おかしな女の子④
「あの・・私もここの学生なんですけど・・あの~・・歩きポテチ・・おいしいですか?」
歩きポテチの女の子を伺うように見つめながら麦わらの女の子は問いかけた。
「・・えっ? ・・あっ、はい・・おいしいですけど・・何か・・? あっ・・食べますか? ・・いや、もしかして・・やっぱり、変ですか・・?
・・何も食べずに出てきてしまってあまりにもお腹が空いていたので、そこのコンビニで買って思い切って食べ出したんですけど・・」
「・・あなた・・何年生・・? ・・見たところ2年生?」
「・・えっ? ・・そうですけど・・。何で分かったんですか? ・・あなたは?」
「わたしは3年だけど、あなたのバッグから顔を出している教科書、あたしも去年使っていたから。・・あの・・今あなたが歩きポテチしてこっちに向かってくるのをずっと見てたんだけど、何か面白くて・・。
あなたのバッグから教科書が顔を出してて、うちの学部の後輩かもと思って声をかけたんだけど・・ごめんね、笑っちゃった・・。・・あと・・車で通る人にものすごい見られているけど・・大丈夫?」
ポテチ歩き食いの2年生の女の子はそう言われると周囲を見回した。麦わらの女の子の言うとおり、通る車、通る車の人たちがポテトチップスの大袋を掲げている自分の方をチラッと見ていた。それが分かり女の子は顔を赤らめた。
「・・やっぱり・・変だったんですね・・笑われていたなんて・・やめときゃよかった・・」
女の子はとても恥ずかしそうに下を向き、ポテトチップスの袋を慌てて折りたたんでバッグの中にしまいこもうとしている。
「あっ! ・・ちょっと待って! ・・お願いがあるんだけど・・いい?」
女の子は動きを止めて麦わらの女の子を見た。
「・・あの、ポテチ・・1枚もらってもいいかな? あなたがおいしそうに食べているのを見たら私も食べたくなっちゃって・・」
恥ずかしそうにしていた女の子はとても嬉しそうに“いいですよ”と笑顔になり、麦わらの女の子に袋を開けて差し出した。女の子も一緒に袋からポテチを取り出してその場で“おいしいですよね”と食べ始めた。




