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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

恋愛短編シリーズ(作者名サウス・ジュンでの)

ヤンチャな彼女を愛でる

作者: サウス・ジュン

僕の幼馴染の日高かなは昔からヤンチャだ。


小さい頃は近所の子供たちを束ねて外を駆け回っていた。

僕は、そんなかなの後ろをついて歩いていた。

感覚的には子分とか家来とかそんな感じだ。


でも、かなはいじめっこみたいに横暴ではないから、何かあればいつも助けてくれた。

僕が誰かに嫌がらせされたりすればいつもヒーローのように表れて颯爽と倒してくれた。


小学生になっても、かなは相変わらず男の子に混じって遊んでいた。

見た目も男の子みたいで、全然違和感がなかったのが少し悲しいと僕は思ったけど・・・


かなは以上モテた。

・・・・・主に女の子に。

バレンタインデーなんかは、女の子から大量にチョコを貰ってクラスの男子の嫉妬を煽っていた。

中には友チョコや義理チョコ以外に本命らしきものもあったので、それとなく、かなに言ってみると。


「そうなの?まあ、俺が好きなのはタケだけだから別にいいかな?」


タケ=僕のこと。

思わずこの台詞に赤面してしまった。

ちなみに、この頃のかなは一人称が『俺』で、かなの両親や兄妹からは治せといわれていたがいっこうに治る気配はなかった。


小学校の高学年になってもかなはあまり落ち着かなかった。

ただ、少しずつ女子の輪の中にも入るようになり、男子との喧嘩も一週間に2、3回と少なくなってきた。


僕はといえば、男子と遊ぶことももちろんあるが、この頃は読書をすることが増えた。

かなのお兄さんに進められた小説にはまってしまったのだ。

ただ、読書をしていると7割りの確率でかなに邪魔をされるので、ゆっくり読めるのは寝る前ぐらいだ。


家にいてもかなは頻繁に遊びにくるので、大概はかなと一緒だ。


この頃くらいから、僕は料理も勉強しはじめた。

きっかけは、調理実習でのにらせんべいをかなに食べてもらって笑顔で「おいしい」と言ってもらえたことだ。


我ながら単純だけど、かなの笑顔を見れるならどんな努力も楽しかった。

ちなみにかなはまったく料理はできない。

包丁をもつと、殺人鬼のような感じのオーラをだして、持ち方が危ういから禁止されているのだ。


なお、僕が料理をはじめて、かなの両親にも作ってあげたときに、「なんで、男の子のタケちゃんの方が女子力高いんだろう?」とか、「タケちゃん。かなのお嫁さんになってくれないかしら?」とか真剣な表情で言われたのが印象的だった。


中学生になると、かなは多少大人しくなった。

一人称も『俺』が『あたし』に変わるなど大きく成長したかのようにみえた。

とはいえ、それは表面上で実際は部活などで発散しているようだ。


かなは、バスケ部に入っている。

この頃に背丈が伸びて、僕を越えて160㎝と中学生ながらに恵まれた身長を獲得したことで一躍バスケ部でエースの座にいた。

部活のときのかなの姿を一目みようと女子が集団で体育館に固まる姿は一種の名物になっていた。


僕はといえば、家庭的なスキルをえらく習得していて、勉強も頑張っていたので、よく成績の悪いかなの家庭教師をする機会が増えた。

ただ、このあたりから僕はかなのことを異性として本格的に意識し始めたので、二人きりでの勉強会は凄い緊張した。


かなは、あまりそういった知識がないのか、昔と変わらずに無垢な笑顔を僕に向けてきてそれがまた心にきて、もんもんとした。


そんなある日、かなは告白されたと僕に報告してきた。

相手は3年のサッカー部のエースでイケメンなモテ男らしい。


愕然ととしてしまった。

かなが誰かから告白されるなど考えもしなかったからだ。

僕は恐る恐るかなにどうしたのか聞いた。


「そ、それでどうしたの?」

「うーん。断ったよー。だって、あたし興味ないしねー。」

「そ、そうか。」


不覚にもホッとしてしまった。

かなは男勝りだが、確かに美人だ。

そりゃ、告白くらいはされるのか・・・


そう考えると心に黒いもやがかかったような気がした。

ふと、気がつくと、僕の様子が変になったのが気になったのかかなが心配そうにしていた。


「タケ大丈夫?」

「う、うん。大丈夫。」

「ほんとに?なんだか変だよ?熱でもあるのかな?」


そう言ってかなは僕のおでこに自分のおでこをくっつけた。

真っ正面にあるかなの顔。

無防備にこちらに顔を近づけてくるかな。

僕は、そんなかなを思わず抱き締めてしまった。


「タケ?」

「ごめん。少しだけ。」


不思議そうにしていたかなはでも大人しくして僕の腕の中にいてくれた。

体に感じるかなの体温。

もし、かながサッカー部のエースの告白を受けていたら?

この体温を感じるのはあいつだったのか?

そんなことを考えた。


嫌だ!かなは・・・かなは僕のものだ!


気がつけばそんなことまで考えていた。

昔から一緒の幼馴染。

ずっと一緒にいた誰よりも近い存在。


この時に、僕は・・・かなへ異性としての好意を抱いた。


その日から、僕は代わった。

まず、外堀から埋めるためにかなとの学校での接触を増やした。

もちろん、友達付き合いに影響しないように配慮して、いつもなら僕の元へかなが来るのを、僕から行ってみたり。

登下校も、なんだかんだで部活のあるかなに合わせるようにしていた。

そして、学校でのかなへの不審な動きへの牽制もした。

かなへのアプローチや告白などないように僕がいかにも彼氏だというふうに周りには認識させていった。


それから、僕やかなの両親への働きかけも積極的に行った。

今までも十分な交流はあったし、すでに認められてはいたけど、僕はさらに積極的な交流をした。


これらの働きで、結果的には学校では僕とかなは公認のカップルのような存在としてみられて、僕とかなの両親からは絶対結婚しようというようなオーラを出されるレベルまでになった。

特に、かなの両親とお兄さんは凄くて、「かなのことはすべて任せるから、よろしく」とまで言われた。


それから、僕はかなに僕を異性として意識させるようにも働きかけた。

具体的には、積極的なスキンシッブやラッキースケベ的な展開を意図的に行ったり、恋愛系のドラマを見させたりなどだ。


前者は思いのほか、効果はあった。

僕の裸をみたり、逆に僕に裸をみられたりするとかなは露骨に動揺した。

もちろん、僕も恥ずかしいがかなが僕以上に動揺するので逆に冷静でいられた。


後者のほうもそこそこうまくいったと思う。

かなは恋愛ものがあまり好きではないのがドラマならそこそこ観ると思い、みせてみたら意外とはまってくれて、最近は影響されたのか、僕をみて恥じらう姿も目についた。


中学校最後の夏。

そのタイミングで、僕はかなに告白した。

ようやく、仕込みが終わったのだ。


かなは戸惑ってはいたが、嬉しかったのか恥じらいながらもOKを貰えた。


その日は、家に帰って報告すると両家でパーティーのような状況になった。

特に、「よくやってくれた・・・!こんなじゃじゃ馬な妹だけど捨てないでくれ!!」と言って泣いていたかなのお兄さんの喜びは半端じゃなかった。


その日は、そのままお互いに自分の部屋に帰り寝た。

流石に今日、いたすのは僕の心情的にもかなの心理的にもきついので、帰る際にかなに不意打ちでキスをするだけにとどめた。


そのときのかなの反応がまた可愛くて、顔を真っ赤にしてフリーズして「な、なななな、なん・・た、タケ・・・な、なん!」と壊れたスピーカーのようなかなが愛しすぎた。


翌日に会ったかなは僕をみて、顔を真っ赤にしてもじもざしていて、普段の勝ち気さがなりを潜めていたので、僕はそのギャップにまたしてもやられてしまい、思わず赤面するかなを抱き締めていた。



高校生になり、僕の身長はかなをようやく越えた。

かなを見下ろせるようになったのが、嬉しくて、僕はかなを抱き締めるのがくせになった。

ちなみに、そんなときのかなはまだ慣れていないのか物凄い真っ赤に赤面して、さらに僕のスイッチを入れてしまい、結果的に涙目でこちらをみるまでキスを続けることになる。


さて、肝心のかなだが・・・かなは、高校生になってから成長は止まったが、少しだけ女性らしくなってきた。

ただ、雰囲気がボーイッシュなままなので、周りからはそうは見えないけど、僕と二人になるとそれは顕著に表れる。


具体的には、脱がせると成長を実感できる。

何回も体を交えても慣れないものでかなは毎回涙目でしおらしくなって僕を見つめる。

どうやら、軽くエムっ気があるらしく、多少罵倒じみた言葉や罵るようなことを言うと嬉しそうにする。

ほんとは、かなにそういうことを言うのは心苦しいが、なんとなく幸せそうなかなをみてるとすんなり言葉が出てきた。

そして、そんなかなをみていると興奮する僕はエスだと発覚した。


そんなある日、かなは僕をみて言った。


「タケは爽やか系だけど、腹黒なSだよね。」

「は?」

「友達にタケちゃんとのことを話した時にそう言われた。」


思わず頭を抱える。

かなに余計なことを教えるなよ・・・


「かなは意味はわかってるの?」

「う、うん一応・・・納得したし。」

「ほう・・・」


俺は思わず目を細める。

すると、かなはとたんに体を縮こませる。


「そうかそうか・・・どうやらかなにはお仕置きが必要なようだね・・・」

「お、お仕置きって・・・」


ごくりと緊張で喉をならすかなに僕は笑顔で告げた。


「大丈夫。たっぷり可愛がってあげるから。」


その日は、結局かなを思う存分お仕置きして、次の日かなは一日使い物にならなくなった。

休みだったので特に問題はなかったし、結果的にはかなも楽しんでいたので大丈夫でしょ?


学校では、かなとはわりとべったりと過ごしてはいるけど、みんなの前ではあまあまな感じは控えている。

何故なら、それをやるとかなが恥じらう姿を他の野郎にみせることになるからだ。


なので、弁当の時間は二人きりになり思う存分イチャイチャする。


「かな。あーん。」

「あ、あーん。・・・やっぱり恥ずかしいよー!」


何回もやってるのにいまだに照れるかな。

僕はそれでもにっこりと笑いながら続ける。

やめるという選択肢はない。


「ほら、かな。食べなきゃダメだよ。」

「うう・・・でもぉ・・・」

「はいはい。あーん。」

「あーん。・・・んんん、恥ずかしいよ・・・」

「よしよし。頑張ろうね。」

「そ、そんなぁ・・・」


口では嫌がっても結果的にはやってくれるかなは可愛かった。



それから、高校生を卒業して、大学生になり社会人として仕事が安定した頃に僕はかなにプロポーズして、結婚した。


数年後には子供が出来て、賑やかな家庭になった。

かなは、生来の性格で心強い母親になったけど、僕の前ではやっぱり可愛くなる。


僕の前だけで可愛くなるかなと僕は今日も平和に過ごしている。


お読みいただきありがとうございます。


今回は「幼馴染が男勝り」というコンセプトで書きました。

ぶっちゃけ、大人になってから好きになるギャップ萌えが書きたかっただけです(笑)


書いてるうちに、若干違うような気はしましたが、多目にみてください。

さらに、何故か主人公が腹黒になってしまい、まあ、溺愛というか若干の依存という感じもしますが・・・


では、この辺でm(__)m

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