プロローグ
―――――むかしむかし……
光の精霊と闇の精霊が世界を創り、2人は子供たちを作った。
1人は水の精霊―――
恵みの雨を降らすこともあれば、荒れ狂う海もつくることもある。冷静沈着でも心は慈悲深い。水は常に形を変える
1人は土の精霊―――
大地に生きる全ての者を愛し、作物を与えたり、時には盾となる岩石を作ったり。おおらかで皆にとても愛される身近な精霊。
1人は火の精霊―――
炎を生み出し、暖を取れるようになった。
しかし、間違えると危険で扱いづらく機嫌を損ねると火山が噴火するほど。好戦的で水の精霊とは仲が悪い。
1人は風の精霊―――
生き物を運んだり、雲を運んだり、自由気ままに風を操り動かしていく。
興味が無いことにはとことん動かない。
そして、精霊たちが創り出した世界には魔力と呼ばれる物が満ちていた。
魔力はその世界に生きる全ての者に、個人差はあれど魔力を持っており、言霊で精霊たちから力を借りて魔法を使う。
しかし長い月日が流れ、魔法を扱うものも少なくなり、今では貴族しか魔法を扱うだけになった。
そんな時代にある少女が生まれる。
少女は身体が弱く、魔力はとても豊富だったが魔力量に身体がついて行かず悲鳴をあげていた。
それをある貴族の男が助けたことで少女の運命は大きく変わることになった。
―――さて、これから昔の話をしようか。
主人公生きるために必死になります。