魔物じゃ ないよね
1.聖剣?
「この星を救え この世界を託す 我に出来る事はここまで」
この言葉が、頭の中で、何度も何度も、繰り返し、まるで大麻が効いた様に思考が途切れる
ああ~眩しい、何処よここ?? 身体がだりぃ~
周囲を見渡す限り 木 草 木 草 木 草草草ああ~最悪
ん?最悪? そう感じることが、俺がこんな環境で生活していないことなんだろう
なんだこれ?起き上がろうとした左手に触れた草ではない感触!
剣?そこそこデカイ剣がそこにある、重い、なんだこれ?誰の物だろ?
こんな剣はここに放置して、家に帰ろ~っと!
あんな、物騒な剣 誰が捨てた?置いた?のか知らないが触りたくもない
タイトルが{鋼のつるぎ}なのに何で持って行かないのかって?
以前、ゴミ捨て場に使えそうな自転車があって、これ幸いと、乗っていたら
警察官に職務質問され、盗難車だと判明!ゴミ捨て場で拾った!言いわめくも虚しく
ハイハイ!それでも{占有離脱物横領罪}略式裁判で5万円の罰金刑確定
こんな物騒な剣を拾ったら、占有離脱物横領罪、銃刀法違反で即逮捕!怖い話です!
まぁ~帰るには、道を探さないとね テクテクとはいかず、ガサガサ ガサガサ
歩き難い ガサガサ ガサガサ ガサガサ? ん?ガサガサが一つ多いのではないでしょうか?
「お~い!この剣!あんたのでしょ!」
男の声なら「違います!」と言って振り向かずに前に進むが、女性の声ですので即!回れ右です!
年の頃なら20歳過ぎかな?化粧なし、赤茶のポニーテールで簡単に言ってしまえば~~~~~
色白のやや日焼けしたインデアン娘! 頭に羽根飾りは、付いて無いけどね
正体不明の人物に完全に硬直!決して!下半身が硬直したのでは~~ありません。
「これはあんたのでしょ!ルナ、見てたんだけど、雷みたいな物が落ちた所にあんたが倒れてて
起き上がったらフラフラと歩いて行くんだもの、焦ったよ。」
外国人ぽい女性が日本語を話している違和感!麻と革の衣類、弓矢、腰の剣、薄汚れた女
他にも、インデアンもどきが5~6人近づいて来ている、 何かの撮影ですか??聞いてみるが
「はぁ?撮影ぃ?って何?それより、あんたは変な服を着てるねぇ~?剣は返すね」
変な服?ねずみ色の作業服にスニーカータイプの安全靴、胸には刺繡で{木村製作所}!
木村製作所って?全く記憶にございません? 剣をルナとやらに手渡されて、現実に戻る
「あんた、大丈夫?話は出来る?何処から来たの?何日かかった?」
ああ~板橋区から来たと思う 思うと言ったのは、ここに居る、経路がわからなかった。
「板橋区って?まぁ~私たちには、他の町も何処にあるのか、いくつあるのかしらないんだ。
何十年に一人ぐらい他の町から、あんたみたいに、たどり着く者がいるらしい」
女が4人男が3人、二十歳前後のインデアンもどきに、囲まれている。ああ~聞かなくてはならない・
・・・・・・・・・・・・・・ここは日本ですか??????????????
男女7人の頭の上に?マークが並んだ時に、俺のファンタジーな世界は終わりを告げた!
なんなんだ、この縄文時代に毛の生えた時代は!城はどこ?魔法使いは?中世ヨーロッパは?
赤茶の髪に黒目、7人共に同じ、まぁ~日本人も黒髪、黒目で同じだからね。
「ダリ、今日は狩りを終わりにして、この人を町に連れて行こう!あんた?名前は?」
ルナがリーダーらしき女性に話すと、やや身長の高い女性が全員に合図をする
えええっと、ポニーテールがルナで、ノッポのバンダナがダリだ、こいつら特徴ないなぁ~
外国人が日本人の見分けがつかないって、言うのが、よくわかるぅ~ ええっと名前は?
名前は名前?名前? 思い出せない、それだけでなく、家族も友達も関わり合いのある人物の
名前が全てわからなかった、伊藤とか山田とか固有の名前は、分かるんだが関わり合いのある人物の
名前が全てわからなかった。
俺の名前は「キムラだ!」もうどうでもいいや、作業服の刺繡に木村製作所って書いてあるから
「名前はキムラと言うらしい」長い斧を担ぎ直しダリが紹介してくれた。
重い剣を持ちながら、草木をかき分けしばらく進むと細い道らしき通りに出た。その間に男女7人に
色々と聞かれたが、雷に撃たれて思い出せ無いといった。記憶喪失と言ったところで理解はできない
俺はこの世界の情報を集める事にした。この草の生えた人が三人並んで通れる道にため息が出る。
この道幅では、馬車などの流通は無い、切株の年輪はあるので季節はあるが年輪の幅が広い?
一年間が日本よりも長いのかもしれない、一番気になるのは、山が見えないところだ。
こいつら、あまりにも似ているから兄弟姉妹かと思い、なあ~誰と誰が兄弟なんだ!聞いてはみるが
「俺たちは兄弟姉妹なんかじゃないぜ」ニクロムと言った男が答えてくれた。ニクロムは剣を左に
短剣を右に下げていた、大体こちらが名前を聞かないかぎり、自己紹介や名乗る事などファンタジー
以外であるわけがない!俺はもうファンタジーの世界から遠いところ来ているのだ。
なあ~君の名は? カピバラのような狩りの獲物を四匹下げている男に聞いた、「カツヤ」だ!
絶句、まあ日本語を話しているから、カツヤでもおかしくはない!のかもしれない?けど?
外国人の顔して日本語を話していると、コンビニの店員さんの外国人が綺麗な日本語で話してる
感覚と似ている
そんな事を考えていると、先の方に高い塀がみえてきた、その時「魔物だ」とカツヤが叫んだ。
皆が脱兎の如く走り始めた!なんだよ!魔物なんかいるのかよ!俺は最後尾エサ確定かぁ
先頭はダリとルナだ、それにしてもこいつら足が速い、森から魔物が飛び出してきた!
俺は振り返りながら、魔物を確認した、怒りがこみ上げてくる、魔物なんかじゃない
そこに居たのは二足歩行の恐竜だった。3メートルはある、なんたらサウルスみたいなやつ
前を向いて必死に走る、距離が離れた前方には、ダリ、ルナ、男が三人、男は右の森に滑り込む
恐竜の影が足元に見える、食われるならイチかバチか勝負!
剣の鞘を抜き捨て、腰をかがめて急停止!恐竜の牙が頭上を通過と同時に剣を両手でフルスイング
恐竜の右足の関節を切り飛ばす事が出来た、恐竜は三回転し無くした右足の支えを失い立てずに
のたうち回る恐竜の背後に回り込み、その太い首に剣を叩き込むが、さすがは爬虫類、
鱗が硬い首の三分の一にも剣が入らない、メッタヤタラとはこのこと、頭だろうが身体だろうが
叩き込む、あっという間に男女7人が現れ、恐竜、改め魔物はタコ殴りされ、絶命した。
おねがい
誤字 脱字 文法 などのクレームは勘弁してください!
雰囲気で読んでいただければ、私は幸せになれます。