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黒き少年の冒険譚  作者: スレンダーマン
1章 成長
3/6

旅の途中

俺が喋れる年になるまでに5年以上の時間を過ごした

だが、5年以上も待ったかいがあったというもの

「ティン、こっちは終わったぞ」

「あぁ、こっちもすぐに終わる」

俺は今、自由な暮らしが出来ている

それはこの女のお陰だろう

「じゃあ、イオリそこにあるワイルドボアを解体しておいてくれるか?」

俺に対し命令(お願い)をしてくる女は俺を拾った褐色の肌をした女だ

話が出来るようになり褐色の女の名が

ティン・エルベールという名だということが分かった

「はぁ、分かったよ」

一織は怠そうに頷いた

(面倒くせぇなぁ)

と考えつつもワイルドボアの解体を行いだした

「それを解体し終わったら朝飯だ」

(ふむ、そうか)

ティンに命令されるのは好かないがこいつの飯はうまい

一織は少しだがやる気をだし、解体作業をパパッと終わらせてしまった

「よし、出来たぞ」

「あぁ、頂こう」

(相変わらずうまいな)

一織は心の中では素直なのである

こんな生活がずっと続いた







ー五年後ー

あれから5年経ち、一織は11歳になっていた

ティンいろいろなことを教えてもらい、それを自身の元々持っていた才能と組み合わせ、一織は様々な意味で人間離れしていた

そしてこの世界には

(やはりあったな魔法が)

魔法というものがこの世界では常識となっていた

(案外魔法というものは簡単に使えるものなんだな)

これこそが一織の才能である

教わったことは一度で覚え、教えた人を軽々と越えていくぐらいの力を得るのだ

前世でもそうだった

彼は一切の勉強をしてこなかったが常に成績上位、運動神経は良いを軽く通り越しているほどのものだった

直ぐに魔法をおぼえてしまったので、それを見たティンは

「おい、はぁ?マジで?」

と使う言葉がおかしくなるほどに愕然としていた

そしてティンは一織に剣術や生活するための知識を教えた

一織はティンに感謝してもしきれないほどだった

(いずれティンには恩返しをしないとな)

と普段の一織らしくない考えをしていた



言うのを忘れていたが、俺達は様々な場所を転々としている。つまりは旅人だということだ

しかし、旅をしはじめて11年経ったとき、11歳になったときに事件は起きた




「おいティン!どうしたんだその傷は!」

「だ、大丈夫だ」

ティンは大怪我を負っていた

しかもその傷は人為的に傷つけられていた

「大丈夫だ今治す」

そう言い一織はティンに治癒魔法を使い出した

だが一織にはわかっていた

ティンが助かることは無いと

「くそ、何で治らない!」

「もう、もういいイオリ」

ティンは諦めたように言った

「もう私は無理だ」

ここに来て一織は少し冷静になった、しかしそれは所詮少しだったようだ

「こんなことをしたのはどこのどいつだ」

「有名な指名手配犯がいてな、私は色々と狙われるんだ」

「どういうことだ」

「私の種族はダークエルフというんだが、ダークエルフは奴隷などに喜ばれるんだ、それに教会の者からは嫌われているんだ」

一織はその理由が直ぐに分かった

「それは黒いからだろ?」

「やはり分かるか」

そうだ、この世界では「黒」は嫌われている

黒は邪悪の象徴とされているのだ

今まで旅をしていてバレなかったのはひとえにティンの幻惑魔法のお陰だろう

「それでそいつはどこにいるんだ?」

「言う訳にはいかない...言えばお前は戦いにいくだろう?」

「当たり前だ」

「ならば尚更言えないな...」

とティンと話している途中で何か音が聞こえた

(なんだこの音は、人の声か?もしかしてこの声は)

考え出した瞬間に一織は声を出した人物を思い立った

「ティン、行ってくる」

「ま、待て!行くな!」

ティンは今出すことが出来る最大の声量で一織を呼び止めようとした

「ゴフッ!」

「ティン!」

ティンは血を吐き出した

「大丈夫か!」

「私はもう無理だ、あいつらが来る前に逃げ、ろ」

ティンはそのまま動かなくなってしまった

「ティン、ティン、悪ふざけは止めろ!早く起きろよ、ティン!」

だがティンは何の反応も返さない、ティンの胸に耳を澄ましてもティンの鼓動は聞こえなかった

「くそ!クソガァァァァ」

一織の決意は固まった

(ティンの仇を取らなければ気が収まらない!)

急に思考が冷静になってきたが、一織の感情は殺意が大半を占めていた

「心配するな直ぐに帰ってくる」

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