人肌の悩み2
あああぁ~血の気引くこの感じ、嫌な事が起こる前兆!
引き戸の鍵を開ける。
そこには4人の男女、ダリも居る、怒りや憎悪と言った感情は、そこには無く4人は、頭を下げた
6市長の集まりで見た覚えのある女性2人も一緒に来ていた。
俺は疲れているので、話しは明日にして欲しいと言ったが聞き入れて貰えなかった。
「では、中で話しをしましょう」俺は相手が自己紹介をするのを、不機嫌な顔で断った。
「木村様、私の妻が大変失礼事をして申し訳ございません」
この男はとんでもない爆弾を持ち込んで来やがった、不倫させようとしていた?何で?
離婚の口実?既成事実?俺は行燈の薄明りの天井を見上げていた。
6市長の一人が「説明させていただきます、彼らの世代は子供を産んではならない世代なんです」
「初代様以降に転移者は女性が一人だけでした、事実上、近親婚が多くなり、精神や身体に障害を
持つ者が多くなりました。特に攻撃的になる者が多く、その者たちは、主に狩りを主体にさせて
いました。5年前、狩りの不調が続き、獲物が尽きてしまいました、そして、心無い年寄りと
その孫の身体障害者が、手ぶら帰ってきた、狩人五人をバカにしたのです、精神が不安定な彼らは、
激怒し、年寄りと障害者52名を殺害してしまいました。しかも、笑いながら、これ以降、子作りは
禁止となりました。」
「このことは、初代様より{血が濃くなるのは、危険}言い渡された事柄なのですが、守る事が
出来ませんでした。」
「木村様は神の贈り物、新たな遺伝子、子種、これで子供が産めると皆が大喜びでした。」
俺は彼らが世代ごとに、名前を分けている意味、「あの・・・家系図とかもあるのですか?」
「はい、しっかりと記載しています。」
ああ~目の前に架空の家系図が見えるようだ、そこには、子供の名前のよこに・・・・
「父、キムラ 父、キムラ父、キムラ父、キムラ父、」悪夢だ!
神の奴め!この世界を救えとは、こんな事だったのか?
「木村様を連れ戻った、ダリが初日、二日目がルナまで、決まりまして、あとの人はこれから
明日以降に決まります。」
「まった!俺は同意していませんけど、そちらで勝手に決めて貰っては困ります。」
「大体、既成事実を積み重ねて、それから話しをしようとしてませんか?」
「すいません、苦肉の策でして、先程お話ししました、女性の転移者は他の男性を受け入れず
生涯、三人の子供を産み、ただ一人の男性と添い遂げました。木村様には、一人の女性を愛する
のでは無く、子供を望む全ての女性に母になる夢をあたえて、欲しいのです。」
「はぁ?聞こえはいいけど、要するに種馬になれ!とのことですね。」
「えっ!種馬って何ですか?」
なんて、都合のいい世界だ!ここには馬もいないし、競馬も無い
「わかりました。ここで生きて行くには、それを受け入れるしか無い様です、外に出されたら
直ぐに、魔物に食われるかもしれませんし、女性に襲われたくも無い」
「今夜はダリと寝ますね、しかし、朝まで居てください、直ぐに歩き出すと種が流れ出てしまい
ますから。」
ダリに笑顔が戻る、ダリの旦那さんは何度も頭を下げ札を言う!
長い夜はまだ、終わらない