失恋ラーメン②
「・・お三方とも泣いていますね・・悲しいことがあったんですか・・? ・・もしかして女の子にフラレた・・とか・・?」
「・・いえ、何か・・どうしようもなく嬉しくて・・」
「・・えっ? 嬉しい? ・・もしかして・・告白できないうちに好きな女の子が誰かと付き合い始めてしまった・・とかですか・・? 自分たちはダメだったけれど、自分たちの好きな子が幸せになったから・・悲しいけれど嬉しい・・とか?」
「・・いや・・あの・・」
綾田はるせの親身な感じと勢いに押されて3人は何も言えなくなってしまっていた。
「・・そうなんですね・・。・・あなたたち、ほんとにいい人なんですね。・・でも、きっと大丈夫です! 相手の女の人がどんな人かはもちろん知らないんですけど、あなたたち3人共が好きになるようなとっても素敵な人なんでしょうけれど、あなたたちのような心のきれいな人たちには、その人に負けないくらいに、それ以上に素晴らしい相手がきっと見つかるはずです!
今はすごく悲しいかもしれないけれど、だから元気出して! ほら、ラーメンもおいしいし・・。
最初は暑かったけれどとってもおいしくないですか? ・・私、こんなに暑い日のラーメンがおいしいなんて思ってなかったんですけど、思いっきり汗をかいたら逆に暑さが吹き飛んでとっても爽快な気分になってきました。
あなたたちも思いっきりこの熱くておいしいラーメンを食べて爽快になって元気出してください・・」
綾田はるせは3人の男子学生についてかなりの誤解をしていたが、何とも言えないほんわかとした綾田はるせの優しさが理屈を超えて3人の男子学生の胸を打った。
「・・いや何か・・ありがとうございます・・。・・あなたはとっても良い人なんですね・・。これほど優しい人だったなんて知りませんでした。・・こんな僕らに気さくに声をかけてくれて・・。・・温かく励ましてくれるなんて・・心がこれほど綺麗な人だとは・・。・・何か・・すみません・・」
3人は顔をクシャクシャにして泣き始めてしまった。綾田はるせは男子学生の言っていることが部分的によく分からなかったが、とにかく、本当にその女の子のことが好きだったんだな、相手が幸せになったとは言え、本当に辛いんだな、と思った。
いつの間にか4人のやり取りを見聞きしていた店主も涙ぐんでいてそれを拭いながらも鍋を振り出した。
「・・あの・・何か逆に泣かせてしまったみたいで・・。・・大丈夫ですか?」
「・・うっ・・うっ・・いえっ・・あなたにここで会えて・・お話できて・・ほんとに良かったです・・。・・それが俺たちは・・嬉しいだけです・・ここに来てくれて・・ほんとにありがとうございました・・。・・うっ・・うっ・・。」




