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鋼は聖剣?
返り血を浴びた手が震える、力任せに重い剣を振ったからか、恐怖からかわからない
男が鞘を持ってこちらに歩いてくる、「キムラは強いな!俺はザイドって言うんだ」
鞘を受け取り、顔えお上げる。
ただ必死だった、無我夢中で勝どき上げるでも無く、安堵と放心状態だけ、それだけ。
薄汚れた麻布をザイドから受け取り剣の血をふき取り鞘にしまう。
3メートル四方の門が開き台車と十人ほどの人がこちらに駆け寄って来た。
「あんた!大丈夫か?」 「早く解体して、台車に乗せろ」 「こんな事は初めてだ」
多くの人の声が入り混じる、その光景を見ていて、ある事に気が付く。
淡い赤色に光るナイフと剣、そう彼らが持っているのは銅の刃物なのだ。
浅くしか切れず、ある者は、曲がった剣を膝に押し当て曲がりを直している。
「よし!台車に魔物を載せたら、戻るぞ!」城壁のような木製の壁、高さは7~8メートル
思ったよりも高い、上部には、ネズミ返しの様な構造になっている、魔物返しか?
門をくぐると、凄まじい歓声に迎えられる、中には「肉だ!肉だ!」と叫んでる奴もいる。