夜も昼もワンパターンはダメです
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ケリー家の誇る要塞の目の前にマサ達は陣を張る。
ケリー家もフランケン家と同様に比較的防御しやすい地形に恵まれていた。
それ故、要塞を攻めざる負えないのだ。
これまでゴードン家はこの要塞を抜けていない。
というのも近年頭角を現してきたケリー家の英雄白の守護神が鎮座しているからだ。
その英雄は白銀の雪のような肌と艶やかな銀髪をした偉丈夫だが若造らしい。
偉丈夫で若造な点はマサとも共通している。
攻撃前夜
「何回も申し訳ないが、今回はワイバーン達は非常に苦戦すると思う」
「そうですねっ・・・あの・・・コラソン様・・・」
「カエデ。俺は大丈夫だ。俺よりもカエデ、特にレンは本当に大丈夫か?」
「「・・・」」
リカとイツキはなにも言わない。
「どちらにせよフォルツァの相手は俺がするよ。お前らは遭遇したらすぐに撤退だ。今のお前らじゃだめだね」
「父上、すみません。僕がいきます。もしかしたらなにか事情があるのかもしれません」
「ダメだね。俺が殺るよ」
「大将・・・あんたは本当に血統を見ないつもりなんだぜ・・・」
「あぁ・・・悪いなラファール。お前の頑張りはお前の子供に受け継がせれないよ」
「いや、大将はそれでいいんだぜ。俺のガキどもも大将に認めてもらえるように鍛えるんだぜ」
「まぁ、いまんとこお前の子供達は贔屓目なしに優秀だよ。このままがんばってくれ。って明日戦争する俺たちの話じゃないな。さて脱線しちまったな。ひとまず、意識統一はここまでだ。皆ゆっくり休め。解散」
俺は解散後、例のごとく敵陣に向け転移を発動。
ぞぞ・・・ ブワッ!
転移した先では、俺が来るのを予測していたかのように白い槍が突き出される。
「よお。クルーガー。いや、白の守護神フォルツァ」
「・・・」
目の前の戦士は何も言うことなく槍を振るう。
「(こいつ何歳だっけ?もうすぐ200くらいか?それでこれだけ使えるのか・・・普通にすごいわ)」
俺はクルーガーの振るう槍を骨小太刀で受け流す。
夜闇に剣戟の音が響く。
そして数舜のうちに敵の増援がやってくる。
「(転移が読まれてるのはわかってた、でもここまでピンポイントでかつクルーガーがここまでやるとはな。俺ってほんと頭悪いよな・・・)」
マサの思考速度は外道魔法により高速魔力循環しており非常に速い。
だが、思考速度=頭の良さ ではなかったようだ。
俺が撤退を決めた時、クルーガーが叫ぶ。
「上だ!!」
俺が大跳躍したところに勢いよく鉄製の網が投擲される。
「(まじか!!これは・・・俺もヤキがまわったなぁ・・・まだそんな年じゃないのに・・・いや、もう300歳くらいか・・・十分、歳か・・・)」
俺はかつてバタダ王国のワンパターン戦法を利用し罠に嵌め、暴力の権化であるバタダ女王をはじめとしたバタダ王国戦士たちを倒した。
そんな俺がワンパターン化した撤退法、大跳躍からの転移を完全に読まれ罠に嵌められたのだ。
俺は落下していく間にダメもとで鉄網を焼き切ってみる。
同時にクルーガーが次にとる行動を考えてみる。
俺に向かって槍や矢が飛んでくる。
そしてクルーガーは落下する俺を待つことなく跳躍し、俺の首を刎ねに槍を突き出す。
「(お前もまだ甘いんだよ!)」
ガチン!
「ぐほっ!」
俺はクルーガーは俺の硬化や再生なのど熟知している。
それゆえ一気に仕留めるために頭を狙ってくることは読んでいた。
なので俺はイチかバチかで穂先を歯で受け止めることにしたのだった。
ちなみに、投げられた槍や矢はポチのローブのおかげでほとんど弾かれ、わずかに隙間に刺さった矢は耐えれるレベルだった。
むしろ、適当に矢が刺さってくれたおかげで食いしばり力が増した。
だが、所詮は歯である。
突き出された槍を完全に止めることはできなかった。
俺は歯を粉砕され、口内を滅茶苦茶にされ、喉を突かれる。
しかし、俺は死んでいなかった。
まず、攻撃を読み切ったことでタイミングを合わせれたこと。
次に食いしばりが思ったよりも槍を受け止めれたこと。
最後に、俺を仕留めるのを急いだクルーガーが跳躍して槍を突き出したことで、クルーガー本来の力で槍を突き出せなかったことだ。
それでもダメージは走馬灯を見るレベルで深い。
俺は血を吐きながらも、クルーガー達の第二撃が来る前に鉄網を焼き切ることはできずも、絡みをとりなんとか転移できる体勢にもっていくことに成功する。
ぞぞ・・・
「逃げるぞ、撃て!」
どどどどどどん!!!
バッ!
キンキンキンキン!
俺はローブを払い弾を弾き転移した。
「(死ぬかと思った・・・、ワンパターンダメこれ約束)」
俺は命からがら陣地まで戻り、鏡を見ながら口内の再生をするのだった。
そして再生後はひたすら飯を食った。
「(クルーガーの野郎・・・おしりぺんぺんしてやる)」
息子への雪辱を誓って。
翌朝
「父上、潜入は失敗ですか?」
「言いにくいこといってくるな。その通りですよ!潜入読まれてた」
「やはり・・・わかりました・・・」
イツキをはじめ、幹部と短い打ち合わせをして攻撃命令を出す。
「全軍攻撃開始!」
「「応!!」」
その直後、3頭のワイバーンが要塞に飛んでいく。
俺は要塞の異変を察知し、後方の二人に急ぎ合図する。
3頭が要塞を攻撃する直前で急上昇する。
3頭がいた場所には大量の網が打ち出されていた。
「(昨日食らってなかったらヤバかったな)」
俺は再度指示を出す。
3頭の編隊飛行から1頭が外れる。
その直後、味方の進軍速度が上がる。
リカが外れ、軍団指揮重視に切り替えたのだ。
俺とイツキで要塞の周囲を飛び回り、要塞の遠距離攻撃から味方を逸らす。
だが、さすがクルーガーというべきか俺とイツキはガン無視して、大筒や矢は友軍地上部隊を狙う。
しかし、対ワイバーン用網発射機により大筒の数は要塞の規模に対して少ない。
俺は飛びながらでも矢程度は妨害できる。
またワイバーン達も腹でなければ矢や短筒程度は問題ない。
俺とイツキは味方を守りつつ、要塞の周囲を引き続き飛ぶ。
そして網の発射の間隙をついて敵を襲う。
今回俺はメイスだ。
これで網発射機や敵をまるごとホームランするのだ。
イツキは見るたびになにか黒いオーラとかいう非科学的な存在を発する黒い槍斧で敵を破壊していく。
まもなく地上部隊が要塞に迫り、次々に梯子をかけ始める。
そして隙をついてリカも要塞の敵に斬りかかる。
味方がどんどん登り始めた時、突然イツキが作戦にない突撃を開始。
ワイバーンから呼び降り、要塞に降り立ち敵を切り伏せ始めた。
その先にはクルーガーがいた。
「クルーガー様!!」
「・・・」
俺はもちろんイツキの実力を知っている。
あいつは天才だ。
俺が教える近接戦闘もかなりのレベルで使える。
イツキの年齢では一つの武術をある程度のレベル修めるとほかの武術はまだまだのレベルになりがちだ。
少なくとも俺やジン達はそうだった。
だが、イツキは剣術、刀術、そしてハルバート使用により槍や大斧といった長物武器もかなりのレベルで使える。
もちろん魔力も外道チートにより年齢以上だ。
そんなイツキに対してクルーガーは見事に切り結んでいる。
イツキの黒い槍斧とクルーガーの白槍による広範囲かつ激しい剣戟に巻き添えを食わないよう自然と輪ができていた。
ヒットアンドアウェイで攻撃する俺に向かって、ものすごい勢いで槍が飛んできた。
「(バリスタ!?)」
その槍の投擲主はバリスタではなかった。
ケリー家の英雄が一人。誇り高き獅子ジョーであった
俺はこの要塞を落とすべく、ジョーに向かって飛びそしてラッキーから飛び降りた。
読んでくれてありがとうございます。
リカとイツキの武器に関しては謎です。
しかし、成長する武器ってかっこいいですよね。
そういうことなんです。




