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クラフトと私

 建物のクラフトが好きだ。

 もちろん、仮想空間での話だが。


 幼いころには、教室いっこを居宅にしてみるという落書き遊びをしていた。

 もうすこしあとには、友人に感化されてノートに小説を書き始めたが、主人公の通う学校や寮の部屋割りなんかをかんたんな絵としてつけていた。


 けれど、それ以上はなかった。

 いつしか私はそれを忘れていた。

 いろいろとあったのだ。

 どれもみな通る道で、大したことはないといえばないのだが。


 しかし数年前、建物クラフトがもう一度、私の人生にとっこんできた。

 ユーチューブでみた『ヒカクラ』だ。

 とてつもなく面白くて楽しくて、微動だにせず前のめり。しまいにはえらい3D酔いを食らった。

 よく似たフリーのゲームをやってみたが、ある日そのデータが不思議なくらいにあとかたもなく吹っ飛んだ。

 ぼーぜんとしていたそのころ、家族が誕生日プレゼントにくれたのだ――タブレットと、マイクラ用の資金を。


 そのころは、はまりすぎてやばかった。

 当時執筆中だった作品があったから踏みとどまれたようなものだ。


 さらにそのあと、家族とみていたテレビでメタバース (cluster)を知り。

 何を作ろうと模索していたころに、物語世界のある少女と『出会い』。

『彼女や、おなじ境遇の仲間たちに、笑顔になれる居場所を』というきもちを抱いたことが、ひとつの『かたち』をささやいた。


 そのとき、私は考えた。

 どうせならば、連載にしよう。

 挑戦し、学び、実現していく過程を書き残すことで……

 おなじように苦闘するひとたちにも、なにか、役に立つことがあるように。


 そうして作りながらの連載を始めたのだがこれが、超楽しい。

 さいしょはいち操作ごとにやりかたを調べなくてはならないくらいだったが、それさえも楽しいのだ。

 作ってみたかったあれも作れる、これも作れる。

 そう考えると、前途には希望しかない。


 それでもネガティブになることはやはりある。

 ほかの人ならばさっとできることが、私にはいつだってできないのだ。

 先達クリエイターのようなワールドは、たぶんこのさき一生かかっても作れない。

 文章だって、いつになったら『小説』と広く認められる出来になるのやら。

 いったい、いつまでも、何をしているのだろうと。


 それでも、まっすぐに画面を見てクラフトをはじめた瞬間、そんな雑念はスッと消え去る。

 やはり、私はクラフトが好きだ。

 文章でも、建物でも。

 作り続けていれば、きっと私は、幸せでいられると思う。

 さりげなくあとがきで推し活をしていくスタイル!

『ある少女』と出会えるお作はこちらでございます。

『VRアイドル殺し』菱川あいず先生

https://ncode.syosetu.com/n6658ig/



 ……あっ、クラフトやってる自作はこちらです。

『こねこのチビのおくりもの~ストレイキャット・ツリータワーをつくろう!@Cluster World~』

https://ncode.syosetu.com/n7074ii/

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― 新着の感想 ―
[一言] VRアイドル殺しは名作ですよね。 あのような世界があったのかとカルチャーショック受けましたわ。 でもって、そういう物作りもまた小説にとっては必要な要素だと思います。
[良い点] 読みながら泣けてきました。 真っすぐな好きの気持ち、前向きな想い。 私も下手な絵と小説ですが好きだから続けています。 素敵なエッセイに力と励ましをいただきました(≧▽≦) [一言] この度…
[一言] ものをつくることって無心になれますよね。 それが実体であろうと、画面の中であろうと。 作り続けることで幸せでいられると断言できる日向さんは根っからのクリエイターですね(´ω`*) 私も書き続…
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