのは私でもわかる。
こうして大好きすぎるが故の不満を抱えながらも彼と付き合うのは、私がきっとこの先の人生、彼ほど愛せる人はいないからだろう。
正直、別れて新しく彼氏を作るのは難しい話ではない。今まで生きてきて色んな恋愛をしてきて、どんな人が自分に合っててどんな風に振る舞えば好きになってもらえるのかはわかっているつもりだ。
でも、そんな駆け引きとかにはもう興味がなくて、彼のことを心底愛していて誰にも取られたくないと思ってしまう。新しい恋愛を始めて、その人が私のことをとっても愛してくれたとしても、彼といることで作り上げられるポジティブな感情もネガティブな感情の方が、それこそが幸せだと思ってしまうのだ。助手席で車のドアを開けられるのを待つ時間よりも、体を抱き合いながら眠りについて起きた時この頭に乗っかっているこの重みこそが、幸せなのだ。こうやって幸せを感じる瞬間は、全部あなたと迎えたいのだ。あなたとだから、幸せだと感じるのだ。
ある日夢を見た。
「ねえ、どこ行くの?行かないでよ。」
「大好き。嫌いにならないで。」
「愛してるよ。絶対に一緒に住んで、絶対に結婚しようね。」
彼がとっても重くなる夢だった。
目が覚めた私はなぜか満足感で溢れていた。
もし彼がこうだったら、私はどんなだろうか。
彼のことを心底愛せているだろうか。
もっとあなたが不安になるくらい、私が言葉や態度を操れる様になればいいのに。
辛いの一言でまとめてしまえばそれは簡単な話だ。
でも、こんなに会いたい。




