死を乗り越えた先に
一織はあれからティンの元に戻り墓を作った
「ティン、俺は帰って来たぞ、だから俺なんか気にせず眠ってくれ」
一織はティンが死んだ事に対しての感情を押し留めた
(俺はもう大切な物は失わない、たとえ相手を殺すことになったとしても...)
決意を胸にし、一織は明日に向け準備を進めた
「夜も遅くなったな、そろそろ明日に向け寝るか」
そう言い一織は眠りについた
一織は朝日も昇っていない時間に目が覚めた
「はぁぁぁ...」
大きく欠伸をし
「そろそろ準備をするか、っとその前に飯でも食うか、なぁティン」
一織が話しかけてもそれに答えてくれる者はいなかった
「そう、だったな」
一織はティンが死んでしまった事を思い出した
(今は悲しむ時じゃない)
考えながら一織は朝食を作り出した
昨日狩り、捌いた鹿を焚き火で焼いて食べようと考えた
一織は持っている才能(一度見た事を直ぐに再現することができる)を使い料理も出来るが、本人は味を余り気にしないので出来たとしてもしないことが多かったりする
「そろそろ、焼けたか?いい感じだな」
こんがり焼けた肉を食べ
「なかなかいけるな」
そのまま朝食を終え旅に出る準備を終えた
(そろそろ行くか)
そしてティンの墓の前に行き
「ティン、俺は行ってくる、またいずれ戻ってくる」
そうして一織は旅に出た